人口減時代に不動産投資は大丈夫か? 不動産投資の誰も言わない真実(1)
人生はわくわくとドキドキで、できている! 個人投資家やんつです。
社会人としてお金のことを勉強したいあなたと、アクティブシニアになりたいあなたへ・・
投資歴がそれなりに長くなったわたしですが、つくづくとこの世界は「錯覚と誤解」に満ち満ちていると感じます。
溢れるバイアス情報の中では、正しい投資マインドが育ちようもありません。
そこで10年間の不動産投資歴の集大成として、皆さまからよく聞かれる質問に答える形で「不動産投資の誰も言わない真実」をまとめることにしました。
損益計算や物件評価等ののテクニック論は後回しにして、本質的なことをまずは理解して欲しいと思います。
では、第一弾!
■ 人口減の時代に、不動産投資は大丈夫か?
質問者Hさん:ゆとりある老後を目指したい50代のサラリーマン
「将来の年金生活が不安で投資の事も考えるんですが、人口減の時代に不動産投資って大丈夫ですか?」
もっともな質問ですね。初心者の方からよく聞かれます。人口減も空室率の上昇も事実です。
賃貸用住宅の空き家率は全国平均は19.3%(総務省2013年「住宅・土地統計調査」)であり、約2割が空室ということになります。
わたしも、金沢でアパートを探していた時に、3割以上の空室物件がゴロゴロしているのでびっくりしたものです。
この統計自体は築年数や地域別の違いを一まとめにしているので、これだけで全ての場所について語っているわけではありません。とはいえ、この10年でも郊外の家賃下落率は大きくなっていると感じます。
Hさん:
「じゃあ、やっぱり不動産投資はしないほうがいいんですね?」
空室率が高くなっているから不動産投資は止めた方がいい、そんな単純な話でもないんですよ。
少し不動産投資の利益の源泉についてお話します。
あまり語られませんが、不動産投資には投資とビジネスの両方の側面があるんです。
投資のリターンはインカムゲインとキャピタルゲインからなるのは理解されてますよね。
不動産のインカムゲインは家賃収入から、キャピタルゲインは売却益からとなります。
キャピタルゲインは投資的側面が強いんですが、インカムゲインである家賃収入は「賃貸業」というビジネスが源です。アパートを維持管理し、入居者を獲得し、その結果として利益を出す訳です。
不動産投資の魅力として語られることの多い
「毎月安定的な家賃収入が得られますよ」というフレーズは「賃貸業というビジネスは安定的な家賃収入が得られる事業ですよ」と言うのが正解です。
(投資としてのキャピタルの側面については別の項で論じます)
つまり不動産は「投資」とはいうものの、脱サラによるラーメン店開業やコンビニの新規開店と同列な「ビジネス」なのです。
人口減の時代は事実ですが、これは日本のどの業界も同じ条件。閑古鳥の鳴くラーメン店もあれば、行列の絶えないお店もあります。
閑古鳥を目指して開店するお店はありませんよね?
要は賃貸業としての繁盛店になればいいだけです。
ビジネスである以上、
・入居付に強い管理会社とチームを作る
・絶えず近隣の需要と供給を考慮する
・ペット可、外国人向け、などの特徴を持たせる
・築古戸建てや全空アパート等を安く購入し、リフォームで再生する
・高利回りを狙える地方で、あえて満室経営を目指す
様々な工夫が考えられます。
「経営者として努力し、自分の物件が満室になれば成功する!」
が答えです。
■ 複業としての不動産投資
Hさん:
「不動産投資が事業だとすると、サラリーマンには向かないということですか?」
わたしの所属する「ふどうさんぽ」では2300名を越す仲間がいますが、その多くは30~40代のサラリーマンです。主婦の方や契約社員の方もいらっしゃいます。
その中で億単位の資産形成に成功した方がたくさんいます。
不動産投資は賃貸業というビジネスですが、サラリーマンでも兼業しやすいのが大きな特長なんです。
いくつか見てみましょう。
1)アウトソーシング環境が完備されている
投資家向けポータルサイト、仲介会社、管理会社、金融機関、税理士…。
多くの会社で業界が構成されており、時間のないサラリーマンでも十分に取り組める環境があります。
但し、取り巻く多くの会社は玉石混淆であることは知っておいてください。
2)マーケットが大きく多様性がある
賃貸業向け戸数は住居系で約2400万戸もあり、商業系も含めると膨大な数になります。
人が住むというニーズは無くなることはありませんし、インバウンド向けの民泊も法整備が進んでいます。
サラリーマン投資家が多少参入しても、大きなマーケットからみればごくわずかなものです。
不動産は同じものが一つもなく一つひとつが固有のものですが、それが難しさでもあり、多様性でもあります。
区分マンションから、戸建て、一棟物。
新築に中古。価格も数百万から数億円…。
あなたの属性や嗜好に合わせた物件を取得すればいいんです。ご自身が納得できる投資手法がきっとあるはずです。
3)自分で利回りをマネジメントできる
不動産投資を実行している人の多くは、「金融投資はリターンを自分ではコントロールできないが、不動産は自分で利回りをマネジメントできるのが面白い」と言います。
学び続け行動すれば、行動した分がリターンとなります。アウトソーシングは活用しても、他人任せではない所が面白さ。
逆に言えば、行動無きところに成功はありません。
Kさんは、仕事の合間を縫って仲介会社の営業マンに会いまくり、1年間に500枚の名刺を配ったといいます。
Sさんは融資への事前準備として、100行を目標に色んな金融機関に問い合わせたといいます。
わたしも物件購入の度に、数十件の物件調査に行っています。
成功者への条件は絶え間ない工夫と圧倒的な行動量にあることは間違いありません。
4)競合が厳しくない
これは大きな声では言いにくいですが、競合が厳しくないことが不動産投資で数多くの成功者が生まれる背景にあります。
賃貸業では近隣の同じ間取りのアパートが、自分の物件の競合先になります。その中で入居者需要を取り合う訳ですが、実は地主系大家さんの多くが勉強不足です。
これは土地を所有している場合、ローン比率が低いため満室にならなくても十分に利益が出るためです。
特に相続系地主さんの場合、自身で取得したアパートでもなくスキルを磨いて大家になったわけでもありません。管理会社にお任せで、なかなか勉強するベクトルにならないのです。
無論、地主系大家さんがスキルを磨けば鬼に金棒ですが、そんな人はごく一握りです。
この競合性の低さが、サラリーマンのような新規参入者でも成功しやすい土壌となっています。
■ 不動産投資スキルの必要性
不動産投資を無闇に勧める訳ではありませんが、実は人生のどこかで誰しも不動産は関係してきます。
・住まいとしての不動産
・実家問題としての不動産
・相続対策としての不動産
不動産投資家に、何か後悔していることはありますか?
と尋ねると「もっと早くから取り組めば良かった!」と答えます。(笑)
人生のどこかで不動産に関わるならスキルを身に付けておいて損は無い、そんな風に思いませんか。
怖がらずに身に付けてください。
今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございます。
このシリーズは暫く継続予定です。