投資はリスクとリターン、そしてワークで考える 不動産投資の誰も言わない真実(4)

Mar 25, 2019

人生はわくわくとドキドキで、できている! 個人投資家やんつです。
社会人としてお金のことを勉強したいあなたと、アクティブシニアになりたいあなたへ・・

「誤解と錯覚」に満ちた不動産投資のホントを語る「不動産投資の誰も言わない真実シリーズ」第四回です。今回は新しい質問者から。

質問者Yさん:仕事を楽しみながらも資産形成もしたい30代女性

■投資のリスクとリターン、そしてワーク

Yさん:
「将来を見据えた資産形成を考えていて、投資に興味を持ったんですが…。」
「株式投資だと価格の上下が激しそうで、安定的な家賃収入が入る不動産投資がいいかなあと。向き不向きとかありますか?」

将来に備えて投資に興味を持ったわけですね。大切なことだと思います。定期預金に預けっぱなしではなく、ぜひお金にも働いてもらいましょう!

向き不向きをお話しする前に、投資手段の違いについて少し説明します。

投資にはリスクとリターンがあるのはご存知ですよね?
実はもう一つ、ワーク(作業)という観点も重要だと考えてます。

リターンを得るためにはそれなりのリスクを取る必要がありますが、その上で地道なワーク(作業)も必要なんです。投資と言っても、決して楽して濡れ手に粟、一攫千金というわけではありません。

投資のリスク・リターンとワーク
図を見てください。投資手法のリターン・リスク・ワークの大小をわたしなりにまとめたものです。

○×は優劣ではなく、程度の大小を表してます。×だから駄目という意味ではなく、程度が大きいので要注意ということです。例えば不動産の1棟物ローンレバレッジという手法はリターンも大きいですが、リスクも大きくなります。

ワークというのは、実行するのに伴うワーク(作業)量です。
不動産投資は賃貸業ですから、多くのフィールドワークが必要となります。

・物件の現地調査
・仲介会社とのパイプ作り
・金融機関との融資交渉
・管理会社との打ち合わせ
・リフォーム業者への手配
などですね。

Yさん:
「結構、大変そうですね…。」

賃貸業というビジネスですから、外に出ていく行動力とコミュニケーション力は必須なんです。サラリーマンでも十分できますが、土日を費やす覚悟はしてください。

管理を全てお任せでフィールドワークがほとんど不要の手法もありますが、その場合リターンは少なく、資産形成には向かないので注意が必要です。高額区分マンションの欄を見てください。

一方、株式投資ではデスクワークが中心となります。
業界や企業に関する情報収集と分析ですね。想定株価の計算も必要です。

面倒な交渉事はありませんが、四季報のチェックや株価トレンドの分析など意外に時間はかかるものです。
朝30分の株価チェックだけで出来るなんていう話もありますが、それはベテランになって自分のスタイルを確立した人の話。

もう一つ、株式では感情コントロールも重要です。
株価が毎日変動するので、下がった時の心理的な圧迫は大変なもの。
適切なタイミングでロスカットできるか、冷静な判断が求められます。

Yさん:
「そうなんですよね~。下がっちゃうとドキドキして、冷静なロスカットなんてできそうもないです。」

どちらのワークが自分にできるかが、向き不向きと言ってもいいでしょう。自分の行動が利回りに結び付く不動産投資か、色んな会社を観察する株式投資か。

いずれにせよ短期間での資産形成を狙う場合は、大きなリスクと同時に大きなワークも要求されるということです。どんな投資も「面白がれるか?」が大事です。面白くないとワークにも身が入らないですし、継続もできませんから。

投資で上手くいってない人と話すと、驚くほどきちんと勉強してません。ワークが足りないんです。断片的な知識で手を出して失敗し、もう懲りたとやらなくなる訳です。

実は不動産投資も株式投資もきちんと勉強し実践さえすれば、誰でも10%程度のリターンは得られる可能性があるんです。まあ、簡単ではないですけどね。

仲介会社や金融機関の言葉を鵜呑みにするんではなく、自分なりに情報収集してちゃんと学んでほしいんです。

株式にしろ不動産にしろ、どんな投資でもリスクはあります。
ビジネスだってリスクのないビジネスはありませんよね? リスクを取って工夫して努力するからリターンがあるんです。

リスクは避けるものではなくマネジメントするもの! です。

Yさんも、まずは色々勉強してみて面白そうと思う分野を深掘りしましょう。
分からないことはどんどん聞いていいですよ。

■女性のメリット、デメリット

Yさん:
「不動産投資では色んな会社との折衝が必要なんですね。ちょっと敷居が高そうな気もしますが、女性でもできますか?」

株式投資も不動産投資も随分と女性が増えています。
株式投資関係のスクールでは女性が過半数のところが多く、時には7割以上が女性であることも珍しくないんですよ。不動産投資では以前は女性が少なかったんですが、築古戸建て投資法などが知られるようになり比率は増えてます。

