投資信託はこう選ぶ NISA、iDeCoの正しい選び方(5)

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iDeCoの正しい商品の選び方について、フリーランスの宮田(50代、女性)さんを迎えてご説明しているシリーズです。

宮田さん、前回はすいませんでした。
マネックス証券のiDeCoを見たのに国内型の説明だけで終わって、海外型が終わりませんでしたね。

宮田
「そうですよ。肝心の海外型をやらなきゃ。待ちくたびれましたよ。(笑)」

じゃあ早速、海外型の内訳をみてみましょう。
海外株式、海外債券、海外REIT、コモデティ、バランスの5種類ですね。

■ 海外株式

マネックスiDeCo_海外型目次
まず海外株式をみてみましょう。8本ありますね。

・朝日Nvest グローバル バリュー株オープン
・eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
・ラッセル・インベストメント外国株式ファンド(DC向け)
・eMAXIS Slim 新興国株式インデックス
・たわらノーロード NYダウ
・eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
・eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
・iFreeNEXT NASDAQ100 インデックス

「eMAXIS Slimシリーズ」が4本も入っていますね。
マネックスはあまり独自商品を作らないので、そのせいもあるかもしれませんが、それだけeMAXISシリーズがiDeCo向き、積立向けの商品ということかもしれません。

さて、どんなインデックス(指標)のものがありますか?
分かるものだけでいいので、ご自分でチェックしてみてください。

宮田
「ちょっとまってくだいね。……。」
「えーと、まずはeMAXIS Slimシリーズからいきますね。」

「先進国株式インデックスはMSCIコクサイという指標を採用してるみたいです。あら!? これってわたしが楽天証券で買ってる、たわらノーロード先進国株式と同じですね! 指標が同じ場合は、リターンも同じと考えていいんですか?」

そうです。同じ指標ならほぼ同じパフォーマンスになります。その場合はコストの安い方を選べばいいわけです。

「米国株式(S&P500)は名前にS&P500があるので、米国株式のS&P500に連動してるんですよね。全世界株式(オール・カントリー)はMSCIコクサイオールカントリー連動みたいです。新興国株式インデックスはMSCIエマージング・マーケット・インデックスと書いてあります。MSCIの指標を使うものが多いんですね。」

MSCIは最も一般的な指標で、証券各社がここの指標を使って違う商品名で販売しています。
そのせいで商品数は多いものの、中身は同じというものも多いです。この辺も、投資信託を分かりにくくしている原因ですね。

「その他のものは…。えーっと、たわらノーロードは、NYダウだから米国株式でしょ。iFreeNEXT NASDAQ100 インデックスは、NASDAQ100だからこれも米国株式ですよね。」

「あれっ⁉ そうすると米国株式のインデックスが3種類もあるってことですよね? このNYダウ、S&P500、NASDAQ100ってどう違うんですか?」

そうですね、どれも米国株式のインデックスという意味では同じですが、銘柄数や市場が違います。まとめるとこうなります。

・NYダウ …もっとも古く有名な指標でダウ・ジョーンズ社が選んだ米国を代表する30銘柄。日経平均の米国版とでもいうもの。
・S&P500…同じくダウ・ジョーンズ社が米国企業の中から500銘柄を選出をしたもの。時価総額を指数化してるという意味でTOPIXに似ている。
・NASDAQ100…ニューヨーク取引所ではなく、NASDAQ市場の100銘柄に連動したもの。NASDAQは比較的新しい電子取引市場でIT企業が多い傾向がある。

