「よくやった!」税務署のおじさんの褒め言葉に、思わずこみ上げてきたもの。

2016-02-29 22:32:17.595

こんにちは!50代からあわててお金の勉強中の、不動産投資家やんつです。
社会人としてお金のことを勉強したいあなたと、アクティブシニアになりたいあなたへ・・

個人的な話で恐縮ですが・・・
わたしのプロフィールで、よく聞かれるのが親父の残した借金の返済話。
そろそろ忘れないうちに、書き溜めようと思います。
(といっても、なんせ30年以上前のこと。だいぶ忘れてますww)

ということで、親父の夜逃げシリーズ(1)です。

■「よくやった! 偉い!」

分厚く膨れ上がったA4バインダー5冊の資料を差し出すと、ごま塩頭の税務署員が大きな声で褒めてくれました。

当時、わたしはIT企業に勤める29歳のごく普通のサラリーマン。
その税務署のおじさんとは、約1年前に税務相談に来て以来、2度目の面談でした。

時は1986年3月、親父の借金を完済し、最後の事務処理として「代位弁済」の証明書類を確定申告として税務署に提出した時のことです。

バインダー

「代位弁済」とは、父親が社長をしているものの別の法人格である山本商事の借金を、保証人である父が個人資産を売却して返済したときに受けられる、譲渡所得の特例。
(詳しくは、後日)

つまり、他人の借金のために不動産を売ったんだから税金はまけてよね~という申告。
長期譲渡所得の20%(住民税含む)が税金ですからバカになりません。
1億円の土地売却なら2000万円が税金で取られてしまいます。

ごま塩頭のやさしく笑うおじさんも、約1年前にわたしにアドバイスしたものの、ここまできちんと揃えてくるとは思わなかったようです・・・

足掛け3年に渡る借金返済物語の終了でした。

「やっと、終った・・・」 無我夢中の3年間でした。
肩の荷がおりてほっとした、というのが正直なところ。
今、考えてもよくやったなと思います。

それでは時計の針を戻して、苦難の物語の始まりから。

■「父ちゃんが逃げた・・・」と、叔父は切り出した。

それは1983年5月のゴールデンウィークのことでした。
石川県野々市市の実家の大広間で親戚(6家)が揃った中、親族の中では若輩ながらしっかり者で発言力もあったH叔父はこう切り出しました。

わたしは1956年生まれ26歳のサラリーマン。
男2人兄弟の次男です。
当時、京都の大学を出て、東京に本社のあるIT会社の大阪支店に勤務していました。

家は親父で6代目となる農家。
初代は江戸末期の文化・文政頃であることが過去帳で分かっています。
まぁ先祖代々の田舎の農家ということ。
700㎡程度の田んぼが45枚ほど。約3.0ヘクタール(3万㎡)が耕作地。
近隣の中ではまずまずの規模でした。

農家の傍ら、親父は不動産業も営んでおり、これが今回の話の発端です。

生家が農家のため5月の連休には田植え、8月の夏休み後半は稲刈りを手伝うのが、小さい時からの習慣でした。
(北陸は早稲農家のため少し時期は早めです)

その年の5月の連休前に、お袋から何時帰省するのかの確認の電話がありました。
これまでにそんな電話があったことはありません。
いつも帰省の1~2日前に、「帰る」とこちらから電話するだけ。

なんだかいやな予感・・・
(といっても親父が困窮してるとかも全く知りませんでした)

おそるおそる帰ったところ、冒頭の親族会議となった分けです。
沈痛な面持ちでみんな並んでいます。お袋も暗い顔でうつむいたままです。

実家前景1998

「お前の父ちゃんが逃げた・・・」
「借金が幾らあるかもよう分からん。借金取りも来て大変なことになっとる。」

びっくり仰天でした。

H叔父の説明によると、借金が返せず親父が夜逃げしたとのこと。
相手先も金融機関以外は分からず、金額も不明だとか。
(その後、約2億円と判明)

