新競争時代、あなたを非正規に追いやる犯人は誰だ!?(2)

Aug 28, 2015

こんにちは!50代であわててお金の勉強中の、不動産投資家やんつです。
社会人としてお金のことを勉強したいあなたと、アクティブシニアになりたいあなたへ・・

今回も前回に続き、あなたと正規雇用(正社員)の座を巡って争う目に見えないタフなライバルのお話。
 

■対 海外労働者


二人目のライバルは特に新興国を中心に存在する海外労働者です。
隣にいるわけではありませんが、グローバル時代の必然として現れたライバルです。

グローバル_地球と手

このライバルにはタイプが2つあります。

①工場移転につながる間接的雇用流出タイプ

製造業においてはコストダウンは至上命題です。
絶えず売価が値下げ圧力にさらされる中、原価を逓減しないと利益が確保できません。

直接原価の3要素といえば、原材料費、労務費、経費。
その中の労務費(人件費)をなるべく押さえたいのは企業として当然のことです。

海外進出の苦労や物流面などのマイナスを差し引いても人件費低減部分が大きければ、
工場を人件費の高い日本から人件費の安い新興国へ移すのはビジネスとして当然の判断です。

以前、大手電機メーカーの山形工場にお邪魔したときに、ライバルは同じ会社の海外工場とはっきり仰ってました。
コスト構造が悪ければ、すぐに仕事が海外に持っていかれるとのこと。

今ではわたしの周りでも、国内社員は70名だけど中国工場は2000名!
というような例が当たり前になりました。

10年前、長野県岡谷市に出張で行ったときのことです。
駅前の一等地にある複合ビルで、テナントが歯抜け状態で廃墟ビルのよう・・・
その静けさに驚いたことがあります。

岡谷市といえば精密工場で栄えた町です。
セイコーエプソンさんの城下町でしたが、その主力工場の海外移転によるダメージでした。

大手企業の移転とともに海外進出を果たした下請けさんもあったようですが、その体力がない所は苦境に立たされていました。

アベノミクスでは円安に誘導すれば、輸出が増え雇用も増えるのではという期待もありました。
円安にはなって利益は回復したものの、一旦海外に出た工場は国内に戻ってくるはずもなく
輸出もさほど増えず、雇用も戻ってこないという結果になっています。

日本企業の進出により中国の大連では日本語関連ビジネスが盛んになり、日本用のコールセンターが数多く設立されました。

知人で、日本のコールセンターに勤務している人が何人かいますが、彼らの雇用形態は夜勤、もしくは契約社員です。

会社には彼らを正社員にして高い給与を払う余裕はないわけです。
そんなことをしていたら大連のコールセンターに負けてしまいます。

彼らの正社員雇用を実は遠く離れた大連のコールセンターが阻んでいます。

もう一つのタイプは
②インターネットによる直接的雇用流出タイプ

最近はインターネット通販の世界でもグローバル化が進んでいます。
国内組の海外進出を越境ECと呼び、ちょっとしたブームのよう。

越境ECの場合、ホームページの外国語化(翻訳)は必須ですが、
先日面白い翻訳サービスを目にしました。

インターネット上のサービスで、指定のページに翻訳したい文字列をコピぺします。
その文字列を各地の登録者の手すきの人が、翻訳して返すというもの。

おおよそ1日程度で返事が返ってきます。
英語、中国語、韓国語、スペイン語、タイ語などなど
A4くらいの文字列で約2万円程度です。

Googleなどの機械翻訳でも類似のことは可能ですが、やはり品質は人間には及びません。
しかも品質維持のため定期的に教育、テストしています。

驚くのはメンバーは日本人だけではなく、世界各国の翻訳家が参加していること。
手すきの時間にお小遣い稼ぎが出来ますので、高額な対価を要求しません。
日本人の単価の高い翻訳家に頼む必要がなくなったというわけ・・・

消費者としては嬉しいサービスですが、
専門家としての翻訳家からすれば、脅威の価格下落です。

これはインターネットで世界がつながったから出来ること。
インターネットが距離を無くし、グローバルに雇用をつないだわけです。
このタイプでは直接的に雇用が海外に流出します。
(日本語という障壁がありますので、今のところ被害は軽微)

YouTubeやインスタグラム・・・
インターネットがコンテンツをグロバール化させています。

これは海外をも市場にできるチャンスですが、
同時に日本市場を狙われるピンチでもあります。

ICT技術と海外労働者

否が応でも競争にさらされる時代になりました。

どうやって自分の身を守るのか・・・??

やるべきことは、
自分にしかないスキルを磨くこと。
人間にしかできない判断業務やマネジメントの出来る人材になること。

ライバルは手強いです。
のんびりしてる暇はなさそう・・・
やはり学習と実践、あるのみですね!