「へーっ、米国株の指標と言っても色々あるんですね。どれがいいんですか?」

うーん。確かに少し値動きが違うんですが、初心者はあまり神経質にならなくていいと思います。ダウは採用銘柄が少ないので、一番標準的なのはS&P500でしょうか。

その他の、バリュー株オープンとラッセルはアクティブ型の様です。といってもパフォーマンスを見ると、インデックス型と大きな違いはなさそうです。

■ その他

海外債券には3本ありますね。

・eMAXIS Slim 先進国債券インデックス
・たわらノーロード 先進国債券<為替ヘッジあり>

はいずれもFTSE世界国債インデックスに連動しているようです。FTSEは英国に拠点を持つ会社で、MSCIと並ぶ指数算出会社です。

・iFree 新興国債券インデックス は新興国債券ですね。

これまでお話したように、債券関係は低金利時代の今は対象外でいいでしょう。金利が上がってきたら考えましょう。

海外REIT、コモデティがそれぞれ各1本ですね。こちらも、将来勉強が進んでから検討しましょう。

「バランス型が3本ありますね。 バランス型は前回勉強しました!」

・ラッセル・インベストメント・グローバル・バランス 安定成長型
・eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
・マネックス資産設計ファンド<育成型>

細かくみると、新興国を組み入れているかどうかという違いですね。いずれも債券を含めた分散投資商品です。こちらも低金利時代は見送っておきましょう。

■ まとめ

結局、「海外株式の中から選ぶのがいいよ」ということになるんですが、表にまとめてみました。

マネックスiDeCo_海外型比較

宮田
「やっぱり、アクティブ型は信託報酬が高いんですね。」

そうですね。その分パフォーマンスが良ければいいんですが、なかなかそうもいかないのが難しいところです。

インデックスの分類を見て欲しいんですが、投資信託を選ぶ基準は結局

全世界を買うのか
先進国に期待するのか
米国を買うのか

という選択肢になります。新興国は初心者のうちは外していいでしょう。

「全世界だと、新興国が入るのでなかなか成長できない気もします。やっぱり、先進国とか米国がいいなあと思います。信託報酬も安いですもんね。」

投資の基本は、経済成長に合わせたリターンを堅実に取りましょうということなんです。
その投資先を、全世界にするか、先進国というカテゴリーにするのか、米国にするのかということを自分で決めればいいというわけです。

マネックス証券では、購入候補は「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」か「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」になるという結論ですね。

まあ人口構成をみても、当面は先進国、米国という選択肢が蓋然性が高いですね。
個人的にはインドなんかも買ってますが。慣れてくれば、そのうち自分の好きな国を買うという投資法もありますよ。

「世界経済の推進力が企業活動にあるというのは、変わんないですもんね。」
「まずインデックスに注目するということが分かってきたら、意外と選べる気がしてきました。」

商品名だけ見ていると頭がくらくらしてきますが、要はどの指標(インデックス)を基にしているのかが分かってくれば商品選びができてきます。

特にiDeCoでは対象商品が限定されているので、先進国とか米国企業に連動するものを買うという視点で見れば、買うべき商品が見えてきます。

■ 楽天証券 VS マネックス証券

前回みた楽天証券との比較で行けば分類や商品数はほぼ同じですね。楽天証券はバランス型、ターゲットイヤー型が豊富で、マネックス証券は米国株式の種類が豊富という特徴がありました。

ただ、最終的な指標(インデックス)がほぼ同じなのでどちらで買っても大きな差はないと思います。

「商品名だけ見て混乱しちゃいけないんですね。少しづつ、分かってきました。」
「どんな指標かを商品名に明記してくれれば、もっと分かりやすいんじゃないでしょうか。」

その通りです。ただ、そうすると商品名が同じようになって自社商品として売りにくいということかもしれませんね。

さて次回は、リスク値について、少し補足します。

「ありがとうございます。次回も楽しみにしています。」

お金を味方に付ければ、人生二馬力、三馬力!
今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございます。

※本記事は特定の商品を推奨、あるいは誹謗中傷するものではなくあくまで個人的な見解に基づく記事です。
※本記事は2021年4月27日時点の情報に基づくものです。金融市場の変化により
異なる見解となる場合があります。

管理人プロフィール

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やんつ(山本 常勝)

合同会社モンテリーブロ 代表
資産形成、資産運用専門FP
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