田畑、家屋敷が担保に入っているのは当然ながら、困っているのは親族がそれぞれ連帯保証人として名を連ねていること。

このままでは田畑を取られて路頭に迷い、しかも親族にまで累が及ぶ。
誰かがやらなければならない・・・

「なんとか踏みとどまって、田畑をうまく処分しながら借金を返すしかないがや。時間も工数も掛かるけど、親戚にはそんなに時間の割けるやつはおらん。」
「お前しかおらんがや。」
「悪いけど、頼む!」

みんなの真剣な眼差しに、実感はないものの大変な事態であることだけは分かります。
叔父、伯母の顔には、こんな事を頼んで申し訳ないという思いと、とはいえ他に方法はないという諦めの表情とが交差しています。

その後、H叔父は続けます。
「すまん。1年は無職を覚悟してくれ・・・」

えーーーーっ! それマジかよ!??

なんと返事をしたのか覚えていません。頭の中は真っ白でした。
ローンも組んだことの無いサラリーマンに借金返済と言われても、何をしていいのか全くイメージは湧きません。
その晩は寝付けませんでした。

「こりゃ、まいった・・・どうしたらいいんだ・・・」

長男がいるのに、何故次男のわたしがという方もいらっしゃるでしょうが、兄は昔から芸術家タイプ。
次男(わたし)が数字や経済に強い、という役割分担が出来てました。
なので「お前しかおらんがや。」と言われた時に「そうだろうな・・・」とぼんやり考えたのを覚えています。
この件で、兄を恨みに思ったことは全くありません。

ところで兄夫婦はこの話に絡んでいないと、ずーっと思っていたのですが最近聞いたところでは、
この親族会議の時に裏方のお茶出しなどをしていたとのこと。
兄なりに陰でやきもきしてたようです。

どうして「いやだ。俺には出来ない」と言って逃げなかったのか?
よく聞かれるんですが・・・

親族が連帯保証人になっているという事実を前にして、不思議と逃げるという考えは湧きませんでした。
小さい時から可愛がってもらった叔父さん、伯母さんには迷惑はかけられんな、と。
実家だけの話なら。関係ないよと放棄したかもしれません。

ただ、NOと言える雰囲気でも無かったのも事実。
「困った。参った。」とは思いましたが、仕方がないと腹を括りました。

大阪に戻って勤務先に退職を申し出ることにしました。
コンピューター販売の仕事はとても好きでしたが・・・ (続く)

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
ちょっと個人的な話ですが、お読みいただけると嬉しいです。

東京の中古ワンルームを買いなさい!って、本当に儲かるのは誰だ?(4)

2016-02-25 17:45:48.474

こんにちは!50代であわててお金の勉強中の、不動産投資家やんつです。
社会人としてお金のことを勉強したいあなたと、アクティブシニアになりたいあなたへ・・

東京の中古ワンルームを買いなさい!って、本当に儲かるのは誰だ?(1)
東京の中古ワンルームを買いなさい!って、本当に儲かるのは誰だ?(2)
東京の中古ワンルームを買いなさい!って、本当に儲かるのは誰だ?(3)

 

今回は「東京の中古ワンルームを買いなさい!」の総括です。

 

20151220ビル街_REIT
そんなに儲かるものではないことは(1)~(3)で書きましたが、
公平を期すためにメリットを含めてまとめてみました。

 

■ メリット

1)流動性が高く、出口がとりやすい(売却しやすい)
2)物件がやや小額のため、買いやすい
3)都市部では空室リスクが低い
4)土地部分が少なく、資産圧縮効果が高い

これらはメリットと読んでいいでしょう。
一方、欠点は・・・

■ デメリット

1)土地部分が少ないため積算評価が出にくく、ローンが組みにくい
2)経費率が高い
3)建物管理の裁量権が低い
4)スケールメリットが働かない
5)残債利回りの低下が遅い

