新競争時代、あなたを非正規に追いやる犯人は誰だ!?(2)

2015-08-28 18:33:52.0

こんにちは!50代であわててお金の勉強中の、不動産投資家やんつです。
社会人としてお金のことを勉強したいあなたと、アクティブシニアになりたいあなたへ・・

今回も前回に続き、あなたと正規雇用(正社員)の座を巡って争う目に見えないタフなライバルのお話。
 

■対 海外労働者


二人目のライバルは特に新興国を中心に存在する海外労働者です。
隣にいるわけではありませんが、グローバル時代の必然として現れたライバルです。

グローバル_地球と手

このライバルにはタイプが2つあります。

①工場移転につながる間接的雇用流出タイプ

製造業においてはコストダウンは至上命題です。
絶えず売価が値下げ圧力にさらされる中、原価を逓減しないと利益が確保できません。

直接原価の3要素といえば、原材料費、労務費、経費。
その中の労務費(人件費)をなるべく押さえたいのは企業として当然のことです。

海外進出の苦労や物流面などのマイナスを差し引いても人件費低減部分が大きければ、
工場を人件費の高い日本から人件費の安い新興国へ移すのはビジネスとして当然の判断です。

以前、大手電機メーカーの山形工場にお邪魔したときに、ライバルは同じ会社の海外工場とはっきり仰ってました。
コスト構造が悪ければ、すぐに仕事が海外に持っていかれるとのこと。

今ではわたしの周りでも、国内社員は70名だけど中国工場は2000名!
というような例が当たり前になりました。

10年前、長野県岡谷市に出張で行ったときのことです。
駅前の一等地にある複合ビルで、テナントが歯抜け状態で廃墟ビルのよう・・・
その静けさに驚いたことがあります。

岡谷市といえば精密工場で栄えた町です。
セイコーエプソンさんの城下町でしたが、その主力工場の海外移転によるダメージでした。

大手企業の移転とともに海外進出を果たした下請けさんもあったようですが、その体力がない所は苦境に立たされていました。

アベノミクスでは円安に誘導すれば、輸出が増え雇用も増えるのではという期待もありました。
円安にはなって利益は回復したものの、一旦海外に出た工場は国内に戻ってくるはずもなく
輸出もさほど増えず、雇用も戻ってこないという結果になっています。

日本企業の進出により中国の大連では日本語関連ビジネスが盛んになり、日本用のコールセンターが数多く設立されました。

知人で、日本のコールセンターに勤務している人が何人かいますが、彼らの雇用形態は夜勤、もしくは契約社員です。

会社には彼らを正社員にして高い給与を払う余裕はないわけです。
そんなことをしていたら大連のコールセンターに負けてしまいます。

彼らの正社員雇用を実は遠く離れた大連のコールセンターが阻んでいます。

もう一つのタイプは
②インターネットによる直接的雇用流出タイプ

最近はインターネット通販の世界でもグローバル化が進んでいます。
国内組の海外進出を越境ECと呼び、ちょっとしたブームのよう。

越境ECの場合、ホームページの外国語化(翻訳)は必須ですが、
先日面白い翻訳サービスを目にしました。

インターネット上のサービスで、指定のページに翻訳したい文字列をコピぺします。
その文字列を各地の登録者の手すきの人が、翻訳して返すというもの。

おおよそ1日程度で返事が返ってきます。
英語、中国語、韓国語、スペイン語、タイ語などなど
A4くらいの文字列で約2万円程度です。

Googleなどの機械翻訳でも類似のことは可能ですが、やはり品質は人間には及びません。
しかも品質維持のため定期的に教育、テストしています。

驚くのはメンバーは日本人だけではなく、世界各国の翻訳家が参加していること。
手すきの時間にお小遣い稼ぎが出来ますので、高額な対価を要求しません。
日本人の単価の高い翻訳家に頼む必要がなくなったというわけ・・・