不動産投資サークル「ふどうさんぽ」では男女比が6:4くらいですかね。中にはベビーカーを押しながら、物件巡りをしてる方もいらっしゃいます。

女性の方に不動産投資の魅力を聞くと、
・実物資産であること
・リフォームのデザインや家具選びが楽しい
・価格変動が少なく安心(心理的負担が軽い)
・自分が行動した分が利回りにつながる
といったことを話されます。

女性ということで、物件探しで仲介会社から軽くあしらわれたというような体験談もありますが、逆に珍しがられて価格交渉が有利になったという話もありました。一長一短ですね。

中には、活発な奥さまが外で物件探し、数字に強いご主人が収支計算、とそれぞれ分担されてる例もありました。ご夫婦で取り組まれるなんて素敵ですよね。

『金持ち父さん 貧乏父さん』で有名なロバートキヨサキさんの言葉で、
投資にいい悪いがあるのではない、良い投資家と悪い投資家がいるだけだ。」
という言葉があります。女性でも良い投資家になれますよ。

頑張ってチャレンジしてください。応援してます。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございます。
次回も引き続きYさんからの質問です。

不動産の正しい勉強法とやってはいけない 不動産投資の誰も言わない真実(3)

Jan 31, 2019

人生はわくわくとドキドキで、できている! 個人投資家やんつです。
社会人としてお金のことを勉強したいあなたと、アクティブシニアになりたいあなたへ・・

「誤解と錯覚」に満ちた不動産投資のホントを語る「不動産投資の誰も言わない真実シリーズ」第三回です。

質問者は引き続き、ゆとりある老後を目指す50代のサラリーマンHさん。

■こんな勉強はやってはいけない?

Hさん:
「何冊か本を読んでみました。実際に成功した人が多いんで驚きました。自分でも資産形成できそうかなあ、なんて…。」「色んな業者さんがセミナーをやっているので行ってみようかと思っています。」

興味を持ってもらえたのはいいですね~。
まず先に「やってはいけない勉強法」について話しておきます。

アパート_だめーっ!
不動産投資に興味を持った人はこんな勉強を始めます。
・不動産投資の書籍を読む
・先輩大家さんのコラムやメルマガを読む
・無料の不動産投資セミナーに通う

大きくは間違いではないんですが、いくつか「やってはいけない」があります。

①無料セミナーの情報バイアスに惑わされてはいけない
②無料セミナー後のセットプランを慌てて買ってはいけない
③節税メリットを過大評価してはいけない
④成功者の書籍を盲信してはいけない

① 無料セミナーは参加してもいいんですが、主催者のバイアスが掛かっていることには要注意です。無料で開催するからには主催者の意図があります。多くは、自分たちに都合のいいように誘導する内容になっています。

不動産投資の魅力的な部分については話しますが、注意点は話しません。
初心者にはどこの注意点が抜けているか見抜くのは困難。

無料セミナーの場合、あくまで参考程度に聞いておくのが無難です。
不動産投資のメリット、デメリットを正しく理解するのが先決。

② ましてや無料セミナーの後、セットプランの提案を受けてそのまま契約してしまうなんてのはもってのほか。

「低金利時代に毎月1万円もお小遣いがもらえますよ。最後には自分の資産になりますからね」と仲介会社の甘い誘い。しかも「ローンの紹介もセットになっていて、自己資金も少額で済みますよ。」とか。

言われるがまま購入し、もし儲からない物件ならローンだけが残ることになります。
購入後、手取り収入が以外に少ないことに気付き、売却しようとしても売却損が発生。
売るに売れずに5~10年塩漬けになってしまう。こんな例をよく見てきました。

不動産投資の注意点を理解し、資産拡大には向かないけど流動性の高さを評価するなど提案の良し悪しを理解した上で買うのは問題ありませんが、勉強不足のまま慌てて買う必要はありません。購入物件は何時の時代もあります。