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

新競争時代、あなたを非正規に追いやる犯人は誰だ!? (1)

Aug 17, 2015

こんにちは!50代であわててお金の勉強中の、不動産投資家やんつです。
社会人としてお金のことを勉強したいあなたと、アクティブシニアになりたいあなたへ・・

前回の サラリーマン以外の選択肢 でご紹介した
日本FP協会によるガイドブック「10代から学ぶパーソナルファイナンス」に考えさせられるグラフがありました。

雇用形態別推移

「総務省労働力調査」による雇用形態の推移です。
2000年以降、非正規雇用が割合(緑の線)がどんどん増えています。

赤い線が正規雇用割合。
棒グラフは下から派遣・契約社員(紫)、パート・アルバイト(緑)、正規社員、役員等、です。

グラフの最初、1987年には17.6%だった非正規割合が、2007年では33.5%、2012年では35.0%と倍増しています。

グラフは2012までですが、2014年の総務省労働力調査では37.4%だった様。
非正規雇用が3人にひとりを超え、40%になろうかという時代です。
正社員になる事がとても大変な時代・・・。

正規雇用(正社員)と非正規雇用では収入や福利厚生などの雇用条件に大きな隔たりがあります。
最も収入格差が広がる40代では、非正規雇用者の年収は正社員の半分以下!
これが子供の教育環境にも影響し、格差の固定につながっているという指摘もあります。

雇用する側の企業にとっては、非正規やパートは労務費を安く押さえることが出来、且つ変動費化できる有難い制度です。
だからこんなに増加したわけです。

では、規制して正社員化を義務付ければいいんでしょうか?
それだけで企業は全員を正社員採用するんでしょうか?
(派遣法の改正などをそれを目指しているようですが・・・)

ちょっと待ってください・・・
そんなに単純に行くんでしょうか?

もともと少子高齢化で労働者人口は減少しています。とても貴重な労働力のはず。
ならば需要と供給の原則から、賃金が高くなったり正社員雇用が増えてもいいはずでは?

そうならず労働者人口の減少と非正規雇用の増加が同時に起こるのは何故でしょう?
企業がコストの安い派遣社員を雇いたくなる、あるいは雇わざるを得ない要因が何かありそうな気がします。
非正規増加の後ろに潜む真因を色々考えるべきです。

実は正規雇用(正社員)の座を巡ってあなたが争っているのは隣の応募者だけではありません。
目に見えないタフなライバルが2人います。
 

■対 ICT技術


一人目のライバルはICT(情報通信技術)です。
いわばテクノロジーそのものがあなたの競争相手ということ。

エリック・ブリニョルフソン著の「機械との競争」という書籍があります。

従来は、技術の進歩があると古い産業を駆逐するものの、代わりの新しい産業と新しい雇用を生み出してきたそうです。
古い産業から新しい産業へ雇用がシフトしながら、技術革新が進んできたのです。

馬車が鉄道になったように・・・
木炭が石油に取って代わったように・・・
レコードがCDに駆逐されたように・・・

ところが近年は、技術の進歩が早すぎて人々が付いていけないという「雇用の喪失」が起きていると言います。

まだパソコンが職場にない時代、コピー、お茶くみ、集計計算、文書の清書、検算という一般事務という職位で働いている女性が大量にいました。
今は、単に計算してアンケート集計するだけではなく、どんな分析の仕方でどんな課題を抽出するのか、課題抽出能力が問われます。
でも、そんなことが出来るのは一握り。

オックスフォード大学の「コンピューター(ロボット化)の影響を受けやすい未来の仕事」という2013年の調査レポートがあります。
・コンピュータ化によって代替される可能性の高い仕事の上位です(分かりやすく意訳しています)
 電話営業  →自動音声にて代替
 マーケット調査 →インターネットで自動化
 裁縫師   →機械に代替
 数理系技術者 →コンピュータの方が正確
 保険代理店  →インターネットで自動化
 時計の修理工 →時計自体が減少、且つ壊れない
 倉庫の荷積みスタッフ →機械に代替
 税理士、税務代行   →インターネットで自動化
 などなど

米国では総雇用者の約47%の仕事が自動化されるリスクが高いとも言われています。

厄介なことに、近年のICTはそのデジタル化のため無限に複製が可能で、さらにインターネットにより時間と空間を越えていきます。
結果としてICTは(それほど)雇用を生まないのです。
新しい産業での雇用創出は古い産業の雇用喪失に及ばないのです。

ネットでの買い物は24時間可能ですが、店員が待機しているわけではありません。
サーバー上のソフトウェアが勝手に対応してくれます。

買い物後のサンキューメールは自動返信です。
文言を書くのは人間ですが、一度だけ。
後は、何万人が購入しようと正確無比に返信してくれます。
相手によって文言を変化させるなんて芸当も軽いもんです。

安川電機やファナックの産業用ロボットが活躍する工場では、
人間はわずか数人という場合が珍しくありません。

オランダのレタス工場では毎月何万株も出荷しますが、
人の手は最後の出荷工程のみで、わずか3人だそうです。

これからの雇用は高い品質で価値を提供する一部のプロフェッショナル労働と、マニアルさえ読めば誰でも出来る多数の低賃金労働に2分化されるでしょう。
(もう、そうなっているのかも知れません)

誰でも出来る労働にはコストは掛けられません。
時間労働型では単価は簡単に上がらないのです。
企業間競争に負けてしまいますから・・・

ICT(情報通信技術)と人間の競争において、
社会人として身に付けるべきスキルとは何でしょう?
価値提供型収入を得るスキルとは何でしょう?

