となりの懐具合をのぞいて見る。 貯蓄と資産運用の実態は?

Feb 29, 2020

人生はわくわくとドキドキで出来ている! サラリーマン上がりの運用相談専門FPやんつです。
社会人としてお金のことを勉強したいあなたと、アクティブシニアになりたいあなたへ・・

今回は世の中の貯蓄事情と資産運用の実際はどうなのかをテーマに、2019年11月に発表された金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」を見てみたいと思います。

はてさて、皆さんの懐具合はどうなんでしょう?

■ 金融資産

調査は「二人以上世帯」と「単身者」に分かれており、預貯金、保険、有価証券、その他金融商品の保有状況や借入状況を調べたものです。事業用や家計用の手元生活費は除くとしており、正に「貯蓄」の実態調査ですね。

今回はファミリーの実態ということで「二人以上世帯」を中心にみたいと思います。

2019金融資産分布
(有効回答分のみを著者集計)

まず目につくのは資産0、つまり貯蓄無しがなんと最多でその率25.9%
四軒に一軒が貯蓄ゼロです…。

生活は大丈夫何だろうか、余計な心配をしたくなります。

ひょっとして貯蓄ゼロ世帯は増えているのか? 格差は広がっているのか?
過去のデータも調べてみました。

実は2013~2017年ではこの数字は30%を超えていました。つまり3世帯に1件の貯蓄ゼロ世帯は4世帯に1件へと改善しているのです。
堅実に貯蓄を始めている様子が伺えます。ほっ。

次に、全体としてとても左寄りの分布図になっています。
貯蓄が少ない人が大勢で、多い人は少数派です。

貯蓄の全体平均は1139万円、中央値は419万円です。

中央値とはデータを小さい順に並べ、その真ん中のデータの値です。
100人の調査では51番目の人の値になります。上位のお金持ちな人のデータにより平均値では実態を把握しにくい場合に使われます。

つまり世の中の半分の世帯の貯蓄は419万円より少ないってこと。

平均値も中央値も前年より少なく、微妙に貯蓄は減っています。
貯めるのはなかなか難しいのか?

傾向をみるため中央値の推移を見てみました。
2015年から 400万円⇒400⇒380⇒500⇒419と結構上下しています。

有価証券はどうしても相場による価格変動があるので、預貯金部分だけをみてみます。

平均預貯金額の推移は
2015年から 643万円⇒596⇒623⇒517⇒487 と5年間でなんと24.3%もダウンです。
大きく減らしています。原因は何でしょう?

調査では、貯蓄が前年に比べて増えたのか減ったのかも聞いています。
「増えた人% ー 減った人%」の差分に注目すると、

2015年から +3.9⇒-9.4⇒+4.2⇒-6.2-6.8ポイントと推移しており、うち3年が大きくマイナスで、やはり貯蓄は減ったようです。

保有資産別に資産の増減をみてみると、なんと減った人は資産500万円までの人に集中しています。

500万円以上では、
資産: 500~750万  +0.5
資産: 750~1000万  +12.9
資産:1000~1200万 +19.1
資産:1200~    +34.9
全てプラス。貯蓄を増やしてます。

つまり貯蓄の多い人ほど(稼ぎの多い人?)は順調に増やしており、元々少ない人は(稼ぎも少ないため?)生活費で取り崩すために一向に増えない。

こんな現実が透けて見えてきそうです。

みんなが羨む「億り人」は1%未満。100世帯に一件。

1億円は厳しくても、ひと頃話題になった2000万円は目標にしたいもの。
既にこの安全圏に到達している方が17%。
調査には若年層も含んでいますので、今はまだ2000万円はなくても頑張って達成して欲しいものです。

年齢別に見てみると30代~50代は増えた理由として、収入増と貯蓄割合増をあげています。
この世代は給与も上がっていく世代。生活費もかさむでしょうがせっせと貯金しているんですね。

減らした理由としては生活費の取り崩し以外では
・教育費用、結婚費用
・旅行、レジャー
が上位です。子育て世代では貯蓄が難しいことが分かります。

グラフは「二人以上世帯」ですが、別に「単身者」調査もみてみました。
貯蓄の平均額は645万円、中央値は45万円でした。

半分が貯蓄45万円以下! これがひとり暮らしの実態…。

■ 投資活動

貯蓄の中身についてもみてみましょう。

長期的には「収益性を重視する」が増加傾向にありますが、元本割れのリスクもある金融商品の保有について
「保有しようとは全く思わない」が前年よりは下がったものの78.9%と依然として高い。うーん、残念。