不動産投資の目的に合わせて、どの程度のキャッシュを残していきたいのか、その期待収益に合わせて物件選択をしたいもの。

③ 「節税になります」というのもよくあるセールストークです。
これは、サラリーマンの給与と不動産事業収支が損益通算できることを指します。

不動産投資の利点のひとつですが、「節税」になるということは賃貸業そのものが赤字だということ。

赤字であっても、税金と相殺できるので実質的な負担はありませんが、購入価格とは別に税金で納めるべき金額を資金投入している訳です。

そこまで資金投入してもいい将来価値の確かな物件ならいいでしょうが、そんな計算は初心者には難しいでしょう。

そもそも赤字ということはビジネスとしては落第。高い買い物です。
どうせなら黒字でキャッシュフローが出る物件を買いたいもの。

④ 書籍はコストパフォーマンスも良く、お勧めです。
著者の成功体験は大いに参考になりますが、Hさんに向いているとは限らないのが玉にキズ。
20冊は読んで欲しいです。それだけ読めば様々な手法があることが分かります。

書籍にも注意はあります。
ひとつは誰が書いているかです。

販売会社や管理会社などの業界人が書いている場合は、無料セミナーと同様、都合の悪い注意点には触れていないことが多いので内容を鵜呑みにするのは危険です。

実践している大家さんならいいかというと、無条件という訳でもありません。
不動産投資を取りまく7人のこびと(2)でも書いていますが、著者は、上手くいってると思い込んだ「勘違い大家さん」かもしれません。

体験談は本物でしょうが、特定の手法の一面的な見方かも。

二つのチェックポイントで、著者をみてください。
・執筆時で5年以上の運営経験があるか
・売却を経験しているか

不動産投資は長期的なビジネスで
・売上逓減
・コスト逓増
という特質があります。購入後が一番儲かるんです。それで成功したと思い込んでは危うい。

長い投資経験を持ち、ここを理解している大家さんなら安心です。

■不動産投資の本当の学習ステップ

Hさん:
「いやあ、先に聞いといて良かった。無料セミナーには眉に唾を付けて行くようにします。」
「じゃあ、どんな勉強方法がいいんですか?」

正しい学習のポイントは3つです。
1.(主催者が不動産販売会社ではない)有料の不動産投資セミナーに行く
2.(長期的に)成功している先輩投資家に聞く
3.投資家仲間を作る

です。順にご説明しますね。

まず、有料のセミナーで体系的に学ぶことがポイントです。
・不動産の事業収益とCF(キャッシュフロー)が異なる理由
・不動産の基本的評価法である積算評価と収益還元評価
などの基本をきちんと学んでください。自分で収益見通しを計算できるようになっておけば、大きな間違いはありません。

多少費用はかさみますが、将来の正しい物件購入で簡単に元は取れます。
自己投資を惜しんではいけません。

大家の会や不動産投資サークル(ふどうさんぽなど)などに加入して、実践している先輩から話を聞くのもお勧めです。

物件を持っていない初心者でも参加できる会もありますので、調べてください。
ふどうさんぽ」でも、購入後慌てて勉強の必要性を感じて参加する人が多いんですよね。

残念な物件を買ってしまった人もいて、コメントに困ることもあります。

契約後、同じマンションで過去にもっと安い価格で売買取引がされていたことを知り、自分のうかつさと知識不足を痛感し、ようやく不動産投資の本格的な学習を決意した例もありました。

ホントは、買う前にもう少し勉強しておいて欲しいと思います。
初心者には投資サークルや大家の会は敷居が高く感じらられるので、仕方がない面もありますが…。

不動産は金額が大きいのでリカバリーできる範囲の金額ならいいんですが、本質を理解してないうちに複数棟の購入は避けてくださいね。

5年以上継続されている先輩投資家に物件の選択基準や融資手法も聞いておきたいですね。
仲間との情報交換で市況の変化や融資トレンドを収集しましょう。

投資サークルや大家の会では「仲間」ができるという利点もあります。
情報交換だけではなく、会社を離れての交友関係の広がりにもつながります。

不動産投資は孤独な活動です。物件情報収集に現地確認。なかなか買えないとモチベーションが下がります。
そんな時、投資仲間の頑張りを見ると励みになりますよ。わたしも、それで随分勇気づけられました。

Hさん:
「投資サークルですか。何だかドキドキしますね。」「有料セミナーはどこがいいか教えてもらえますか?」

じゃあ今度、内容のしっかりしたところをお教えしますね。

土日を使うなどの苦労はありますが、見返りは大きいものがありますよ。
頑張ってチャレンジしてください。応援してます。

今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございます。
次回は別の方からの質問です。

あわてて物件を探す前にするべきこと 不動産投資の誰も言わない真実(2)

Dec 31, 2018

人生はわくわくとドキドキで、できている! 個人投資家やんつです。
社会人としてお金のことを勉強したいあなたと、アクティブシニアになりたいあなたへ・・

「誤解と錯覚」に満ちた不動産投資のホントを語る「不動産投資の誰も言わない真実シリーズ」第二弾です。

質問者は前回に続き、ゆとりある老後を目指したい50代のサラリーマンHさん。

■どんな物件を買えばいいのか?