消費者としては嬉しいサービスですが、
専門家としての翻訳家からすれば、脅威の価格下落です。

これはインターネットで世界がつながったから出来ること。
インターネットが距離を無くし、グローバルに雇用をつないだわけです。
このタイプでは直接的に雇用が海外に流出します。
(日本語という障壁がありますので、今のところ被害は軽微)

YouTubeやインスタグラム・・・
インターネットがコンテンツをグロバール化させています。

これは海外をも市場にできるチャンスですが、
同時に日本市場を狙われるピンチでもあります。

ICT技術と海外労働者

否が応でも競争にさらされる時代になりました。

どうやって自分の身を守るのか・・・??

やるべきことは、
自分にしかないスキルを磨くこと。
人間にしかできない判断業務やマネジメントの出来る人材になること。

ライバルは手強いです。
のんびりしてる暇はなさそう・・・
やはり学習と実践、あるのみですね!

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

新競争時代、あなたを非正規に追いやる犯人は誰だ!? (1)

2015-08-17 23:10:46.0

こんにちは!50代であわててお金の勉強中の、不動産投資家やんつです。
社会人としてお金のことを勉強したいあなたと、アクティブシニアになりたいあなたへ・・

前回の サラリーマン以外の選択肢 でご紹介した
日本FP協会によるガイドブック「10代から学ぶパーソナルファイナンス」に考えさせられるグラフがありました。

雇用形態別推移

「総務省労働力調査」による雇用形態の推移です。
2000年以降、非正規雇用が割合(緑の線)がどんどん増えています。

赤い線が正規雇用割合。
棒グラフは下から派遣・契約社員(紫)、パート・アルバイト(緑)、正規社員、役員等、です。

グラフの最初、1987年には17.6%だった非正規割合が、2007年では33.5%、2012年では35.0%と倍増しています。

グラフは2012までですが、2014年の総務省労働力調査では37.4%だった様。
非正規雇用が3人にひとりを超え、40%になろうかという時代です。
正社員になる事がとても大変な時代・・・。

正規雇用(正社員)と非正規雇用では収入や福利厚生などの雇用条件に大きな隔たりがあります。
最も収入格差が広がる40代では、非正規雇用者の年収は正社員の半分以下!
これが子供の教育環境にも影響し、格差の固定につながっているという指摘もあります。

雇用する側の企業にとっては、非正規やパートは労務費を安く押さえることが出来、且つ変動費化できる有難い制度です。
だからこんなに増加したわけです。

では、規制して正社員化を義務付ければいいんでしょうか?
それだけで企業は全員を正社員採用するんでしょうか?
(派遣法の改正などをそれを目指しているようですが・・・)

ちょっと待ってください・・・
そんなに単純に行くんでしょうか?

もともと少子高齢化で労働者人口は減少しています。とても貴重な労働力のはず。
ならば需要と供給の原則から、賃金が高くなったり正社員雇用が増えてもいいはずでは?

そうならず労働者人口の減少と非正規雇用の増加が同時に起こるのは何故でしょう?
企業がコストの安い派遣社員を雇いたくなる、あるいは雇わざるを得ない要因が何かありそうな気がします。
非正規増加の後ろに潜む真因を色々考えるべきです。

実は正規雇用(正社員)の座を巡ってあなたが争っているのは隣の応募者だけではありません。
目に見えないタフなライバルが2人います。
 

■対 ICT技術


一人目のライバルはICT(情報通信技術)です。
いわばテクノロジーそのものがあなたの競争相手ということ。

エリック・ブリニョルフソン著の「機械との競争」という書籍があります。

従来は、技術の進歩があると古い産業を駆逐するものの、代わりの新しい産業と新しい雇用を生み出してきたそうです。
古い産業から新しい産業へ雇用がシフトしながら、技術革新が進んできたのです。