先日、知人との会食で
「10年で資産が1.5倍になる堅実な貯金法があるのに、誰も知らない」と言ったら
「ほんとかぁ~??」という反応。

「ホントだってば!」

なかなか信用してもらえません。インデックスの積立という堅実な手法があるのに知られていません。

2019金融資産構成比

預貯金が依然として多いものの42.7%。2016年比で12.6%ダウン。
おおっ!投資マインドの前進か?

あれれ…、その間に保険が8.4%も伸びている!?
投資マインドといっても保険に流れているようです。がっくり。

保険は貯蓄には向かないんですが…。
高齢者でも入れる保険のせいでしょうか?

補足によると、NISA保有率は9%(うち一般NISAは7.2%)
若者向けの積立NISAも始まってます。普及率20~30%は欲しいところ。
道は遠い…。

1年を振り返り、思ったより家計は苦しかったと答えた世帯が前年の42.9%から46.9%と増加。
ゆとりを持てた、又はまずますだったは、31.6%から30.5%と減少。日々の暮らしぶりは残念ながら苦しいようです。

老後についての不安については、「非常に心配」+「多少心配」 合わせて81.2%。みなさん心配しています。

一方、「それほど心配していない」は18.3%。

不安な理由としては
・年金や保険が十分ではない
・十分な金融資産がない
をあげています。

結局、稼ぐ力や資産運用力を付けるしかなさそう。

皆さん、老後が不安とか、貯蓄ができないとか言いますがその割には勉強不足・実践不足だなあとも感じます。

あるいは勉強ばかりして実践しない人。
あるいは一攫千金ばかり夢見る人。

老後の心配ばかりするのも如何なものかと思いますが、自身のポートフォリオをしっかりと持ち、堅実に増やしていく。
これが大事。一攫千金は堅実貯蓄を習得してからで十分。

お金の不安を解消し、未来を楽しみにして欲しいものです。
お金に働いてもらえば、人生二馬力、三馬力!

今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございます。

金融常識に異論あり! 高齢者のポートフォリオは保守的にするべきか?

Jan 31, 2020

人生はわくわくとドキドキで出来ている! サラリーマン上がりの運用相談専門FPやんつです。
社会人としてお金のことを勉強したいあなたと、アクティブシニアになりたいあなたへ・・

運用相談を実際にやっていると、従来の金融常識に疑問を感じるケースに多々遭遇します。

ポートフォリオの組み方(金融商品構成)としてよく言われることに
・若者は時間にゆとりがあるので、多少リスクを取っても高いリターンが望める株式比率を高めにするのが適している
・高齢者の場合は大切な老後資金なので、減らすのは避けたい。リスクを押さえて債権の比率が高めな保守的なポートフォリオにする。

という常識がありますが、本当かなあと思います。

ポートフォリオとは各種金融商品の組み合わせのことで、相談者に合わせた最適ポートフォリオの構築は重要な業務です。

構成する商品分類には色々な分け方がありますが、国内株式、先進国株式、新興国株式、国内債権、先進国債権、REIT(不動産投資信託)などに分けるのが一般的。

投資信託にはターゲットイヤーファンドというものもあり、年齢と共にポートフォリオを自動的に変えてくれます。

例えば
30代→株式 60%、債権 20%、REIT 20%
50代→株式 40%、債権 40%、REIT 20%
60代→株式 20%、債権 70%、REIT 10%
というように購入者の年齢に合わせ株式比率を下げ、債権比率を上げていく仕組みになっています。

ところが現場感覚としては、高齢者=保守的という見方に疑問を感じるのです。

(1)リスクを抑えるための債権購入は正しいか

過去の資産クラス別リスクリターンを見ると債権のリスクが低いのはその通りですが、実践経験からいくつか疑念があります。

今の時代に債権の優位性があるのか?

