J-REITで本当に潤うことはできるのか? (2)

Dec 20, 2015

こんにちは!50代であわててお金の勉強中の、不動産投資家やんつです。
社会人としてお金のことを勉強したいあなたと、アクティブシニアになりたいあなたへ・・

前回は、マネー誌の特集「J-REITで潤う方法!」の検証をしてみました。
REITの特徴を確認するために、NAV倍率の低いものについて価格の変動の度合い示すボラティリティを調べようとして見当たらないところまででした。

20151220ビル街_REIT
NAV倍率や分配利回りなどはありますが、標準偏差などのボラティリティ情報が見当たりません・・・
安定的な分配利回りがあったとしても元本の変動幅が分からなければ、正しい評価がしにくいです。

これは困った・・・
何か代わりになる指標は無いんでしょうか?

あちこち見てたら楽天証券のスーパーサーチで、ベータ値の記載がありました!
ベータ値(β)とは、市場(マーケット)との連動性を示すリスク指標です。
商品の変動の大きさがベンチマーク(市場平均)の価格変動に比べて大きいか小さいかを示す指標です。

一般にベータ値が1であれば市場平均と同じ値動きをすることを示し、
1より大きければ市場平均より値動きが大きいことを示します。

標準偏差が絶対的な変動幅を示すのに対し、ベータ値は元々動きのある市場平均からの変動幅を示します。
ボラティリティに関する指標であることは間違いありません。
かなり手掛かりにはなりそうです。

TOPIXに対するベータ値を見てみました。(過去2年間に対する数値)

(証券CD)
8957 東急リアル・エステート投資法人 0.31
8958 グローバル・ワン不動産投資法人 0.3
8966 平和不動産リート投資法人    0.31
8982 トップリート投資法人      0.32

なんと!どれもかなり小さい値です。値動きが小さく安定的であることが分かります。
TOPIXの2013~2014年はアベノミクスで一本調子で上げた時期です。
そのTOPIXに約1/3の変動幅とはどんなものでしょう。

ここで、各銘柄の10年分のチャートを見てみました。

多少銘柄により変動の幅は違いますが、長期的にはかなり似通っています。
2007年中まではREITブームに乗って大幅に上げ、その後バブル崩壊のように一挙に下げ、
リーマン以降に底を打った後、ここ数年は横ばいか緩やかな上昇です。

さて、REITについてまとめてみます。
(あくまで個人的見解です。ご購入は自己責任でお願いいたします)

『個別REIT商品特性』
・3~4%の安定的な分配を狙う商品
・特に日本では大きな成長性は見込みにくい
・市況変動の影響は軽微

この特性から、大型安定株と比較されるような気がします。
安定的な分配狙いの場合、どちらがいいんでしょうか?

『個別REITのメリット』
・分配率は安定していて、配当よりは高い
・ボラティリティが低く、一定の分散効果が期待できる。
・バブル時期を過ぎ、大きな下落は考えにくい(と思われる)

『個別REITのデメリット』
・成長性はに疑問が残る。大化けは期待できず妙味に欠ける。
・株式市場に分類されているが、商品特性が分かりにくい
・2007年以降の下げの印象が強く、イメージに難がある

大化けは出来そうもありませんが、その債権的側面については評価できそうな気がします。

従来は債権と株式で分散投資をするというのが常識でした。
ただ歴史的低金利の今、債権の金利があまりにも低く投資の意味が薄いといわれています。
また過剰流動性のなか、株式も債権も同じ方向に動くことが多く、分散投資にならなくなっています。
その意味ではポスト債権として面白い存在かもしれません。

株のような大化けが期待できない部分、敬遠されているのかもしれません。
ただ、わたしは債権の代替としての可能性を感じます。
少し、購入してみようと思います。

ここでご注意・・・

一見名前が似ている
投資信託REITは、だいぶ様相が異なります。

・拡販のために高い月次分配をしている
・その分配金を実現するために元本を取り崩している

こんな特徴があります。
くわばらくわばら・・・

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
少しでも参考になれば嬉しいです。

資産運用実践記。REITは買うべきか買わざるべきか?(2)

Nov 20, 2015

こんにちは!50代であわててお金の勉強中の、不動産投資家やんつです。
社会人としてお金のことを勉強したいあなたと、アクティブシニアになりたいあなたへ・・

前回は新光J-REITオープンを解約する経緯をお話しました。
では代わりになる良いREIT(不動産投資信託)にはどんなものがあるんでしょうか?

