生命保険を見直してみた!(2) チェックポイントは3つ!
前回はわたしの保険の見直しの話でした。 (前回はこちら)
思えばひどい保険の掛け方をしていたもんです・・・
どうしてわたしたちは保険をついつい掛け過ぎてしまうんでしょうか??
そもそも保険とは何なのか? 保険の本質をまずは確認してみます。
保険とは「万が一の事態(災害や病気、事故)に対して経済的に備える仕組み」です。
構造的には参加者全員で経済的に分担することにより、小さな負担で大きな保障を実現します。
確率的には小さいが、起きた時の経済的ダメージが大きいもの に向いています。
保険には収支相等の原則というのがあり、保険料の収入と支払保険料は等しくなるように計算されています。 (その他として事業経費や運用益あり) そもそも貯蓄のように蓄積や利益を狙うものではありません。
家族の誰かに「万が一のこと」があった場合、それが原因で起こる経済的損失、必要経費に対し、経済的な補てんをする。あくまで経済的な側面がその趣旨です。
つまり経済的合理性としては「専業主婦の奥さんに保険を掛ける意味は殆どない」ことになります。
専業主婦の奥さんが病気やけがをしても、家族としての収入はご主人が働いている限り、変わりはないはずですから‥
ここが保険を考える時のポイントのひとつです。
■1.「感情的損失」、「経済的影響」 を切り離して考える
保険会社いわく・・ 「何かあった時の備えは必要ですよね?」 「何かあったら大変ですよね?」
→ここで言う「大変」なのは何でしょうか? 経済的な影響でしょうか? それとも感情的な部分? 日々の暮らしの不都合?
普通は 家族がケガをしたら大変! 病気になったら大変! と考えてしまいますが、感情論を切り離して経済的な影響度合いに絞って考えることが重要です。
例えば、子供が病気になったら大変ですが、それは悲しい、かわいそう、という感情的損失であって、冷静に考えれば経済的な損失は大きくはないはずです。(無論、療養費は掛かりますが、それは後述)
経済的な問題と感情的問題を一緒にすることで話が混同し、結果として保険を掛け過ぎてしまいます。
また、時系列で考えることも重要です。(前回のライフイベント表ですね)
子供が小さく、生活費負担の多い時期は保険が重要ですが、子供が大きくなれば、保険金は小さくても問題ないはずです。
■2.「正しい必要経費」を把握する
感情論を切り離したとしても、あるいは収入には大きな変化が無いとしても、
「がんなどの病気になった時は医療費負担が大きいんじゃないの?」
「誰かががもし病気で長期療養生活になったらどうすんの?」
という疑問があると思います。
長期療養時の必要経費を正しく理解する必要があります。
実は日本には高額療養費制度というとてもありがたい制度があります。
所得に応じて一定額以上の負担が生じた時には、健康保険より後で補填される制度です。
高額療養費制度:…所得ランク 「一般」 の場合
自己負担限度額=『80,100円 + (医療費-267,000円)×1%』 です。
例えばがんに罹って月の総医療費が100万円掛かったとします(自己負担は3割なので30万円の支払い)
80,100円+733,000円×1% =87,430円となります。
当初の自己負担が30万円ですから差額の212,570円は後で還付されて、最終的な負担は87,430円になります。
1年間としても約100万円程度です。 がんに掛かったとしても月額9万円程度! なんです。
どうです?? 少し貯金があればなんとかなる金額ではないでしょうか?
入院に関しても調べてみましょう。
そもそも厚労省によれば、平均入院日数は下がり続け、約30日に過ぎません。 70歳以上の平均でも約40日です。
無論平均以上の入院日数になる場合もあるでしょうが、在宅医療が中心になる中、その可能性は高くはありません。
1日当たりの入院費の平均額も見てみます。 差額ベッド代にもよりますが、15,000円前後のようです。
であれば医療保険を検討するなら5,000~1万円/日 程度の補填で十分では??
無論入院費も高額療養費制度の対象です。
病気にしても怪我にしても、一時的なものであれば少し貯金があれば凌げそうなことは理解頂けるんではないでしょうか?
(一時的ではない長期の無収入状態は深刻な事態ですが、生活保護など保険以外の論議になりそうです)
■3.保険と貯蓄を分離して考える
もう一度、前回のわたしの保険を見てみましょう。
全体の主契約は②の積立ファンド部分でした。 ここでチェックすべきは「基準金利1.5%」という所です。
貯蓄としてみた場合にこの基準金利が高いのか、低いのかが重要です。
保険だけだと掛け捨てが基本なので、なんだかもったいない気がしますが、「貯金にもなりますよ~」という言葉を聞くととても魅力的に感じてしまいます。
その上 「定期よりお得ですよ~」 と言われると、保険+貯蓄かぁ〜、それならお得じゃん! と思ってしまいます。
ここで大事なのは保険部分と貯蓄部分とを分けて、それぞれで評価することです。
特に貯蓄部分は初期コストが引かれたり、維持費が掛かったりと基準金利以外のコストのチェックも重要です。
終身型年金の話でも書きましたが、初期コストを引いた実質金利で比較をする必要があります。
わたしの保険の例で言えば、1.5%での運用に自信がなければ「お得」と評価できますし、それを上回る運用益を期待できるのなら保険に依存する必要はありません。
ちゃんと探せば、もう少し期待利回りの高い商品は色々あります。
わたしの401Kは約10年で年率約5.6%の実績です。(バランス型投資信託が中心)
残念ながら、保険における貯蓄部分とは 金融商品を知らない無知につけ込んだもの と言えます。 (´Д` )
う~ん‥ 50歳を過ぎてから気が付くなんてちょっと遅すぎました‥ orz
保険のお話、次回も続きます。
思えばひどい保険の掛け方をしていたもんです・・・
どうしてわたしたちは保険をついつい掛け過ぎてしまうんでしょうか??
