投資信託はどう選ぶ?(2) 「プロが選んだ優良商品」のその後を検証する

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投資信託の正しい選び方を考えるシリーズ、二回目です。

約6000本と数が多く、どれを選んでいいか分からない投資信託。
それなら、プロが選んだ優秀な商品なら間違いないはず。何しろ金融機関の人たちは専門家なんだから…。

ということで今回は、広範な情報提供で定評のあるモーニングスター社の選ぶ「ファンド・オブ・ザイヤー」に輝いた、いわばプロがお墨付きを与えた商品のその後を追跡することにしました。

毎年、国内の追加型株式投資信託を対象に、リスクやリターンといった定量面と、運用調査体制等の定性面の両面から、優れた運用実績とマネジメント体制を持つファンドを『Morningstar Award “Fund of the Year”(ファンド オブ ザ イヤー)』として選考し、表彰しています。

受賞はその年の運用成績等が優れた上位約1%で、且つ長期的なパフォーマンスも考慮される、としています。1999年から毎年発表している権威ある賞です。表彰は国内株式型部門、国際株式型部門、債券型部門、バランス型部門など多くの部門からなっています。

そのうち、国内株式型部門、国際株式型部門の2部門から 2010年、2011年の上位各2本(計4本)を追跡することにしました。

「良いファンドは長期的に安定した実績をあげるはず」

この仮説に基づき、表彰から時間の経過した2017~2019年の3年間の成績をベンチマークと比較することにしました。分配金込価格と純資産残高の3年間での増減率の比較です。

■ 日本株部門

投資信託ファンドオブザイヤー_日本株
表彰された4本は以下の通りです。

1.ストラテジック・バリュー・オープン 「真価論」…割安性評価と実力評価で国内の株式を厳選。

2.損保ジャパン・グリーン・オープン 「ぶなの森」…「環境経営」を基に割安度が高い銘柄を選定。

3.JFザ・ジャパン …利益成長性が高く、株主を重視する企業に投資。

4.三菱UFJ グローバルイノベーション 「ニュートン」…イノベーションに挑戦する日本を含む世界の株式。

ベンチマークは対象商品の多くがTOPIXを意識していることから、eMAXIS TOPIXインデックスを選定。誰でも買える、分かりやすい商品です。(後継商品eMAXIS Slimの販売により資産残高が分散されたことから、純資産残高は合算して計算しています)

増減率を見てみると、分配込価格では4商品ともにプラス、+12.6%から+36.8%まで。それなりの成績のように見えますが、ベンチマークとの比較ではなんと全敗!

純資産は2銘柄が減らし、残る2銘柄も、7~13.8%と大きな増加ではありません。
対してベンチマークは3年で約35%増と順調な増加。

ファンドの構成情報をみると、割安性評価と実力評価、環境経営にイノベーション。もっともらしく感じますが、プロの考えた選定基準でも単純なインデックスにはなかなか勝てない、という結果になりました。

インデックスに比べて4~5倍の信託報酬を取っているアクティブファンドですが、残念ながら高い手数料の根拠は無さそうです。

ということで、日本株部門はインデックスの圧勝!

■ 国際株部門

投資信託ファンドオブザイヤー_国際株
国際株部門はこの4本。

5.PCA インドネシア株式オープン …インドネシアの株式に投資。

6.netWIN GS・インターネット戦略ファンドB …ITの発展により恩恵を受ける米国企業。

7.DIAM世界好配当株オープン(毎月決算)「世界配当倶楽部」…平均配当利回り、地域配分、業種配分等を考慮した日本を除く世界各国の好配当株式。

8.アメリカン・ドリーム・ファンド…米国小型成長株。4つの投資資格(企業優位性、高シェアと利益率、売上成長力、有能な経営陣)対象約300社から20-60社へ厳選。

ベンチマークとしてはMSCIコクサイ・インデックスに連動するファンドとして安価で知られる、ニッセイ 外国株式インデックスファンドをチョイスしました。

各ファンドの情報をみると、とても魅力的なファンドが並んでいます。

「インドネシアの成長に期待するのも面白いなあ。」
「これからの時代、ITに着眼する視点はいいよね。」
「高配当銘柄なら確実な成長が期待できそう。」
「厳選された米国小型成長株。ぜったい魅力的だよね。」
わたしも思わず買いたくなります。

さて、成績はどうでしょう?
おっ!? 素晴らしいファンドがありました!

netWIN GS・インターネット戦略ファンドB名称変更で今は、netWIN GS・テクノロジー株式ファンドB)です。

分配込み価格は3年で75%を超える上昇! 純資産は10倍を達成しています。ベンチマークと比べても見事な成績です!

他の3本は?と言うと、 とほほ…。
一応プラスではあるものの、ベンチマークの35.9%には遠く及びません。

純資産に至っては、3本とも大幅減少。約4割減が2本と早期償還も心配されるほどの減少ぶり…。
これではインデックスの10~20倍にもなる信託報酬に意味はありません。

唯一の好成績の GS・インターネット戦略ファンドについては、あくまで3年間の比較なので、今後も継続的にアウトパフォームできるかを注目したいところ。この成績を維持できれば、手数料が約20倍といっても納得かもしれません。

実は調査前は、さすがにファンド オブ ザ イヤーともなれば、もう少し継続して優秀な成績をあげるファンドが多くあると期待していました。ある意味、とても残念なこと…。

これでは、猿のダーツ投げで選定した銘柄構成よりも、プロが運用するアクティブファンドの方がリターンが劣るという、『ウォール街のランダムウォーカー』の有名な一説を裏付ける結果です。

たったこれだけの調査で断定はできませんが、毎年多くのアクティブファンドが組成されますが、勝率は決して高くはないようです。ましてや購入者が選定するのは至難の業。

無闇にラインナップを増やすことで却って分かり難くし、自らの首を絞める結果になってしまっている気もします。 米国のバンガード社はインデックス系の個人販売に注力してて、いまや500兆円を超す資産残高になっているんですが…。

プロが選ぶ優良ファンドでも、インデックスには容易には勝てない

これが今回の結論でした。
今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございます。

※本記事は特定の商品を推奨、あるいは誹謗中傷するものではなくあくまで個人的な見解に基づく記事です。

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やんつ(山本 常勝)

合同会社モンテリーブロ 代表
資産形成、資産運用専門FP
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