2億円の借金の実態・・・。 債権者は誰だ?

こんにちは、人生は50代からがもっと楽しい!不動産投資家やんつです。
社会人としてお金のことを勉強したいあなたと、アクティブシニアになりたいあなたへ・・

親父の夜逃げシリーズ(3)です。

1983年5月のゴールデンウィークに親父の夜逃げが発覚し、帰郷せざるを得ない状況になりました。

運良く無職にはならず、当時の勤務先で大阪から金沢への転勤(営業所開設)が決定。
引越しは8月、事務所の準備を整えて10月からの営業所オープンだったと思います。
ただ、引越しまでのんびり構えてる余裕はありませんでした。

5月の連休明け以降は大阪と金沢のとんぼ返り生活。
金曜に仕事を終え、夜行に乗り土曜の朝に金沢着。
土~日と書類を整理し、日曜の夕方に特急で大阪に帰るという生活です。

散らかる書類を整理し、まずは借金の実態を把握しました。

■債権者は誰だ? -借金の棚卸し-

はっきりしていたのは金融機関の借金です。
地銀の北國(ほっこく)銀行、信金の金沢信用金庫と北陸信用金庫の3行でした。

確か、返済利息だけで月100万円を超えていたと思います。
借入れ金利が6~7%程度で、3行でおよそ1.8億円程度の借入れでした。

利息だけで月額100万とは驚きますが、長期金利が8.4%の時代です。(日銀 預金・貸出関連統計)
ゼロ金利の今からは想像しにくい金利ですが、当時はそんなもの。

実家の農業収入が年400万円程度(生産者米価18226円)、わたしの給料は約14万円、年収で230万円ほど。

この中で農業経費や生活を賄います。
毎月100万円なんて払えるわけがありません。
自己破産という手もあるのかもしれませんが、それではすっからかんになってしまいます。

返済活動の前にとにかく「返済猶予交渉」です。
一旦、支払いを猶予してもらわないとどうにもなりません。
また、資産の処分のためには差し押さえも回避する必要があります。

親戚から当座の資金繰りとして1200万円をなんとか借入れ、銀行に利息を払いつつ交渉しました。
資金提供してくれた親戚も決して裕福なわけではありません。
みんな無理をして出してくれました。

金沢信用金庫のY支店長にはすんなり「返済の一時猶予」を了承してもらいました。
(むしろ、若いのに大変だねという労いの言葉を頂戴し、嬉しかったです)

北國銀行はかなり渋ったものの、
返さないのではない返済努力をするから一時的に待って欲しいんだ、という説明に仕方なく納得。
残る北陸信用金庫が難航しました。

「山本さん、うちは払ってもらわな困る。払えんがやったら担保を差し押さえな仕方ないね。」
眼鏡をかけた気の小さそうな支店長に冷たく言われました。

それは困ります。家屋敷が無くなれば母が路頭に迷います。

「銀行は晴れた日には傘を貸してくれるが、雨の日には取り上げる」という言葉をこの時覚えました。

差し押さえたところで、競売では満額の回収が難しいことを話して説得します。

「頑張って借金は必ず返しますから!」
自信はありませんでしたが、気持ちだけは伝えます。

何度も足を運びました。

農協職員で有力者でもあったH叔父の働きかけもあり、狭い町で事を荒立てるとマズイと判断したようです。
交渉の末、なんとか返済を待ってもらえることになりました。

これで少し時間が稼げました。

■約束手形

金融機関の借金は「返済の一時猶予」をしてもらいひと息ついたものの、困ったのは約束手形でした。

約束手形とは、振出人が一定の期日に一定の金額を支払うことを約束する有価証券のこと。
銀行の「当座預金」に基づき手形帳として支給されます。
小切手などと同じで帳面形式になっていて、半券をミシン目から切り離して使います。

支払期日を記入し、漢数字で金額を記載、発行者印を押印して相手に渡します。
残る半券を手形の耳といい、こちらにも支払期日、振り出し先、金額を控えとして記載します。

ところが親父の残した手形帳の耳には何も書いてありません!
これでは誰に振り出したかが分かりません・・・
いくら振り出したのかも分かりません・・・

これには参りました。

手形は譲渡できますので、何時どんな人が手形を持って債権者として現れるか分かりません。
アブナイ人に渡ることも往々にしてある話。

やはりというか、実際にアブナイ人が現れました。
岐阜のXX興産という反社会的団体のような匂いのする会社。

わたしが父親の夜逃げのことを聞く少し前でした。
黒塗りのベンツに乗ったでっぷりとした丸刈りのおっさんが、若い衆を2人ほど連れて1500万円ほどの手形を持って実家に現れたようです。

黒塗りベンツ

親父が不在だと知ると、伝言だけ残してその時は静かに帰った模様。
対応したお袋が腰を抜かして親戚中大騒ぎになったと、後で聞きました。

その他の事業関係の小さな支払を除くと、判明した大口はこんなところでした。
おおよそ2億円。

後は、新たなる債権者が現れないことを祈るばかり。

金融機関との交渉が一段落した次には、このXX興産にも行く必要があります。
(続く)

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
個人的な話ですが、お読みいただけると嬉しいです。

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やんつ(山本 常勝)

合同会社モンテリーブロ 代表
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