トータルリターンをケーススタディで考える 不動産投資の誰も言わない真実(10)

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「誤解と錯覚」に満ちた不動産投資のホントを語る「不動産投資の誰も言わない真実シリーズ」も早や10回目。お相手は引き続き30代男性Hさんです。

Hさん:
前回は、表面利回り18%の築古戸建てが売却額によっては積立投資と変わらないと分かり、ショックでした。10年後や出口などを考えないと、正しいリターンは掴めないんですね。」

築古戸建てはローンというレバレッジが掛かってない分、ややリターンが少ないんですよ。でも自己資金が少なくて済むとか安定的だとか、色々メリットもありますからね。
要はそれぞれの特徴を理解しましょう、ということです。

Hさん:
「今回は中古アパートの試算ということで、どんな数字になるかドキドキです。」

では早速、物件評価の6パートシミュレーションを使って計算してみましょう。

■ ケーススタディ(2)中古アパート

中古アパート_販売条件

物件概要と販売条件は次の通りです。
・物件価格 5000万円(土地4000万円、建物1000万円)
・構造 木造アパート、築22年
・自己資金 750万円
・借入金額 約4530万円
・借入期間 20年
・借入金利 1.4%

リーシング計画は
・間取り 1K×8戸(20㎡)
・月額家賃 @4.35万円(計34.8万円)です。

場所は東京近郊で、駅からは少し距離があります。路線価は92000円。そのため家賃は安めで、43500円で見ています。築22年で減価償却も切れたので、そろそろ所有者が手放したくなったという状況でしょうか。

表面利回りは8.35%(34.8×12÷5000)ですね。

Hさん:
「よくあるケースですね。表面利回り8%越えなら、ローンが組めれば買ってもよさそうです。」

さあ、年間収支をみてみましょう。

中古アパート_年間収支
年間収支
・返済比率 62.2%
・年間CF 約89万円
・CF率 1.78%(対物件価格)
・CCR 11.9%(89÷自己資金750)

CF率はローン有りの場合、2.0~%が目標ですが1.78%なら許容範囲でしょう。
返済比率は約62%で、やや高い感じです(目標50%以下)。これは借入期間が20年とやや短いことも関係しています。金利ももう少し低い所を探せるかもしれません。

ただ借入期間を伸ばすと、その分ローン残債の減り方が緩やかになるので売却益が出にくくなります。年度CFとはトレードオフですね。

注意点は償却残年数が4年と極端に短いこと。中古なのでしようがないですがローンも組みにくく、5年目から減価償却費が無くなり所得税が大きくなります。
長期的なCFの推移を事前に計算しておくと、慌てなくて済みますよ。

前回の築古戸建てでは、自己資金690万円でCCR10.2%でした。
ローンのレバレッジが掛かっていますのでCF率は良いですが、大きな差ではありません。

木造ではなくRCの場合は耐用年数が長い場合、ローン期間も長く取れますのでローンも組み易く更にレバレッジが大きくなります。

《出口計算》のパートを見てみましょう。

中古アパート_出口計算

10年後の家賃下落率を10%、空室率を10%としています。
実家賃収入は年額338万2560円(348千円×0.9×0.9×12か月)です。

ここで期待収益率10.36%で売却できたとすると、売価は約3260万円です。(338÷0.1036)
キャピタルゲインはここからローン残高2420万円を引いて約840万円(別途諸経費有り)
インカムゲインは約890万円(かなり甘めの試算、89×10)
投資総収益は約1730万円(840+890)です。

資産増加倍率は2.3倍(1730÷750)となり、築古戸建ての倍率が約1.6~1.8倍だったのと比べるとローンの効果で効率がいいことが分かります。

更に、期待収益率8.5%でも試算してみましょう。ば売却額は約3980万円になります。(338÷0.085)

キャピタルゲインは約1560万円(別途諸経費有り)になり、
インカムゲインは変わらず約890万円(かなり甘めの試算)なので
投資総収益は約2450万円(1560+890)です。

資産増加倍率はなんと3.3倍(2450÷750)になります。
期待収益率の2%の違いで大きく差が付くことが分かります。つまり市況の良い、高く売れる時の売却が重要ということです。

Hさん:
「なるほど、市況を見た売却が効率的なんですね。持ち続けることしか考えてませんでした。」

無論、持ち続ける選択肢もありますが、こういったことを知ったうえで、比較することが重要です。

このシミュレーションで、ぜひローン完済時なども確認してください。
ローンのレバレッジ効果は現金買いの4~5倍というのがわたしの持論です。特に売却時にレバレッジが物を言ってきます。無論、ローンリスクを伴いますので無条件ではありませんが、この差は大きいです。

中古アパートだけではなく、新築も色々試算すると新しい気付きがありますよ。

まとめると
・中古アパートはローンが組めるかがポイント
・場所によっては家賃下落、空室リスクは高い(満室状態で売り抜ける)
・新築アパートはローンが長く組めるのでCFは出やすいが、元本返済が遅いのでキャピタルは少なくなる。市況が悪いと価格下落が大きい
・ローンのレバレッジで売却時の大きなリターンが可能
・購入後の満室経営が肝
といったところでしょうか。

Hさん:
「ありがとうございました。それぞれの特性を理解して頑張ります」

賃貸併用に続き一般物件も頑張ってください。応援してますよ。

今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございます。
次回は別の方からのご質問になります。

記事コメント

投稿日:

Sep 20, 2019 1:55:22 AM

承認待ち

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Sep 21, 2019 9:11:33 AM

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投稿日:

Sep 26, 2019 10:19:00 AM

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投稿日:

Sep 26, 2019 8:21:31 PM

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投稿日:

Oct 14, 2019 9:34:15 PM

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投稿日:

Oct 18, 2019 2:04:34 AM

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