リーマンショック以降、世界的な低金利状態となり利回りが低下しています。計算してみるとリスクは低いのですが、リターンが低すぎるのです。
現時点では債権を購入する必然性があまり感じられません。

50年、100年といった長期間の統計では債権の有効性は証明されていますが、リーマンショック以降に限ってみると優位性が見当たらないのです。

相談者には
「債権を組み入れるのは金利情勢が変化してからで十分。現時点ではポートフォリオに入れる意味はないのでは。」と説明しています。

・株式と逆相関といわれているが本当か?

債権は株式と異なる値動きをするためにリスク打消し効果が高く、資産に組み入れるのは効果的と説明されています。

ところが実際に保有しているとそうでもなさそうなのです。

程度の大小はありますが、リスクオフ(相場弱気)の状況で株式が下がると債権も下がるケースがあります。逆にリスクオンになると共に値を戻したりする訳です。

これは昔に比べて金融市場の流動性が高くなっているためにリスクオフになると、株式も債権も市場から一斉に資金が逃げ出す。リスクオンにになると、急に戻ってくる。ということだと感じます。

リスクを下げるために債権保有の意味があるとされてきていたわけですが、ドルコスト平均法の積立というリスク低減策があり、これで十分ではないかというのが、わたしの考えです。

リーマンショック時にインデックスの積立で元本割れの時期が3~4年続いたこともありますが、逆にいえば3~4年辛抱すれば、リーマンショック級のリセッションにも耐えられるという訳です。

(2)ポートフォリオの組成要因に年齢が最重要か

年代別ポートフォリオの勘違い

年金暮らしで他に収入の手立てがない高齢者にとって、貯金が大事なのは言うまでもありませんが、その程度は人様々です。

 ①貯金を取り崩して生活費に充当せざるを得ない人
 ②貯金に手を付けなくても、年金の範囲で生活を賄える人

①、②の人を一括りにはできないのです。

昨年金融庁のレポートを端に発し、老後資金が年金以外で2000万円必要と言われて大騒ぎになりましたが、実際には多くの方はこれを超える貯金を持っています。
(厚生年金対象者の場合)

しかも皆さん、年金の範囲内で生活費を押さえ、実につつましやかな暮らしぶりです。
いざという時のため(?)多くは貯金には手を付けないのです。

つまり貯金を当面取り崩す予定が無いなら、ある程度のリスクは取れるのです。
人生100年時代、60代でも10年程度の運用期間は十分にあります。

であれば、株式中心のポートフォリオでもインデックスの積立であればさほど問題はない理屈です。
(無論、介護・医療費などの急な資金需要は考えられます)

相談の現場では運用方針を決める重要変数は
 ・資産状況(含む収支状況)
 ・運用スキル
というのが実態です。

生活が安定していれば、多少のリスクには耐えられます。
運用スキルがあれば価格変動に動じることもありません。

実際に資産クラスを検討する際は期待収益率、ワークリターンバランス、リスク許容度を考慮して決めていきます。

期待収益率 →目標とする利回り。相談者の性格、ライフイベントにより異なります

ワークリターンバランス →高利回りを目指す場合は、それなりの勉強や作業が必要です。 勤務状況や子育て状況など投資活動に時間が割けるのか、割くつもりがあるかが重要

・リスク許容度 →損失発生に対する耐性。経験とスキルによって変わっていきます

尊敬する山崎元さんは、「改訂版 超簡単お金の運用術」の中で、ポートフォリオは国内株式50%、海外株式50%でいいんじゃね説を唱えています。納得できる話です。

単純に高齢者のポートフォリオは一律に保守的にすればいいという訳ではないのです。
上記の重要変数の方がよほど大事です。

「高齢者の大切な老後資金はリスクを減らし保守的なポートフォリオにする」というのは、高齢者はみんなお金の不安を抱えていて守備的だという決めつけで実に失礼な話です。
教科書的ではありますが、現実はそんなに単純ではないのです。

