REITは本当にお得で安心か? 中身をちょっとのぞいてみた。-投資主総会レポート-

May 19, 2017

人生はわくわくとドキドキで、できている! 不動産投資家やんつです。
社会人としてお金のことを勉強したいあなたと、アクティブシニアになりたいあなたへ・・

比較的安定的な3~5%の利回りを狙える、有力な投資商品であるREIT(不動産投資信託)
わたしの保有しているREIT(東急リアルエステート投資法人:コード8957)から投資主総会のお知らせが届きました。

投資主総会とは株式投資でいう株主総会にあたるもの。
REITの中身ってどうなっているんだろ? 投資手法はどんなもの?
ということで勉強のために行ってみました。はてさて、東急REITの中身とは…

■ 投資主総会

東急REIT
場所は渋谷のセルリアンタワー東急。
200人程度の入りでしょうか…。

資産運用報告書によれば、一口当たり2746円の配当(27期:2017/01末期)です。
期中平均価格比で3.87%の利回りとあります。

マイナス金利時代にこれは嬉しい利回りです。
配当水準も、近年3.5%程度で安定しています。これがREITの魅力。

総会の前段は東急リアルエステート投資法人の総会議案の議決です。
役員の任期切れによる異動関係が主。とんとんと進みます。

後段が、いよいよ「運用状況報告会」
うとうとしていた人も急に顔を上げ、会場の空気が引き締まります。

内容は
・決算及び業績予想の概況
・その他の運用状況
・東急リートと東急電鉄
・参考情報
です。(資産運用報告書

物件数:28物件  思ったより少ないです。
総資産額:2197億(物件平均78億円)
やはり大きな物件が中心のようです。東急グループならではでしょうか。
(資料には最低投資額40億円が基準とありました)

首都圏の中でも、東京都心5区地域(千代田、中央、港、新宿、準その他)及び東急沿線地域に85%以上を投資する方針とのこと。第27期末時点ではこの2地域で投資比率93.8%です。

稼働率はオフィス系95.0%、商業施設97.1%とあります。面白いのは計算が面積基準であること。
わたしたちの多くは、部屋数基準を使います。
確かに商業系ではフロアの大きさがバラバラなので部屋数という訳にはいきませんね。
納得です。

冒頭は「世田谷ビジネススクエア」の状況についての細かな説明。
世田谷ビジネススクウェア
(用賀駅前、2.1ヘクタールに高層タワー棟を含め8つの建物。グレート!な物件です)

どうやら第26期(201607期)において大口テナントの退去があり、利回りを下げる要因となった問題物件のよう。(商業施設系稼働率が94.8%にダウン。物件単体では80.1%まで下落)

当時、10区画が空きだったそうですが、ほぼ1区画を除いてテナント入居が決まりましたとの報告。担当者も安堵の表情です。

フリーレント(家賃無償)なども設定したようで、この立地で1年間以上も入居付けに苦労するとは、オフィス系の入居の難しさを感じます。
(非住居系は、やはりハイリスクハイリータンと言えそうです)

■ 投資戦略

東急REITの投資戦略の説明がありました。
不動産価格の循環性に着目した「バリュー型逆張り投資戦略」だそう。

バリュー型逆張り投資
7年を一つのサイクルとして、不況期、好況期の循環と捉えます。
底では取得を進め、山では売却していき、その他は保全期として維持に努めるというもの。

プロの不動産投資手法として、われわれも大いに参考になります。目先だけではなく、長期の波を見るということですね。

単なる東急沿線の物件管理だけではなく、売却を含めた収益の最大化を追求しています。
投資主としては頼もしく感じました。

物件数の推移です。
2015/07末 29物件
2016/01末 30物件
2016/07末 29物件
2015/01末 28物件(3件売却、購入2件?)

会場から、2020年に向けて今が売却の時期と思うがもう少し売ってもいいのでは、という質問がありました。

大きな波は見るも、個々の物件の状況で最終的には判断するとのこと。
売却であまり物件数を減らすと、内部留保は進んでも家賃収入が下がるのでバランスを取っているようです。

■ 安全性

安全性向上のために有利子負債の長期固定化を進めているとの説明。

有利子負債比率も43.5%⇒43.1%⇒42.5%と着実に減らしています。
支払利息の経費ウェイトは8.2%。大きな経費率ではありません。

融資残高は850億円前後で推移しており、平均金利は1.28%とやや高めです。
これはかなり前の調達が含まれるからのようで、戦略的な借り換えで返済期日の分散と、金利低減を進めているとのこと。

財務上の安全度は高いといえます。(当たり前ですが)

最後に、取得基準40億円/物件を渋谷区を含めた東急沿線10億円、都心5区域20億円に対象を拡大します、との報告がありました。
大型の投資機会の減少しているようです。これも首都圏高騰のあおり…?
(一般的な東急スーパーで20~30億/物件 だとか)

営業利益率は47.8% 経常利益率39.3%
総資本経常利益率2.7%

この財務内容で3.5%の配当が期待できるREIT。
投資商品としてはなかなかの優れものと再認識しました。
あなたも一つ検討してみてはいかが?

