不動産投資、ローンの怖さも知っておく 不動産投資の誰も言わない真実(6)

人生はわくわくとドキドキで、できている! サラリーマン上がりの運用相談専門FPやんつです。
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「誤解と錯覚」に満ちた不動産投資のホントを語る「不動産投資の誰も言わない真実シリーズ」第六回。今回も30代のバリキャリ女子Yさんとの質疑です。

Yさん:
「前回は不動産投資におけるローンの有効性の話でしたけど、今回はリスクについてのお話ですよね?」

そうですね。ただ、その前にひとつご紹介させてください。不動産投資の収支シミュレーションができるソフトを開発したんですよ。

以前から自作のEXCELで試算しており、セミナーでも紹介してたんですが、誰でも使えるようにWeb化しました。

購入前に、どのくらい儲かるのかが分かれば、見込み違いや残念物件の購入が減ると思うんですよね。
事前に収支を計算しておけば、大きな間違いはないんです。メルアド不要で無料公開してます。

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■ 不動産投資の6パート

わたしは物件を6つのパートで分けて評価していて、不動産投資の6パートと呼んでます。

このソフトは、基本項目を入力するとこの6つのパートで物件を評価するものなんです。

1.資金計画パート
2.物件価値評価パート
3.稼働力評価パート
4.年間事業運営パート
5.年間事業収支パート
6.出口計算パート

不動産投資の6パート

このソフトを使うと、こんな効果があります。

①リアルタイム型なので、空室率、金利、建物比率、家賃下落率などを変えてみることで、CF(キャッシュフロー)に与える影響を確認することができます。
②ローン完済時の投資総収益、資産増加倍率を確認することで、長期的な投資判断が可能です。
③10年後でのローン残債や投資総収益、資産増加倍率を確認することで、売却タイミングの検討に役立ちます。
④売却時の期待収益率を変えることで、投資総収益の変化を見ることができ、保有し続ける場合でも資産の増加率を確認することができます。
⑤投資用アパート、戸建てのみならずマイホーム、賃貸併用住宅の経済性判断にも応用が可能です。

Yさんも、物件検討する際はぜひ使ってみてくださいね。

Yさん:
「凄いですね! 使いこなせるよう頑張ります。」

ご紹介はこれくらいにして、ご質問に戻りましょうか。

■ ローンリスク

Yさん:
「ローンを使った方が効率的なのは前回で分かりましたが、やっぱり不安です。 先日もシェアハウスのローン問題が話題になってましたし…。」

そうですね、わたしもローンのリスクも分からないままローンを組むのに賛成している訳ではありません。

当然、ローンのリスクについても知っておく必要があります。大きく三つのリスクがあると考えてます。

①金額リスク
②時間リスク
③信用リスク
です。

順にご説明しましょう。

①金額リスク
少ない自己資金で大きな物件を買えるのはローンのレバレッジ効果ですが、返済が滞った場合には、それが諸刃の剣となります。

家賃収入で順調に返済できていれば問題は出ませんが、家賃が下落しキャッシュアウトするようになると大変です。

借金が給与だけでは簡単に払えない大きな金額であることは、常に念頭に置く必要があります。

毎年のCF(キャッシュフロー)は運営状況や減価償却で変動します。収支の変化を見込んだ購入前のCF計算は十二分に行いましょう。

また、インカムゲインではなくキャピタルゲインを当てにして資金計画を安易に組むのは、ベテランになるまでは避けた方が賢明です。

②時間リスク
ローンは返済期間が長期にわたります。
15~30年間の契約ですから、その間に不測の事態が起こらないとも限りません。遠い未来のことは誰にも分かりません。

サラリーマン向けのアパートローンの場合、頭金ゼロでアパートオーナーになれますよと言っても給与収入を見られています。最悪、給与収入からの返済を迫られることもあります。

いわば給与を30年間人質に取られているようなものです。安易なローンセット物件には気を付けることです。
販売会社から出される収支計算を鵜呑みにするのではなく、自分で計算すべき。

また、長期間であることで売上逓減、コスト逓増という賃貸業の特性がじわりと響いてきます。

30年後の需給は誰にも完全には予測できません。
再開発で人の流れが変わるかもしれませんし、工場や大学も移転するかもしれません。

日本は人口減少中であることは間違いありません。
購入前の立地環境が変わるかもしれないリスクは念頭に置いておきましょう。

③信用リスク
資産状況を表すものをB/S(バランスシート)と呼びますが、ローンはB/Sでいうと、右側の負債にあたります。

資産から負債を引いたものが純資産で、ここが本当の資産残高です。

不動産投資では土地建物という資産も増えますが、ローンという負債も増えます。この差分を意識する必要があります。

不動産投資は金額が大きいので、純資産に与える影響も大きいです。
しかも不動産は一物四価と呼ばれるくらい評価が難しく、自分の資産残高に対する影響を考慮する必要があります。

金融機関からはこの全体を「信用力」として見られます。時として安易なローンは信用の棄損につながることもあると覚えておく必要があります

不動産投資はストック型ビジネスなのでB/Sコントロールがとても重要なんですよ。

■ ローンのリスクマネジメント

Yさん:
「やっぱりローンのリスクも色々あるんですね。回避方法はないんですか?」

そうですね。リスクは避けるものではなくマネジメントするものですからね。
マネジメント方法についてもお話します。

まずは、購入前に十分に収益とCFを計算しておくこと。購入後は業績トレースは必ず励行しましょう。

その上で、ローン残債利回りとキャップレートについて常時気を配るようにします。

ローン残債利回り=家賃収入÷ローン残高
キャップレート =期待利回り (市場の売却想定利回り)
(還元利回り、収益還元率なども含むが、ここでは上記として表現)

キャップレートで売却した場合に、ローンを完済できるのかを見ておくわけです。
売却益でローン完済できるなら、安心していられるというもの。

リスク軽減のために、より低金利での借り換えや繰上げ返済という手法もあります。

ただゼロ金利時代に繰上げ返済を検討しなければならない状況というのは、購入物件を間違った可能性が高いです。

購入前の収益予想とCF予想が甘かったのかもしれません。家賃下落や空室の増加を見落としたのかもしれません。

こうならないように収支シミュレーションを活用して欲しいですね。

今は(2019/04時点)融資姿勢が厳しいですが、その分徐々に価格下落が始まっています。
上記を理解した上で融資を獲得できるスキルを磨けば不動産投資も怖くないということですよ。

Yさん:
「うーん、まだ自信が無いです。当面は築古戸建てで、現金買いから始めることにします。」

それも考え方ですね。(笑)
ローンにチャレンジする気になったら、また相談してください。

今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございます。次回は別の方からの質問になります。

管理人プロフィール

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やんつ(山本 常勝)

合同会社モンテリーブロ 代表
資産形成、資産運用専門FP
Webディレクター

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