そもそも保険とは何なのか? 保険の本質をまずは確認してみます。
保険とは「万が一の事態(災害や病気、事故)に対して経済的に備える仕組み」です。
構造的には参加者全員で経済的に分担することにより、小さな負担で大きな保障を実現します。
確率的には小さいが、起きた時の経済的ダメージが大きいもの に向いています。
保険には収支相等の原則というのがあり、保険料の収入と支払保険料は等しくなるように計算されています。 (その他として事業経費や運用益あり) そもそも貯蓄のように蓄積や利益を狙うものではありません。
家族の誰かに「万が一のこと」があった場合、それが原因で起こる経済的損失、必要経費に対し、経済的な補てんをする。あくまで経済的な側面がその趣旨です。
つまり経済的合理性としては「専業主婦の奥さんに保険を掛ける意味は殆どない」ことになります。
専業主婦の奥さんが病気やけがをしても、家族としての収入はご主人が働いている限り、変わりはないはずですから‥
ここが保険を考える時のポイントのひとつです。
■1.「感情的損失」、「経済的影響」 を切り離して考える
保険会社いわく・・ 「何かあった時の備えは必要ですよね?」 「何かあったら大変ですよね?」
→ここで言う「大変」なのは何でしょうか? 経済的な影響でしょうか? それとも感情的な部分? 日々の暮らしの不都合?
普通は 家族がケガをしたら大変! 病気になったら大変! と考えてしまいますが、感情論を切り離して経済的な影響度合いに絞って考えることが重要です。
例えば、子供が病気になったら大変ですが、それは悲しい、かわいそう、という感情的損失であって、冷静に考えれば経済的な損失は大きくはないはずです。(無論、療養費は掛かりますが、それは後述)
経済的な問題と感情的問題を一緒にすることで話が混同し、結果として保険を掛け過ぎてしまいます。
また、時系列で考えることも重要です。(前回のライフイベント表ですね)
子供が小さく、生活費負担の多い時期は保険が重要ですが、子供が大きくなれば、保険金は小さくても問題ないはずです。
■2.「正しい必要経費」を把握する
感情論を切り離したとしても、あるいは収入には大きな変化が無いとしても、
「がんなどの病気になった時は医療費負担が大きいんじゃないの?」
「誰かががもし病気で長期療養生活になったらどうすんの?」
という疑問があると思います。
長期療養時の必要経費を正しく理解する必要があります。
実は日本には高額療養費制度というとてもありがたい制度があります。
所得に応じて一定額以上の負担が生じた時には、健康保険より後で補填される制度です。
高額療養費制度:…所得ランク 「一般」 の場合
自己負担限度額=『80,100円 + (医療費-267,000円)×1%』 です。
例えばがんに罹って月の総医療費が100万円掛かったとします(自己負担は3割なので30万円の支払い)
80,100円+733,000円×1% =87,430円となります。
当初の自己負担が30万円ですから差額の212,570円は後で還付されて、最終的な負担は87,430円になります。
1年間としても約100万円程度です。 がんに掛かったとしても月額9万円程度! なんです。
どうです?? 少し貯金があればなんとかなる金額ではないでしょうか?
入院に関しても調べてみましょう。
そもそも厚労省によれば、平均入院日数は下がり続け、約30日に過ぎません。 70歳以上の平均でも約40日です。
無論平均以上の入院日数になる場合もあるでしょうが、在宅医療が中心になる中、その可能性は高くはありません。
1日当たりの入院費の平均額も見てみます。 差額ベッド代にもよりますが、15,000円前後のようです。
であれば医療保険を検討するなら5,000~1万円/日 程度の補填で十分では??
無論入院費も高額療養費制度の対象です。
病気にしても怪我にしても、一時的なものであれば少し貯金があれば凌げそうなことは理解頂けるんではないでしょうか?
(一時的ではない長期の無収入状態は深刻な事態ですが、生活保護など保険以外の論議になりそうです)
■3.保険と貯蓄を分離して考える
もう一度、前回のわたしの保険を見てみましょう。
全体の主契約は②の積立ファンド部分でした。 ここでチェックすべきは「基準金利1.5%」という所です。
貯蓄としてみた場合にこの基準金利が高いのか、低いのかが重要です。
保険だけだと掛け捨てが基本なので、なんだかもったいない気がしますが、「貯金にもなりますよ~」という言葉を聞くととても魅力的に感じてしまいます。
その上 「定期よりお得ですよ~」 と言われると、保険+貯蓄かぁ〜、それならお得じゃん! と思ってしまいます。
ここで大事なのは保険部分と貯蓄部分とを分けて、それぞれで評価することです。
特に貯蓄部分は初期コストが引かれたり、維持費が掛かったりと基準金利以外のコストのチェックも重要です。
終身型年金の話でも書きましたが、初期コストを引いた実質金利で比較をする必要があります。
わたしの保険の例で言えば、1.5%での運用に自信がなければ「お得」と評価できますし、それを上回る運用益を期待できるのなら保険に依存する必要はありません。
ちゃんと探せば、もう少し期待利回りの高い商品は色々あります。
わたしの401Kは約10年で年率約5.6%の実績です。(バランス型投資信託が中心)
残念ながら、保険における貯蓄部分とは 金融商品を知らない無知につけ込んだもの と言えます。 (´Д` )
う~ん‥ 50歳を過ぎてから気が付くなんてちょっと遅すぎました‥ orz
保険のお話、次回も続きます。