東急REITの中身をのぞいた一日でした。
今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございます。

(本記事はあくまで個人的な見解で、特定の会社、商品を推奨するものではありません)

J-REITで本当に潤うことはできるのか? (2)

Dec 20, 2015

こんにちは!50代であわててお金の勉強中の、不動産投資家やんつです。
社会人としてお金のことを勉強したいあなたと、アクティブシニアになりたいあなたへ・・

前回は、マネー誌の特集「J-REITで潤う方法!」の検証をしてみました。
REITの特徴を確認するために、NAV倍率の低いものについて価格の変動の度合い示すボラティリティを調べようとして見当たらないところまででした。

20151220ビル街_REIT
NAV倍率や分配利回りなどはありますが、標準偏差などのボラティリティ情報が見当たりません・・・
安定的な分配利回りがあったとしても元本の変動幅が分からなければ、正しい評価がしにくいです。

これは困った・・・
何か代わりになる指標は無いんでしょうか?

あちこち見てたら楽天証券のスーパーサーチで、ベータ値の記載がありました!
ベータ値(β)とは、市場(マーケット)との連動性を示すリスク指標です。
商品の変動の大きさがベンチマーク(市場平均)の価格変動に比べて大きいか小さいかを示す指標です。

一般にベータ値が1であれば市場平均と同じ値動きをすることを示し、
1より大きければ市場平均より値動きが大きいことを示します。

標準偏差が絶対的な変動幅を示すのに対し、ベータ値は元々動きのある市場平均からの変動幅を示します。
ボラティリティに関する指標であることは間違いありません。
かなり手掛かりにはなりそうです。

TOPIXに対するベータ値を見てみました。(過去2年間に対する数値)

(証券CD)
8957 東急リアル・エステート投資法人 0.31
8958 グローバル・ワン不動産投資法人 0.3
8966 平和不動産リート投資法人    0.31
8982 トップリート投資法人      0.32

なんと!どれもかなり小さい値です。値動きが小さく安定的であることが分かります。
TOPIXの2013~2014年はアベノミクスで一本調子で上げた時期です。
そのTOPIXに約1/3の変動幅とはどんなものでしょう。

ここで、各銘柄の10年分のチャートを見てみました。

多少銘柄により変動の幅は違いますが、長期的にはかなり似通っています。
2007年中まではREITブームに乗って大幅に上げ、その後バブル崩壊のように一挙に下げ、
リーマン以降に底を打った後、ここ数年は横ばいか緩やかな上昇です。

さて、REITについてまとめてみます。
(あくまで個人的見解です。ご購入は自己責任でお願いいたします)

『個別REIT商品特性』
・3~4%の安定的な分配を狙う商品
・特に日本では大きな成長性は見込みにくい
・市況変動の影響は軽微

この特性から、大型安定株と比較されるような気がします。
安定的な分配狙いの場合、どちらがいいんでしょうか?

『個別REITのメリット』
・分配率は安定していて、配当よりは高い
・ボラティリティが低く、一定の分散効果が期待できる。
・バブル時期を過ぎ、大きな下落は考えにくい(と思われる)

『個別REITのデメリット』
・成長性はに疑問が残る。大化けは期待できず妙味に欠ける。
・株式市場に分類されているが、商品特性が分かりにくい
・2007年以降の下げの印象が強く、イメージに難がある

大化けは出来そうもありませんが、その債権的側面については評価できそうな気がします。

従来は債権と株式で分散投資をするというのが常識でした。
ただ歴史的低金利の今、債権の金利があまりにも低く投資の意味が薄いといわれています。
また過剰流動性のなか、株式も債権も同じ方向に動くことが多く、分散投資にならなくなっています。
その意味ではポスト債権として面白い存在かもしれません。

