東京の中古ワンルームを買いなさい!って、本当に儲かるのは誰だ?(3)

こんにちは!50代であわててお金の勉強中の、不動産投資家やんつです。
社会人としてお金のことを勉強したいあなたと、アクティブシニアになりたいあなたへ・・

間隔が空いてしまいましたが・・・
「東京の中古ワンルームを買いなさい!」の検証の続きです。

東京の中古ワンルームを買いなさい!って、本当に儲かるのは誰だ?(1)
東京の中古ワンルームを買いなさい!って、本当に儲かるのは誰だ?(2)

6年間でのあなたの利益に対し、管理会社は約10倍、金融機関にいたっては41倍の収入!です。
少し電卓を叩けば分かるはずなんですが、いまだにかなり売れていますww

「この低金利時代に4%~5%の利回りで、空室の心配がほとんどなく、
管理も手間がかかりませんよ~」という甘~いセールストークです。
(一部の加担している投資アドバイザーの存在も大きいかもしれません・・・)

区分だめーっ!

何故儲からないのか?

その理由は、区分マンションと一棟物の損益構造の違いにあります。

■経費率が高い

一棟物と違い、集合型マンションはその共用部に対し、諸費用がかかります。
今回の例を見てみましょう。

家賃収入 89,000円
維持経費  
 ①管理費 8,400円
 ②修繕積立金 2,520円
 ③管理代行費 3,240円

③は家賃の回収代行をしてもらう管理会社に対する費用で、この部分は一棟物でも同等です。
(今回でもここが高いわけではありません)

違いは①と②

①⇒共用部に関するマンション管理組合への経費
②⇒共用部へのマンション管理組合への修繕費の積立金

今回の例では、家賃収入に対し、計12.3%!

一般的に賃貸経営では20%程度(自主管理を除く)の維持経費を見ておく必要があります。
管理代行費に退去時のリフォームや募集時の広告費、固定資産税などです。

とすると総経費率は 20%+12.3%=32.3%
今回はローン返済比率が78.3%ですから、これだけで赤字になることが分かります。

マンションのようなRC構造は木造に比べ、耐用年数は長いものの大規模修繕が高額になる、という特徴があります。(そのため②の部分が必要)

これは一棟物でも同じですが、一棟物では「経費発生時期を自分でコントロールできる」という大きな違いがあります。

大規模修繕の第1回目は築後15年前後です。毎年、少しずつ修繕するわけでありません。
粘って20年程度修繕せず、そのまま売却してしまうという選択肢もあります。
(実際、このケースはとても多いです)

一般的には中古物件は売買価格が下がっているため、
修繕費用を見込んでも利益が上がりそうなものを選ぶというのが投資の常道です。
あるいは、大規模修繕後の中古物件を買うという戦略もあります。

■スケールメリットが働かない

一棟物では物件価格は高くなりますが部屋数が複数のため、いろんな場面でスケールメリット(規模の経済)が働きます。

退去があっても、10室のうちの1部屋であれば稼働率は90%です。
10室全部が空くことはまずありません。

対して区分投資では、1部屋だけですから、退去があると稼働率は一挙に0%!になります。

また、家賃と経費のバランスがどうしても悪くなる傾向があります。
リフォームや備品購入において、部屋数が多いと一括購入ができるなどのメリットがあるのです。
リフォーム会社としても単発のオーダーより、継続的に受注が期待できる一棟物の方が値引き対応しやすいです。

更に、もう一つ

■残債利回りの低下が遅い

RCで長期のローンの場合、売買手数料が物件価格に乗っていますので、その部分の消化に時間がかかるという現象が起きます。

例えば、売買価格の20%が販売会社の利益だとすると、
金利2%ではその部分を消化するまでに10年以上かかる計算になります。

つまり、(販売会社の利益を除いた80%が物件の本来価値とすると)
10年間は売却しようにも売却価格よりローン残の方が多く、売れば手出しが発生するため売るに売れないという状況になるわけです。

今回のケースでは、6年後のローン残債は17,543,408円で、借入額19,900,000円に対し、88.2%がまだ残っています。

こんなローンを組んでは、投資家ではなく凍死家になってしまいます!
自己資金が少なく買えるのには、こんな罠があるのです。

■まとめ

何故、こんな商品が売れるんでしょうか? こんなことが起きるのでしょう?

結局、一棟物と混同したまま利回りのワナに嵌っているのです。
表面利回りだけなら4~5%という数字は同じですから・・・
(一棟ものでも8%~は欲しいですが・・・)

買う前に、先輩投資家の意見を聞くようにしてください。みんな止めるはずです。
勉強不足のまま、こんな物件を買っては泣くに泣けません。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
次回は、ではどうすればいいのか? を考えてみたいと思います。

管理人プロフィール

やんつ写真

やんつ(山本 常勝)

合同会社モンテリーブロ 代表
資産形成、資産運用専門FP
Webディレクター

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