J-REITで本当に潤うことはできるのか? (2)
こんにちは!50代であわててお金の勉強中の、不動産投資家やんつです。
社会人としてお金のことを勉強したいあなたと、アクティブシニアになりたいあなたへ・・
前回は、マネー誌の特集「J-REITで潤う方法!」の検証をしてみました。
REITの特徴を確認するために、NAV倍率の低いものについて価格の変動の度合い示すボラティリティを調べようとして見当たらないところまででした。
NAV倍率や分配利回りなどはありますが、標準偏差などのボラティリティ情報が見当たりません・・・
安定的な分配利回りがあったとしても元本の変動幅が分からなければ、正しい評価がしにくいです。
これは困った・・・
何か代わりになる指標は無いんでしょうか?
あちこち見てたら楽天証券のスーパーサーチで、ベータ値の記載がありました!
ベータ値(β)とは、市場(マーケット)との連動性を示すリスク指標です。
商品の変動の大きさがベンチマーク(市場平均)の価格変動に比べて大きいか小さいかを示す指標です。
一般にベータ値が1であれば市場平均と同じ値動きをすることを示し、
1より大きければ市場平均より値動きが大きいことを示します。
標準偏差が絶対的な変動幅を示すのに対し、ベータ値は元々動きのある市場平均からの変動幅を示します。
ボラティリティに関する指標であることは間違いありません。
かなり手掛かりにはなりそうです。
TOPIXに対するベータ値を見てみました。(過去2年間に対する数値)
(証券CD)
8957 東急リアル・エステート投資法人 0.31
8958 グローバル・ワン不動産投資法人 0.3
8966 平和不動産リート投資法人 0.31
8982 トップリート投資法人 0.32
なんと!どれもかなり小さい値です。値動きが小さく安定的であることが分かります。
TOPIXの2013~2014年はアベノミクスで一本調子で上げた時期です。
そのTOPIXに約1/3の変動幅とはどんなものでしょう。
ここで、各銘柄の10年分のチャートを見てみました。
多少銘柄により変動の幅は違いますが、長期的にはかなり似通っています。
2007年中まではREITブームに乗って大幅に上げ、その後バブル崩壊のように一挙に下げ、
リーマン以降に底を打った後、ここ数年は横ばいか緩やかな上昇です。
さて、REITについてまとめてみます。
(あくまで個人的見解です。ご購入は自己責任でお願いいたします)
『個別REIT商品特性』
・3~4%の安定的な分配を狙う商品
・特に日本では大きな成長性は見込みにくい
・市況変動の影響は軽微
この特性から、大型安定株と比較されるような気がします。
安定的な分配狙いの場合、どちらがいいんでしょうか?
『個別REITのメリット』
・分配率は安定していて、配当よりは高い
・ボラティリティが低く、一定の分散効果が期待できる。
・バブル時期を過ぎ、大きな下落は考えにくい(と思われる)
『個別REITのデメリット』
・成長性はに疑問が残る。大化けは期待できず妙味に欠ける。
・株式市場に分類されているが、商品特性が分かりにくい
・2007年以降の下げの印象が強く、イメージに難がある
大化けは出来そうもありませんが、その債権的側面については評価できそうな気がします。
従来は債権と株式で分散投資をするというのが常識でした。
ただ歴史的低金利の今、債権の金利があまりにも低く投資の意味が薄いといわれています。
また過剰流動性のなか、株式も債権も同じ方向に動くことが多く、分散投資にならなくなっています。
その意味ではポスト債権として面白い存在かもしれません。
株のような大化けが期待できない部分、敬遠されているのかもしれません。
ただ、わたしは債権の代替としての可能性を感じます。
少し、購入してみようと思います。
ここでご注意・・・
一見名前が似ている
投資信託REITは、だいぶ様相が異なります。
・拡販のために高い月次分配をしている
・その分配金を実現するために元本を取り崩している
こんな特徴があります。
くわばらくわばら・・・
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
少しでも参考になれば嬉しいです。