基本方針として、日本の不動産市況についてやや悲観的なことからできるだけ海外REITで、
且つ資産残高がある程度の規模のものを選ぶことにします。

と言っても、わたしがメインにしている楽天証券では海外REITだけでも102本があります。
どうやって選べばいいんでしょうか??

いろいろ考えて、次の3指標を選択基準としました。
1)3年騰落率の上位
2)シャープレシオの上位
3)2014ファンド・オブ・ザ・イヤー REITの部

1)は3年間でどれだけ値上がりしたか、という指標です。

REITは不動産に投資する投資信託ですから、不動産が生み出す安定的な収益を
リターンとして獲得するという意味からは値上がり期待を指標とするのは
相応しくない気もしますが、安定的収益があれば人気も出る(値上がりする)だろう
ということで指標にしました。

下がるより上がるものを選びたいですもんね!
(過去の実績の通りこれからも上がるとは限りませんが・・・)

2)シャープレシオとはリスク1単位あたりのリターンを示した指標です。

資本資産評価モデル(CAPM)の創始者であるウイリアム・シャープ博士が考案したもので、
同じリスクレベルでどの程度の超過リターンの違いがあるかをみるものです。

リスク対効果とでも言うべき指標。
数字が大きいほど、「リスクの割にリターンが大きい」、「効率よくリターンを上げている」、
「運用成績が優れている」といえます。

シャープレシオ = (ファンドの平均リターン-無リスク資産利子率)÷標準偏差

これだけ聞くと、
すんごい! 良い指標があるじゃん!
ということなんですが・・・

・商品カテゴリーが変われば前提も変る(同一カテゴリ内で比較)
・過去の成績を基にした数字で、将来の保証ではない

未来は誰にも分かりません。
妄信は出来ませんが、まずは判断材料にします。
ここでは3年間の上位を採りました。

3)金融情報サービスの老舗、モーニングスターさんの
ファンド・オブ・ザ・イヤー REITの部です。
良心的な情報提供サイトでの評価を信頼しました。

これら1)~3)での上位ファンドの普通分配率を比較したのがこちら。
(重複分は除く。上位3~5本)

REIT分配率比較841

新光J-REITオープンの分を調べたときもそうでしたが、
各1年分しか情報入手できませんでした。
(どこかにArchiveがあるのかもしれませんが・・・)

結局、情報入手できなかったものが1本。
2015年開始で1年分の実績が無かったものが2本。

普通分配率はなるべく100%がいいんですが、
1年間の100%達成のものは無し。半年間のみ達成がわずか1本!

これは酷い! 調べて、びっくりです。
なぜこんなことが起きるんでしょうか?

ひとつには、高い分配率があると思います。
この低金利時代にどれも高い年利分配です。

この中では分配率の低いノムラ日米REITファンドでも普通分配率は50%超えた程度。
かなり低い分配に抑えないと100%達成は難しそう。
今の、低リターン時代には仕方ないでしょう。

利益は出なくでも、売るために高い分配金を維持する。
結果、元本を取り崩すことになる。
そんな構図が見えてきます。

3~4%の利回りで安定的に分配する、でいいと思うんですが。
無理して分配金を維持するのが今のREITの実態なら、
買う意味はあまりないのかもしれません。

当初、ポートフォリオバランスを考えてREITも購入していましたが、
この結果を見て考えが変わりました。
この分配率ならREITを購入する意味はないでしょう。
REITの購入は止めて別の商品にします。

最後に・・・目論見書にREITの考え方の記載がありました。
「小口の資金で不動産投資と同様の経済効果が得られます。
タイプの異なる複数の不動産に分散投資したのと同じような効果です。」

不動産投資を実践している立場から言わせてもらえれば、
これは全くのデタラメです。

REITは、あくまで投資対象が不動産というだけで、実物不動産の所有権と結びつく訳でもなく、
どちらかというと投資信託のような金融商品です。
不動産投資との類似性はほぼありません。