1)について
サラリーマンが自己資金が少なくてもローンを組めるケ-スがあるのは、会社員としての返済能力評価によるものです。
銀行は物件収支が赤字になろうと気にしません。給与から返してくれればいいのです。
節税になるからと赤字経営を気にしないのは賃貸経営とは言えません。

2)、4)、5)については(2)で、ご説明した通りです。

3)について
区分マンションの場合は、管理組合に対する権利は戸数分の1となります。
30戸のマンションであれば、あなたの投票権は1/30。

修繕積立金の額や、修理の範囲、タイミングなどは管理組合が決めます。
いち区分所有者のあなたの都合を聞いてはくれません。
ただ、賃貸系マンションでは管理組合への就任希望者自体が少ないため、区分購入後、管理組合長に立候補して就任してしまうという猛者もいます。
自分で運営ルールを誘導して決めてしまうわけです。

では、これらメリット、デメリットを踏まえた上で
投資家としてはどんな戦略をとったらいいのでしょうか?

■ 考えられる戦略

1)金額的に安い区分を買う
1000万円を超えるものは、家賃収入とのバランスが悪いです。
もっと安価なものを買って、適度にリフォームして賃貸するという作戦。

2)現金買い、又はローン比率を抑えた購入
ローンを避ければ、それなりの利回りが可能です。

3)資産圧縮効果を狙う
これは、賃貸経営が赤字でも資産圧縮ができれば良しとする作戦。
節税目的や相続税対策です。 あまり褒められた作戦ではありませんが・・・
できれば節税とCFは両立させたいもの。

4)場所を活かしつつ、収益力アップを狙う
間取りを活かしたシェアハウスや場所を活かしたAirbnb活用など。

ここまではインカムに関する戦略です。ところが不動産投資の収益源はインカムだけではありません。
投資収益=キャピタル+インカム です。
当然、キャピタル狙いの戦略もあります。(バブル崩壊前は、むしろこちらが主)

5)値上がりを狙う
売却益が見込めるタワーマンションを富裕層が買うのは3)、5)が目的です。
ただ、少子化の時代、値上がりするのは東京のごく一部。

資産形成目的とすると、ややリスキーな作戦となります。
(本当に値上がりするかは誰にも分かりません)

そして、最後に・・・
6)買わない
という選択肢もあります。

区分ではなく、一棟物を買う。あるいは同じ金額なら戸建てにすればいい理屈です。
(無論、違うリスクはあります)

悪質なマンション販売業者が電話攻勢をかけるため、
サラリーマンの不動産投資=マンション投資=怪しいもの
というイメージがあります。残念なことです。

まぁ電話でバンバンセールスしている商品にあまりろくなものはありません。
無理に電話しなければ「売れない商品」なんですから。

ここに上げたメリットに惹かれて区分マンションを検討する方は、
デメリットも理解したうえで行動してください。

せめて区分マンション投資家のお手本である
芦沢晃(あしざわ あきら)さんの書籍くらいは読んでからチャレンジして欲しいもの・・・

さて、あなたはどんな戦略でいきますか?
それでも東京の中古ワンルームがいいですか?

今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございます。

東京の中古ワンルームを買いなさい!って、本当に儲かるのは誰だ?(3)

2016-02-20 13:52:18.575

こんにちは!50代であわててお金の勉強中の、不動産投資家やんつです。
社会人としてお金のことを勉強したいあなたと、アクティブシニアになりたいあなたへ・・

間隔が空いてしまいましたが・・・
「東京の中古ワンルームを買いなさい!」の検証の続きです。

東京の中古ワンルームを買いなさい!って、本当に儲かるのは誰だ?(1)
東京の中古ワンルームを買いなさい!って、本当に儲かるのは誰だ?(2)

6年間でのあなたの利益に対し、管理会社は約10倍、金融機関にいたっては41倍の収入!です。
少し電卓を叩けば分かるはずなんですが、いまだにかなり売れていますww

「この低金利時代に4%~5%の利回りで、空室の心配がほとんどなく、
管理も手間がかかりませんよ~」という甘~いセールストークです。
(一部の加担している投資アドバイザーの存在も大きいかもしれません・・・)

区分だめーっ!