株のような大化けが期待できない部分、敬遠されているのかもしれません。
ただ、わたしは債権の代替としての可能性を感じます。
少し、購入してみようと思います。

ここでご注意・・・

一見名前が似ている
投資信託REITは、だいぶ様相が異なります。

・拡販のために高い月次分配をしている
・その分配金を実現するために元本を取り崩している

こんな特徴があります。
くわばらくわばら・・・

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
少しでも参考になれば嬉しいです。

J-REITで本当に潤うことはできるのか? (1)

Dec 16, 2015

こんにちは!50代であわててお金の勉強中の、不動産投資家やんつです。
社会人としてお金のことを勉強したいあなたと、アクティブシニアになりたいあなたへ・・

先日、マネー誌でこんな特集がありました。
「J-REITで潤う方法!」
謳い文句は、分配金利回り平均で3.51%で他の優良株にも負けてない!
だそう。

つい先ごろ、REITは買うべきか買わざるべきか?
でREITの購入検討をした身としてはこれは見過ごせません!
ということで読んでみました。

REITとは不動産投資信託のことで、株式のように証券取引所に上場され証券会社を通じて売買が可能です。
2001年2銘柄からスタートし、今では50銘柄を超えるREITが上場されています。

20151216221132
不動産証券化協会HPより

REITは投資家から集めた資金で、オフィスビルや商業施設、マンションなど複数の不動産を購入し、その賃貸収入や売買益を投資家に分配する商品です。
個別REITとでも呼ぶべき上場された個々のREITと、それを組み合わせたファンドとしての投資信託商品もリートと呼んだりしています。
ちょっと混同してしまいますね。
ここでは、個別REIT
投資信託REIT  と呼ぶことにします。

前回購入検討した、新光J-REITオープンやダイワJ-REITオープン、野村Jリートファンドなどは投資信託REITのほう。
一方、個別REITには株式のように4桁の証券コードが割り当てられています。

組成商品が不動産であるため、不動産投資の入門書などで
『不動産投資のリスクを避けてたい方はREITから始めるという選択肢もあります。』
など、個別REITがあたかも不動産投資の入門商品であるかのごときの記述がありますが、
これは大きな間違いと思います。

組成、構成が不動産であるだけで、金融商品としての性格は株式に近いです。
個別REITを買っても不動産投資の勉強にはなりませんし、不動産を所有できる訳でもありません。
利益構造が不動産でも、取引形態上は紙の金融資産です。実物投資とは呼べそうもありません。

その評価指標としてNAV倍率というものがあります。(Net Asset Value)
純資産価値に対して現在の投資口価格(株価)が何倍であるかを示しているもの。
株式でいうPBRと同等の指標ですね。

1.0を下回ると解散価値(純資産価値)を投資口総額が下回っているということ。
割安度を計る目安です。逆に1.0を大きく超えていれば純資産より市場評価が高いということです。

今の日本の不動産市況はインカムゲイン狙いが主体で、バブル期のような大きなキャピタルゲインを狙えるような状況ではありません。
そのため損益構造としては、大きな成長を期待するというより安定的な分配を継続することが主たる目標といえます。

誌面にある各商品のNAV倍率を見てみましょう。
代表的な20数銘柄が掲載されていますが、成長が見込めないためか大きなバラ付きはありません。
0.9~1.3といった所です。
性格上、その純資産から大きく乖離した評価は存在しないよう・・・
とすると、大きな毀損が発生せず安定的な分配が見込める!?
もしかしていい金融商品か??

分配が安定的とすると、気になるのは元本の動きです。
いくら分配が安定的でも元本が大きな値動きをするようではリスキーな商品です。

価格の変動の度合いをボラティリティといいます。
市場の動きに対する商品の市場感応度とでもいうべき指標です。
ボラティリティが大きいと上下動が大きい商品という事です。

元々はオプション取引で出てくる関数ですが、
一般的には簡易的に標準偏差で表されます。

個別REITの情報は各証券サイトの他、民間の専用サイト
JAPAN-REIT.COM(不動産投信情報ポータル)
でも見ることができます。

NAV倍率の低いもの(割安なもの)をいくつか、
そのボラティリティを調べてみました。

(証券CD)
8957 東急リアル・エステート投資法人
8958 グローバル・ワン不動産投資法人
8966 平和不動産リート投資法人
8982 トップリート投資法人

あれれ? NAV倍率や分配利回りなどはありますが、
ボラティリティ情報が見当たりません・・・
どうしたらいいんでしょうか・・・??

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
この項、続きます。

管理人プロフィール

やんつ写真

やんつ(山本 常勝)

合同会社モンテリーブロ 代表
資産形成、資産運用専門FP
Webディレクター

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