不動産投資の入門書で、「不動産投資のハードルが高いと思う人はREITから始めると良い」
といった表現を見る場合がありますが、的外れです。
REITは不動産投資の勉強には全くなりません。別物と認識しましょう。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

資産運用実践記。REITは買うべきか買わざるべきか?(1)

Nov 16, 2015

こんにちは!50代であわててお金の勉強中の、不動産投資家やんつです。
社会人としてお金のことを勉強したいあなたと、アクティブシニアになりたいあなたへ・・

以前、ひと様のお金を一任勘定で任されて、買った商品があります。
 ⇒(資産運用実践記)

・日本国債(変動10年)
・ニッセイ外国株式インデックスファンド
・eMAXIS 新興国株式インデックス
・SMT グローバル債権インデックス・オープン
・世界経済インデックス
・新光J-REITオープン   
です。

この6商品を保有していますが、(自分自身の保有商品とは異なります)
今年の8月以降の中国金融不安でかなり軟調です。
年初来でいうとややマイナスという残念な結果。(>_<)
もともと元本保証でなく、上下動することは仕方ないんですが・・・

中でも新光J-REITオープンの値動きが不調のため、REIT部分を見直してみることにしました。
まず保有商品である「新光J-REITオープン」の再評価です。

分配型投資信託の評価には本来の利益による分配のウエイトを見る、
健全性ともいうべき指標である普通分配率が大事です。
 ⇒毎月分配型投信の事実(1)

普通分配率=普通分配金/(普通分配金+特別分配金)
100%が健全で、望ましい姿です。

では新光J-REITオープンの普通分配率を見てみましょう。
金融情報サービスの老舗 「モーニングスター」 で運用報告書を入手します。

報告書の記載内容は

・運用実績(2.5年、30期分)
・基準価格推移(運用経過)
・投資環境
・ポートフォリオについて
・ベンチマークとの比較
・分配金実績(内訳有り!)
・経費明細 (コスト内訳)
・取引明細
・資産構成明細(ファンド明細)
・ファンドの財務状況(B/S、P/L)、その他・・・

正直、読みやすいものとは決して言えません。
このうちの分配金実績の部分に普通分配金と特別分配金の内訳があります。
知らないと読み落としてしまいそうです・・・

しかも、いやなことにこの運用報告書は半年単位。
長期間の数字が拾えません!

本来なら投資判断のためには最低でも3年程度の推移を見て評価したいんですが、
ネットで見つけられたのはたった1年分・・・

うぉら~! 隠してんじゃねえかあ!?
(何かいい方法があったらどなたか教えてくださ~い)

で、これが新光J-REITオープンの普通分配率実績。

新光J-REIT


なんと直近では18.7%!
その前の半年では13.1%!

ほとんどが元本部分からの分配です!
見事なまでのタコ足配当。これはいけません・・・

問題はどの位の期間こんなことを続けているのかですが、情報が見当たりません。
ただ、どうもごく最近からというわけではなさそう・・・。

運用報告書は運用結果に関する開示情報ですが、
投資信託の購入時には別の目論見書(もくろみしょ)というものを参考にします。
投資判断に必要な重要事項を説明をした書類で、購入時には必読です。

ただ、こちらも読みにくい。どうにも不親切です。
購入者へ判断材料を提供しようとしているとは思えません。
むしろ、詳細情報は出したくないけど義務だから仕方なく出すよ感、満載ですww。

実践者の感想としては、
金融商品は購入者と売り手の情報格差がとても激しい商品だと感じます。
売れ筋商品と商品価値がこれだけ乖離しているマーケットは珍しい。
金融機関の販売力や信頼感だけで、売れ行きが決まっています。
それだけ、商品価値の判断が難しいということでもあります。
(継続的な啓蒙が必要だと思う所以)

いずれにせよ、
新光J-REITオープンは乗り換えたほうが良さそうです。
もう少し様子を見るという選択肢もあるのかもしれませんが、やはり分配率は納得できません。

さて、買い換えるとして他にはどんなリートがあるんでしょうか?
REIT分野の投資検証としてはなるべくこの分野の商品を選びたいです。

ということで、次回は海外を含めた他のREITを検討してみます。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
参考になれば嬉しいです。

管理人プロフィール

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やんつ(山本 常勝)

合同会社モンテリーブロ 代表
資産形成、資産運用専門FP
Webディレクター

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