何故儲からないのか?

その理由は、区分マンションと一棟物の損益構造の違いにあります。

■経費率が高い

一棟物と違い、集合型マンションはその共用部に対し、諸費用がかかります。
今回の例を見てみましょう。

家賃収入 89,000円
維持経費  
 ①管理費 8,400円
 ②修繕積立金 2,520円
 ③管理代行費 3,240円

③は家賃の回収代行をしてもらう管理会社に対する費用で、この部分は一棟物でも同等です。
(今回でもここが高いわけではありません)

違いは①と②

①⇒共用部に関するマンション管理組合への経費
②⇒共用部へのマンション管理組合への修繕費の積立金

今回の例では、家賃収入に対し、計12.3%!

一般的に賃貸経営では20%程度(自主管理を除く)の維持経費を見ておく必要があります。
管理代行費に退去時のリフォームや募集時の広告費、固定資産税などです。

とすると総経費率は 20%+12.3%=32.3%
今回はローン返済比率が78.3%ですから、これだけで赤字になることが分かります。

マンションのようなRC構造は木造に比べ、耐用年数は長いものの大規模修繕が高額になる、という特徴があります。(そのため②の部分が必要)

これは一棟物でも同じですが、一棟物では「経費発生時期を自分でコントロールできる」という大きな違いがあります。

大規模修繕の第1回目は築後15年前後です。毎年、少しずつ修繕するわけでありません。
粘って20年程度修繕せず、そのまま売却してしまうという選択肢もあります。
(実際、このケースはとても多いです)

一般的には中古物件は売買価格が下がっているため、
修繕費用を見込んでも利益が上がりそうなものを選ぶというのが投資の常道です。
あるいは、大規模修繕後の中古物件を買うという戦略もあります。

■スケールメリットが働かない

一棟物では物件価格は高くなりますが部屋数が複数のため、いろんな場面でスケールメリット(規模の経済)が働きます。

退去があっても、10室のうちの1部屋であれば稼働率は90%です。
10室全部が空くことはまずありません。

対して区分投資では、1部屋だけですから、退去があると稼働率は一挙に0%!になります。

また、家賃と経費のバランスがどうしても悪くなる傾向があります。
リフォームや備品購入において、部屋数が多いと一括購入ができるなどのメリットがあるのです。
リフォーム会社としても単発のオーダーより、継続的に受注が期待できる一棟物の方が値引き対応しやすいです。

更に、もう一つ

■残債利回りの低下が遅い

RCで長期のローンの場合、売買手数料が物件価格に乗っていますので、その部分の消化に時間がかかるという現象が起きます。

例えば、売買価格の20%が販売会社の利益だとすると、
金利2%ではその部分を消化するまでに10年以上かかる計算になります。

つまり、(販売会社の利益を除いた80%が物件の本来価値とすると)
10年間は売却しようにも売却価格よりローン残の方が多く、売れば手出しが発生するため売るに売れないという状況になるわけです。

今回のケースでは、6年後のローン残債は17,543,408円で、借入額19,900,000円に対し、88.2%がまだ残っています。

こんなローンを組んでは、投資家ではなく凍死家になってしまいます!
自己資金が少なく買えるのには、こんな罠があるのです。

■まとめ

何故、こんな商品が売れるんでしょうか? こんなことが起きるのでしょう?

結局、一棟物と混同したまま利回りのワナに嵌っているのです。
表面利回りだけなら4~5%という数字は同じですから・・・
(一棟ものでも8%~は欲しいですが・・・)

買う前に、先輩投資家の意見を聞くようにしてください。みんな止めるはずです。
勉強不足のまま、こんな物件を買っては泣くに泣けません。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
次回は、ではどうすればいいのか? を考えてみたいと思います。

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やんつ(山本 常勝)

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AFP+個人投資家
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