質問者Hさん:
「不動産投資がサラリーマンでも取り組みやすいのは分かりましたが、一体どんな物件を買えばいいんですか?
「ネットを見ると都内の区分マンションとかが良いように思うんですが? 自分の物件を満室にすれば成功すると言っても、郊外ではやはり入居者の確保が不安で…。」

なるほど、不動産投資に興味を持ってもらえた訳ですね。嬉しいです。でも、ちょっと待ってください。
慌てて物件を探す前に、理解しておいて欲しいことがあります。
物件情報が氾濫していますので、その取捨選択の基準を知っておきましょう。

■資産形成の3ステージ

資産形成には3ステージがあると考えています。
資産形成期、品質改善期、資産維持期です。

資産形成の3ステージ

1.資産形成期
資産を拡大し、純資産を形成していく時期です。多くの方はここから始まります。リスクを取って高いリターンを狙う時期です。
郊外の単身向け中古アパート等で、高い利回りを狙い資本蓄積します。

ローンを使ってレバレッジを効かせるのも効率的です。

但し、物件探しの苦労や仲介会社との折衝、入居付けなど多くのフィールドワークも必要になることは覚悟してください。

2.品質改善期
獲得した資産を、より流動性が高く価値下落の少ない資産に入れ替えていく時期です。
複数物件を所有して、CF(キャッシュフロー)が生まれ一定の資産形成ができたら、アセット(資産)の入れ替えで質的向上を目指します。

郊外の物件から需要の手堅い都内へ。
駅遠のバス便からより駅近くの物件へ。
単身向けアパートばかりではなくファミリー向けも組み込む、などです。

2010年に取得したわたしの中古マンションでは、6年で約1割家賃が下落しました。
他の事例を見ても、特に郊外物件の家賃下落幅は大きくなっていると感じます。

純資産が一定に達したら、闇雲に規模を求めるのではなく、より運営の楽な価格下落リスクの少ない物件に替えていくことを推奨しています。

地主さんの土地活用などでは、そもそも入れ替えを考えないケースも多いですが、ぜひその感覚は持って欲しいもの。

3.資産維持期
大きくなった純資産の維持、下落防止に努める時期です。インフレに負けない程度の利回りが目安。

このステージでは金融資産も大きくなっていますので、アセット(資産)の分散とバランスへの配慮が主たる目的になります。

金融資産と不動産に資産を配分し、全体のバランスを考えます。不動産は相続税対策にも有効なので、一定の資産を不動産で持つのは合理的です。

このステージでは、資産承継についても考えて欲しいもの。お子さんの運用スキルの向上にも着手しておくべき時期です。

このように3つのステージにおいて取得するべき物件が異なります。

ところが市場では、どのステージ用と区別して売られている訳ではありません。資産形成したいのに資産維持期用の低利回り物件を買っても仕方がありません。
自分のステージ、目的に合わせ見極める必要があります。

不動産投資の目的は大別すると資産拡大とアセットの分散です。
(品質改善は過渡期)
何時までにどの位の資産形成、利回りを目指すのか?
目的、状況により買うべき物件や戦略が異なってきます。

Hさんが貯金もそれなりにあり、退職金も当てにできるなら品質改善期や資産維持期の物件を買ってもいいかもしれませんね。

仕事が忙しく物件探しなどに時間が取れなくても、ローンを組んでレバレッジを効かせればある程度の物件は買えそうです。
但し、労力が要らないものはリターンも小さくなりますので大きなゲインは期待できないことは心得てください。

Hさん:
「いやあ~、転職している関係で退職金もそこまで見込めないんですよ。
やはり純資産をもう少し増やしたいと思うんです。何しろ定年後が不安で…。」

土日を含めて時間を割く覚悟があるなら資産形成期の物件にチャレンジしますか?
ただ高利回りを目指せば、その分のリスクも高くなるのでしっかりと勉強してくださいね。

Hさん:
「不動産投資に興味をもってから、何冊か本を読んでみました。
ネットで色々検索するようにもなりました。セミナーにも行こうかと思っています。」

勉強意欲が湧いたのはいいことですね~。
不動産投資はサラリーマンでも取り組みやすいとは言え、やはり学習は必須です。

じゃあ「正しい勉強法」について、次回ご説明にさせていただきますね。

今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございます。
次回は不動産投資の正しい勉強法です。

管理人プロフィール

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やんつ(山本 常勝)

合同会社モンテリーブロ 代表
資産形成、資産運用専門FP
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