投資の基本。 ドルコスト平均法のウソ、ホント!
こんにちは!50代であわててお金の勉強中の、不動産投資家やんつです。
社会人としてお金のことを勉強したいあなたと、アクティブシニアになりたいあなたへ・・
投資のリスク低減の基本としてドルコスト平均法というのがあります。
価格が変動する商品について一定の金額で定期的に購入していく方法で、定額購入法ともいいます。
一定の金額を購入していけば、価格の安い時に多くの口(株)数を購入することが出来、
価格が高いときには少ししか購入することが出来ず、全体として平均購入単価を低く抑えることができる手法です。
投資本の古典的名著、バートン・マルキールの「ウォール街のランダムウォーカー」の「ドルコスト平均法はリスクを効果的に軽減する」という記述でも有名です。
本当にドルコスト平均法はお得な手法なんでしょうか?
積立方法として一定口数を毎回購入する定口方式とドルコスト平均法(定額方式)を比較してみました。
■ 上げ相場
基準価格が1万円からスタートし、上下動しながら10回後に1.6万円になった上げ相場を想定します。
(基準価格の推移と累計額ののグラフです)
「定口方式」
基準価格1万円の商品を10口づつ10回購入し、100口積み立てるケースです。
積立金額 口数 最終評価額 収益率
1158K円 100口 1600K円 138.2%
になります。(1158K→1600Kに増えました)
「ドルコスト平均法(定額方式)」
基準価格1万円の商品を毎回10万円分だけ10回購入し、100万円積み立てるケースです。
積立金額 口数 最終評価額 収益率
1000K円 90.2口 1442.7K円 144.3%
になりました。
確かに定口方式に比べてドルコスト平均法は積立金額は少なくなるものの利回りは上昇しています。
138.2%VS144.3%なので6.1%の改善です。
劇的とはいきませんが、なるほど確かにドルコスト平均法がお得です。
■ 下げ相場
今度は、基準価格が1万円からスタートし、10回後に0.7万円になった下げ相場を計算してみます。
「定口方式」
同じく1万円の商品を10口づつ10回購入し、積み立てます。
積立金額 口数 最終評価額 収益率
949K円 100口 700K 73.8%
「ドルコスト平均法(定額方式)」
1万円の商品を毎回10万円分だけ10回購入し、100万円積み立てます。
積立金額 口数 最終評価額 収益率
1000K円 107.8口 754.7K円 75.5% です。
わずか1.7%ですが、やはりドルコスト平均法がお得です。
下げ相場ですからどちらもマイナスですが、損失を小さくする効果もあるようです。
上げ相場でもお得! 下げ相場でもお得!
ドルコスト平均法って、やっぱすんげぇ~!!!!!!
と言いたいところですが・・・
そんなに簡単でもありません。
上記のような、積立方式どうしの比較においては確かに有利ですが・・・
例えばスタート時点で既に100万円を持っていたとします。
これで最初に100万円分全額買えばどうなるでしょうか?
上げ相場では最終的な基準価格が1.6万円なので、最終評価額は160万円!
収益率はなんと160%!15.7%もドルコスト平均法を上回ります!
一方、
下げ相場では最終的な基準価格が0.7万円なので、最終評価額は70万円!
収益率はなんと70%! 比較の中では最も大きな損失です。
ドルコスト平均法は積立方式としては利点のある手法ですが、
手元資金をわざわざ分割させてまで時間を掛けて購入するのは抵抗があります。
そもそも購入時には「上がる」と予想した訳ですから、「下がる」ことを恐れて時間分散するのは難しい。
リスクヘッジとして逆張りをするなら
・反対売買などのヘッジ取引を入れる
・相関の少ない、他の商品を組合わせる
ほうが、より合理的かもしれません。
更に、時間分散すれば資金効率のダウンという側面もあります。
結局、一括購入と定額購入の組み合わせで買うのが正解。
但し、その組み合わせは人それぞれの考え方で正解が異なります。また、組み合わせは難易度が高く間違うリスクもあるため、多少資金効率を犠牲にしてでも分割購入するのが安全ということ。
wiki によると『ドルコスト平均法(定額方式)』とは、
「金融商品を一度に購入せず、資金を分割して均等額ずつ定期的に継続して投資する。」
とありますが 一度に購入せず が意外と難しいのです。
ドルコスト平均法の実践としてインデックスファンドの積立投資は有力な手法ですが、意外と日本では実践者が少ない。儲からないので、宣伝しないという販売側の事情もありますが、一括購入と正しく比較する。
なかなか真理を学ぶのは難しいです・・・今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
(この項、2018/01/24有効性を再認識し、修正)
参考になれば、嬉しいです。