馬車が鉄道になったように・・・
木炭が石油に取って代わったように・・・
レコードがCDに駆逐されたように・・・

ところが近年は、技術の進歩が早すぎて人々が付いていけないという「雇用の喪失」が起きていると言います。

まだパソコンが職場にない時代、コピー、お茶くみ、集計計算、文書の清書、検算という一般事務という職位で働いている女性が大量にいました。
今は、単に計算してアンケート集計するだけではなく、どんな分析の仕方でどんな課題を抽出するのか、課題抽出能力が問われます。
でも、そんなことが出来るのは一握り。

オックスフォード大学の「コンピューター(ロボット化)の影響を受けやすい未来の仕事」という2013年の調査レポートがあります。
・コンピュータ化によって代替される可能性の高い仕事の上位です(分かりやすく意訳しています)
 電話営業  →自動音声にて代替
 マーケット調査 →インターネットで自動化
 裁縫師   →機械に代替
 数理系技術者 →コンピュータの方が正確
 保険代理店  →インターネットで自動化
 時計の修理工 →時計自体が減少、且つ壊れない
 倉庫の荷積みスタッフ →機械に代替
 税理士、税務代行   →インターネットで自動化
 などなど

米国では総雇用者の約47%の仕事が自動化されるリスクが高いとも言われています。

厄介なことに、近年のICTはそのデジタル化のため無限に複製が可能で、さらにインターネットにより時間と空間を越えていきます。
結果としてICTは(それほど)雇用を生まないのです。
新しい産業での雇用創出は古い産業の雇用喪失に及ばないのです。

ネットでの買い物は24時間可能ですが、店員が待機しているわけではありません。
サーバー上のソフトウェアが勝手に対応してくれます。

買い物後のサンキューメールは自動返信です。
文言を書くのは人間ですが、一度だけ。
後は、何万人が購入しようと正確無比に返信してくれます。
相手によって文言を変化させるなんて芸当も軽いもんです。

安川電機やファナックの産業用ロボットが活躍する工場では、
人間はわずか数人という場合が珍しくありません。

オランダのレタス工場では毎月何万株も出荷しますが、
人の手は最後の出荷工程のみで、わずか3人だそうです。

これからの雇用は高い品質で価値を提供する一部のプロフェッショナル労働と、マニアルさえ読めば誰でも出来る多数の低賃金労働に2分化されるでしょう。
(もう、そうなっているのかも知れません)

誰でも出来る労働にはコストは掛けられません。
時間労働型では単価は簡単に上がらないのです。
企業間競争に負けてしまいますから・・・

ICT(情報通信技術)と人間の競争において、
社会人として身に付けるべきスキルとは何でしょう?
価値提供型収入を得るスキルとは何でしょう?

ググれば誰でも調べられる「知識」にはあまり意味は無さそうです。
複数の「知識」を組合わせて有意な「知恵」にすることが肝心です。

ICTがどんどんその守備範囲を広げている今、わたしたちはより「知恵」を磨く必要がありそうです。
うかうかしていると簡単にICTに取って代わられます。

マツコロイドを見て笑っている場合ではないのかもしれません。
雇用も自己責任の時代に突入しているのかも・・・

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
次回はもう一人のライバルです。

貯蓄率低下は高齢化が原因か!? 預金を握り締め立ちすくむ高齢者・・・

2015-02-11 08:55:17.0

こんにちは!53歳からあわててお金の勉強中の、不動産投資家やんつです。
社会人としてお金のことを勉強したいあなたと、アクティブシニアになりたいあなたへ・・
今回は貯蓄率について考えてみました。

日本の貯蓄率はどの程度だと思いますか?

主要国の貯蓄率の推移です。
貯蓄率推移90_2013
(出所)社会実情データ図録

日本がなんと世界最低になっています!
サブプライムローンで名をはせた、あの消費大国の米国より低い水準というのは意外に思いませんか?