年齢よりも個々人に合わせたポートフォリオが必要です。

今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございます。
本記事は個人の見解であることをお断りしておきますが、異論反論は大歓迎です。
ご連絡お待ちしています。

amazonで書籍を出版いたしました! 「ほったらかし投資術の甘い罠」

Sep 1, 2017

人生はわくわくとドキドキで、できている! 個人投資家やんつです。
社会人としてお金のことを勉強したいあなたと、アクティブシニアになりたいあなたへ・・

今回はわたしの書籍出版のお知らせです。

「ほったらかし投資術の甘い罠」 ー都内の区分マンション投資の正体-
ほったらかし投資術の甘い罠

定期預金の金利の低さを嘆く方は多いのですが、そんな人ほど金融機関の勧めで安易に投資信託などを買ってしまいます。

 手数料の安いインデックスやETFという商品をしらないまま…
 特別分配と普通分配の区別も知らないまま…

無論、投資信託という商品自体が悪いわけではありません。
ただ、金融庁が市場で販売されている投資信託約5400本を査定したところ、合格したのはわずか1%だったというのも事実。99%の、金融庁が顧客のためにならないと判断する商品が溢れているのです。

というと難しそうですが、実は簡単で手間のかからない3~5%の利回りを得られる「投資の王道」があります。インデックスの積立投資で「ほったらかし投資術」は可能なのです。

40歳から60歳まで20年間、「投資の王道」でコツコツ積み立てて年利5%で運用することができれば、積立額は約3.3倍になります。わたしの確定拠出年金は12年間で1.5倍になりました。リーマンショックという期間を含んで、です。
目先の価格の上下に目を奪われずじっと辛抱するだけでこれだけの差がつくのです。

無論、10~20%の高い利回りを得られる手法ではありませんが、リスクを取ってハイリターンを狙う場合でも、この基本を知っておくことは重要です。誰にでもできる投資の基準としての「ほったらかし投資術」を知っていれば、その標準的リスク・リターンと、購入を検討している商品のリスク・リターンの大小比較が可能になります。

お金の専門家のファイナンシャルプランナー(FP)の方にも啓蒙されている方は多いのですが、まだまだ浸透しているとは言えないよう。

今まで400人以上の投資家の方々とお会いしましたが、不動産投資を目指す方で賃貸業の損益とキャッシュフローの違いを知らない人が多いことにも憂えています。

多くの方は購入後、当初の想定よりキャッシュが残らないことに気が付きます。
・事前の計算ができていない
・ローン完済時の30年後の不動産価値を計算できていない
のです。インカムゲインだけに目を奪われ、儲かっていると勘違いしている人も多い。

30年間のローンというリスクを取りながら、リターンはインデックスの積立投資という「ほったらかし投資術」にも及ばないというケースが多いのです。

金融投資を検討する人も、不動産投資家でも、この基本を知ったうえで高い利回りを目指すのは大いに結構です。(わたしも個別株や不動産投資も実践しています)

書籍では
 ・都内の区分マンション投資 (不動産投資)
 ・インデックスの積み立て投資(金融投資)
という種類の異なるものを取り上げ、その違いと罠を解説しました。

不動産投資をメインに取り上げていますが、不動産に興味のない方にでもインカムゲインとキャピタルゲインの考え方を学べるように工夫したつもりです。
手法は違っても、投資の考え方は金融投資でも同じです。インデックスの積み立て投資の入門書としても読んでいただけるように書きました。

資産形成として不動産投資を検討する前に…、
老後の自分年金作りに金融商品の購入を検討する前に…、
本書で、まずは「投資の王道」を身に付けて欲しいと思います。

amazon特有のプリントオンデマンド(POD)という受注生産型の書籍で、紙版とKindle版があります

・紙版は    ⇒こちら
・Kindle版は⇒こちら

115頁というコンパクトなものですが、初心者にも分かりやすく書いたつもりです。

会社や政府の年金に頼れない、自己防衛の時代。
そろそろ「投資はギャンブル」とか「お金儲けは悪」といった色眼鏡は外す時期ではないでしょうか。
豊かな人生のためにも、お金にも働いてもらおうではありませんか。

高い利回りを目指すベテラン投資家にも、
投資のことは分からないという初心者の方にも、
お読みいただけると嬉しいです。

管理人プロフィール

やんつ写真

やんつ(山本 常勝)

合同会社モンテリーブロ 代表
資産形成、資産運用専門FP
Webディレクター

こんな方は入室をお断りしています。
・楽をして一攫千金を狙う人
・受身で自己研鑽意欲のない人
・節約志向で年金だけの老後を送ろうとしている人。

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