ググれば誰でも調べられる「知識」にはあまり意味は無さそうです。
複数の「知識」を組合わせて有意な「知恵」にすることが肝心です。

ICTがどんどんその守備範囲を広げている今、わたしたちはより「知恵」を磨く必要がありそうです。
うかうかしていると簡単にICTに取って代わられます。

マツコロイドを見て笑っている場合ではないのかもしれません。
雇用も自己責任の時代に突入しているのかも・・・

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
次回はもう一人のライバルです。

利益による分配はたった3割! 毎月分配型投信の事実(2)

Jul 30, 2015

こんにちは!50代であわててお金の勉強中の、不動産投資家やんつです。
社会人としてお金のことを勉強したいあなたと、アクティブシニアになりたいあなたへ・・

前回に引き続き毎月分配型投資信託について考えます。
前回の結論では、毎月分配型投資信託とは資産を運用しながら計画的に取り崩す商品 です。

では、もし取り崩すとすればどんなやり方がいいのか??

相続_黄金のリンゴ
米国には4%ルールというのがあるそうです。

年金生活者は資産の4%を目安に取り崩しながら生活するのがいい、というもの。
単純計算では25年かけて取り崩すことになります。

定年を60歳とすると85歳までです。

実際には資産を運用しながら取り崩します。
仮に利回り1.5%で運用しながら資産の4%を取り崩していくと、およそ30年で0になります。

60歳を基準とすると90歳まで。
利回りも1.5%運用なら堅実なレベルです。
まぁ安心といえる取り崩し方ではないでしょうか?

ではいくら資産があればいいのか?

厚労省の2014年年金財政検証によれば、夫婦の年金支給額の標準は21.8万円のようです。
(前回の2009年調査からややダウン。また実態はもっと少ないという声もあります)

生活費水準としては普通の生活で26万円、少しゆとりのある暮らしで35万円(月額)程度というのが相場。

年金以外に月10万円を貯金から補填するとすれば、年間120万円。
4%ルールを適用すると必要貯金額は
120 ÷ 4% = 3000万円!

年金以外に月15万円を貯金から補填するとすれば、年間180万円。
4%ルールを適用すると必要貯金額は
180 ÷ 4% = 4500万円!

少し幅はありますが、60歳定年時点で3000~4500万円の貯金があれば、
毎月取り崩しても30年はOKという計算が成り立ちます。

実際には60~65歳には定年から年金支給開始までの空白期間がありますが、
ここは再雇用や再就職で凌ぐことにしましょう。

前回調べたようにグロソブ(グローバルソブリンオープン)は18年間で分配金の累計が8316円です。

これは「自動取り崩し商品」として有効だったんでしょうか???

当初基準価格は1万円ですから
(8316÷18)/10000 = 4.6%
毎年4.6%相当を分配(取り崩し)してきた勘定です。

現在の基準価格(残価)は5579円なので、当初の約56%が残っている計算。
従来通りの分配金(平均年額462円)を支払い続けても12年~は残ります。

と、ここまでは4%ルール通りの商品という感じですが、そんなにうまい訳にはいきません。

2014年に分配金が減額され、それまでの年額420円が240円になっています。
(これで人気もだいぶ落ちてしまった様)

つまりファンドとしてはあと12年程度で0になっては困るので、
分配金を下げて延命を図っている訳です。

基準価格が下がっているので利回りで見た場合は、そんなに割り損ではないですよ~という理屈は成り立ちます。
420÷10000=4.2%
240÷ 5600=4.3% ほぼ同じ利回り水準になりますね。

ただ、「自動取り崩し商品」として見た場合、
判断基準は月額いくらもらえるかという絶対額だったはず。
利回りが基準ではありません。

とすると、取り崩し額が自分でコントロールできないという大きなマイナス面もありそうです。
月10万円の補填のつもりが、ファンドの都合で5万円にされては予定が狂います。

毎月分配型投資信託に取り崩しを託すのと、
面倒ながらも自分で管理しながら自ら取り崩すのと、どちらがいいか?

自分の運命と責任は自分で持ちたい、他人に委ねたくないと思うのはわたしだけでしょうか?

あなたはファンドという赤の他人に自分の貯金の取り崩しを任せますか?

少なくとも、
収入が無い恐怖に駆られて盲目的に毎月分配型を買うのではなく、この仕組みを理解したうえで選択したいもの。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

管理人プロフィール

やんつ写真

やんつ(山本 常勝)

合同会社モンテリーブロ 代表
資産形成、資産運用専門FP
Webディレクター

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