ず~っと前、わたしの若かりし頃は日本人はその勤勉さゆえ貯蓄率が高いともてはやされていました。
その高い貯蓄率による資金蓄積が社会資本への投資原資となり、
高度成長のエンジンになっていると言われていたのです。

1970年代は常時20%を超えており、1980年代でも15%以上の貯蓄率でした。
このグラフを見ると隔世の感があります。 (´Д` )

日本はどうやら世界最低水準のようですが・・・
逆に世界最高の貯蓄好き国民はどこでしょうか?

このグラフではスウェーデンが15%超えでトップのようですが・・・
実はグラフに載っていない高水準国があります。

それは中国です。

統計数字がとても怪しい国で、正確な数字は分かりにくいですが・・・
どうやら貯蓄率は25%~30%!という驚くべき水準になっているようです。

勤勉さと節約志向が高貯蓄率の原因・・・ではなくて
その理由はみんなが「国を信用していない」からのようです。

う~ん・・・ 自己防衛のために貯蓄に励み、
マカオでマネーロンダリングし、日本のタワーマンションを買う。
なんだかなぁ・・・

日本の話に戻りましょう。

グラフのOECDの数字とは若干差異がありますが、内閣府の「国民経済計算確報」によると、
日本の貯蓄率はバブル崩壊後下がり続け、2007年は0.9%! です。

2008年には更に下がり、0.4%になります。
翌2009年は前年のリーマンショックのせいで、
家計的危機感から節約志向が高まり、2.4%まで回復します。

その後、2%程度を維持していましたが、いよいよ余裕が無くなったのか
2013年にはついに▲1.3%「貯金を取り崩す」事態になりました!

なぜこんなに急激に貯蓄率が下がったんでしょうか?
勤勉な国民性は変わっていないと思うんですが・・・

その原因のひとつとして高齢化を上げている意見があります。

高齢者は年金が主たる収入なので貯蓄できるはずもなく、
貯金を取り崩す生活をせざるを得ないから、という訳です。

本当でしょうか??

わたしの周りの高齢者を見ても、あまり貯金を崩している感じはありません。
むしろ貯金に手を付けず、年金の範囲で暮らすべく生活を切り詰めている感じです。

家計金融資産残高の推移を見てみました。(含む不動産)
家計金融資産推移
高齢者が貯金を取り崩しているなら、残高は減っているはずですが・・・

2007年と2008年にサブプライム問題とリーマンショックで、株と投資信託を中心にダメージが発生し、
一時的に残高が減っていますが、どちらかというと一貫して増え続けています。

1990年代は日経平均も下がっていますし、土地の値上がりもありません。
どうやら貯蓄率の下の原因は高齢化ではないようです。

「暮らしと金融なんでもデータ」の中で貯蓄率の内訳をみると、
実は勤労者世帯だけの貯蓄率はそんなに下がっていないのです。

ただ勤労者世帯以外を含めた「全体」でみると大幅に下がっています。
つまり統計上の勤労者世帯ではない層、
つまりいわゆる「非正規社員」層の貯蓄率が極端に低いのです!

いまや4割を超えるまでに増加した「非正規社員」層・・・
この格差の拡大が貯蓄率低下の主因と言えそうです。

若年層→貯蓄のゆとりなし
高齢者→過去の貯蓄はあるが、手を付けずに年金暮らし。

という図式が見えてきます。

あれれ・・・?

今はやりのピケティの格差拡大を裏付けるような
話になってしまいました。

r(資本収益率)、 g(経済成長率)

 「 r > g 」

やはり格差が拡大することが資本の必然なんでしょうか?

3000万を超える貯金を持ちながら、不安ゆえに貯金を崩しもせず、
持ったまま立ちすくむ高齢者・・・

ここは格差解消のために、
裕福な高齢者には子供のためだけではなく、孫のためにお金を使ってもらうしかなさそうです。

無論、そのためには高齢者の不安を取り除いてあげる政策が必要なんですが・・・
介護に医療、相続でしょうか・・・

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