年金の「100年安心プラン」は、1年ずっこけプランだった!?

こんにちは! 53歳からあわててお金の勉強中の、不動産投資家やんつです。
社会人としてお金のことを勉強したいあなたと、アクティブシニアになりたいあなたへ・・
引き続き年金のお話です。

ここのところ毎年、国民年金保険料が上がっているのはご存知でしょうか?
2014年9月からはそれまでの月額15,040円から15,250円へと210円アップしました・・・

これからも毎年値上げされ、2017年の16,900円を最後に固定される予定です。
低年収時代に決して軽い負担ではありません。
このスキームは2004年の小泉政権時代の「年金100年安心プラン」が始まりでした。

当時の保険料は13,300円です。
最終的に固定される2017年の16,900円と比べると、13年間でで27.1%の値上げということになります。

では2004年の「年金100年安心プラン」とはどんなものだったんでしょうか?
みなさん覚えてますか?
100安心プラン
少し調べてみました。

当時、既に年金財政が長期的には破綻しそうなことは分かっていました。
そこで時間をかけながら

・支給年齢を60歳から65歳に段階的に引き下げる
・「マクロ経済スライド」を取り入れて支給額を下げる
・保険料を上げるが、上限として保険料水準を固定する
・年金国庫の投資運用を拡大する

というプランを当時の自民党と公明党がまとめました。

出生率、物価上昇率、賃金水準、運用利回りなどの想定値を用いながら、
100年先まで年金積立金は枯渇させない。
目標とする所得代替率50%は維持できるとする計画です。
(所得代替率とは現役時代の給与に対する年金額の比率)

これが「年金100年安心プラン」です。

「支給年齢も引き下げるし、保険料も上げますが現役の収入の50%は保証しますんで、勘弁ね~~
でも、もうこれで100年先まで心配しないでいいよ~」
と誇らしげに謳いました。

この時の各種シュミレーションが正しいか、想定どおりに進展しているか、
5年毎に検証することになっています。

前回は2009年に実施され、今年2014年は6月に厚生労働省から発表になっています。
(発表資料)

2004年の初期設定時や前回の2009年の年金財務検証では、
物価上昇率、賃金水準、運用利回りなどの前提条件の設定が甘すぎると非難の嵐でした。

今年はどうだったんでしょうか?

今回はケースA~Hまで8つのパターンで検証しています。

その中で、経済成長が振るわない場合を3パターン(F、G、H)試算しているのはとても現実的と思います。
それぞれの経済成長率を0.1%、▲0.2%、▲0.4%としています。

名目賃金上昇率が中位試算で1.3%、
運用利回りは同じく中位でで3.0%と
2004年よりはかなり妥当と思われる数字になっています。

このようにかなり納得感のある2014年の財務検証ですが、
実は「年金100年安心プラン」は作った瞬間からずっこけてます!

作成当時からデフレが進行したために、本来支給を減らすべきを減らしていない
いわゆる「年金のもらい過ぎ」状態になりました。

「マクロ経済スライド」方式は2004年に制定されましたが
この「もらい過ぎ」を、まずは解消してから(つまり支給額を下げてから)
適用していくとされたため
減額に反対が多く、一度も適用されていません!

作ったものの10年間も適用できていない法律って何でしょう??
「100年安心」どころかスタートから不安です・・・ (>_
年金の経済合理性とはなんでしょうか?
財政は本当に破綻するんでしょうか?
わたし達の取るべき方策は?

もう少し年金について考察してみたいと思います。(次回に続く)

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