金融常識に異論あり! 高齢者のポートフォリオは保守的にするべきか?

人生はわくわくとドキドキで出来ている! サラリーマン上がりの運用相談専門FPやんつです。
社会人としてお金のことを勉強したいあなたと、アクティブシニアになりたいあなたへ・・

運用相談を実際にやっていると、従来の金融常識に疑問を感じるケースに多々遭遇します。

ポートフォリオの組み方(金融商品構成)としてよく言われることに
・若者は時間にゆとりがあるので、多少リスクを取っても高いリターンが望める株式比率を高めにするのが適している
・高齢者の場合は大切な老後資金なので、減らすのは避けたい。リスクを押さえて債権の比率が高めな保守的なポートフォリオにする。

という常識がありますが、本当かなあと思います。

ポートフォリオとは各種金融商品の組み合わせのことで、相談者に合わせた最適ポートフォリオの構築は重要な業務です。

構成する商品分類には色々な分け方がありますが、国内株式、先進国株式、新興国株式、国内債権、先進国債権、REIT(不動産投資信託)などに分けるのが一般的。

投資信託にはターゲットイヤーファンドというものもあり、年齢と共にポートフォリオを自動的に変えてくれます。

例えば
30代→株式 60%、債権 20%、REIT 20%
50代→株式 40%、債権 40%、REIT 20%
60代→株式 20%、債権 70%、REIT 10%
というように購入者の年齢に合わせ株式比率を下げ、債権比率を上げていく仕組みになっています。

ところが現場感覚としては、高齢者=保守的という見方に疑問を感じるのです。

(1)リスクを抑えるための債権購入は正しいか

過去の資産クラス別リスクリターンを見ると債権のリスクが低いのはその通りですが、実践経験からいくつか疑念があります。

今の時代に債権の優位性があるのか?

リーマンショック以降、世界的な低金利状態となり利回りが低下しています。計算してみるとリスクは低いのですが、リターンが低すぎるのです。
現時点では債権を購入する必然性があまり感じられません。

50年、100年といった長期間の統計では債権の有効性は証明されていますが、リーマンショック以降に限ってみると優位性が見当たらないのです。

相談者には
「債権を組み入れるのは金利情勢が変化してからで十分。現時点ではポートフォリオに入れる意味はないのでは。」と説明しています。

・株式と逆相関といわれているが本当か?

債権は株式と異なる値動きをするためにリスク打消し効果が高く、資産に組み入れるのは効果的と説明されています。

ところが実際に保有しているとそうでもなさそうなのです。

程度の大小はありますが、リスクオフ(相場弱気)の状況で株式が下がると債権も下がるケースがあります。逆にリスクオンになると共に値を戻したりする訳です。

これは昔に比べて金融市場の流動性が高くなっているためにリスクオフになると、株式も債権も市場から一斉に資金が逃げ出す。リスクオンにになると、急に戻ってくる。ということだと感じます。

リスクを下げるために債権保有の意味があるとされてきていたわけですが、ドルコスト平均法の積立というリスク低減策があり、これで十分ではないかというのが、わたしの考えです。

リーマンショック時にインデックスの積立で元本割れの時期が3~4年続いたこともありますが、逆にいえば3~4年辛抱すれば、リーマンショック級のリセッションにも耐えられるという訳です。

(2)ポートフォリオの組成要因に年齢が最重要か

年代別ポートフォリオの勘違い

年金暮らしで他に収入の手立てがない高齢者にとって、貯金が大事なのは言うまでもありませんが、その程度は人様々です。

 ①貯金を取り崩して生活費に充当せざるを得ない人
 ②貯金に手を付けなくても、年金の範囲で生活を賄える人

①、②の人を一括りにはできないのです。

昨年金融庁のレポートを端に発し、老後資金が年金以外で2000万円必要と言われて大騒ぎになりましたが、実際には多くの方はこれを超える貯金を持っています。
(厚生年金対象者の場合)

しかも皆さん、年金の範囲内で生活費を押さえ、実につつましやかな暮らしぶりです。
いざという時のため(?)多くは貯金には手を付けないのです。

つまり貯金を当面取り崩す予定が無いなら、ある程度のリスクは取れるのです。
人生100年時代、60代でも10年程度の運用期間は十分にあります。

であれば、株式中心のポートフォリオでもインデックスの積立であればさほど問題はない理屈です。
(無論、介護・医療費などの急な資金需要は考えられます)

相談の現場では運用方針を決める重要変数は
 ・資産状況(含む収支状況)
 ・運用スキル
というのが実態です。

生活が安定していれば、多少のリスクには耐えられます。
運用スキルがあれば価格変動に動じることもありません。

実際に資産クラスを検討する際は期待収益率、ワークリターンバランス、リスク許容度を考慮して決めていきます。

期待収益率 →目標とする利回り。相談者の性格、ライフイベントにより異なります

ワークリターンバランス →高利回りを目指す場合は、それなりの勉強や作業が必要です。 勤務状況や子育て状況など投資活動に時間が割けるのか、割くつもりがあるかが重要

・リスク許容度 →損失発生に対する耐性。経験とスキルによって変わっていきます

尊敬する山崎元さんは、「改訂版 超簡単お金の運用術」の中で、ポートフォリオは国内株式50%、海外株式50%でいいんじゃね説を唱えています。納得できる話です。

単純に高齢者のポートフォリオは一律に保守的にすればいいという訳ではないのです。
上記の重要変数の方がよほど大事です。

「高齢者の大切な老後資金はリスクを減らし保守的なポートフォリオにする」というのは、高齢者はみんなお金の不安を抱えていて守備的だという決めつけで実に失礼な話です。
教科書的ではありますが、現実はそんなに単純ではないのです。

年齢よりも個々人に合わせたポートフォリオが必要です。

今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございます。
本記事は個人の見解であることをお断りしておきますが、異論反論は大歓迎です。
ご連絡お待ちしています。

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やんつ(山本 常勝)

合同会社モンテリーブロ 代表
資産形成、資産運用専門FP
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