覚えておきたい老後資金のキモ、3000万円の貯金と4%ルール!

Nov 30, 2015

こんにちは!50代であわててお金の勉強中の、不動産投資家やんつです。
社会人としてお金のことを勉強したいあなたと、アクティブシニアになりたいあなたへ・・

先日、こんな記事を目にしました・・・「『老後に1億円必要』は本当か?」
どきりとする数字ですね。1億円!

・・・・・・結論的にいうとこれは本当です。

細かな条件はさておき、例えば
30万×12ヶ月×30年=10800万円 となります。
「老後に1億円必要」がまんざら嘘ではないことが分かります。

ただ、ここには公的年金や退職金などのもらえるお金が入っていません。
夫婦の年齢や現役時代の給与によっても違いますが、
もらえるお金はざっくり 7000万円程度です。
(例えば、年金額(夫15万+妻5万)とすると×12ヶ月×30年=7200万円)

なので、
老後に必要なお金   =約1億円
老後にもらえるお金  =約7000万円
自分で用意すべきお金 =約3000万円 です。

この約3000万円が定年時に持っておくべき貯金となります。
退職金が1000万円出るなら、差し引き2000万円の貯金があればいいことになります。

意外といけそう? それとも厳しいですか?

これは、あくまで概算なので
自分に当てはめる場合はもう少し精度を上げる必要があります。

①年金はいくらもらえるのか ⇒厚生年金なのか国民年金なのか・・・
②どんな暮らしをしたいのか ⇒節約型かゆとりのある暮らしか・・・
③家族構成(定年以降)は   ⇒ご夫婦の年齢差やお子さまは?
④経済的アクシデント状況は ⇒病気、ケガ、親の介護などは?

①~④はみなさん、千差万別です。
万人に共通の正解はありません。

ただ、色々シュミレーションしてみましたが
3000万円という数字はなかなか妥当性があります。

以前、 毎月分配型投信の事実(2) で紹介した米国式4%ルール。
定年時の貯金額の4%を毎年の取り崩しの目安にしましょう、というもの。

3000×4%=120万円=10万円/月
これは、貯金から毎月10万円を年金に補填して生活するイメージです。
少しゆとりある生活をするためにはこの10万円の加算が大きいです。

そのまま取り崩せば25年で使い切る計算。60歳定年なら85歳で貯金0です。

高齢化が進む中、85歳以上まで長生きすることはありそうです。少し足りないかもしれません。

ただ、投資運用で少しはお金に働いてもらうことは出来るはず。少し検証してみましょう

1%~3% で運用したときに、毎年120万円使いながら
いつ枯渇するのか試算してみました。

20151130172239

(あくまで年単位の概算 (年初残高-120)*運用利率=翌年残高)

1%で運用した場合には29年目で枯渇します。
2%での運用では35年目で枯渇
3%での運用では簡単には枯渇しません。40年目でも466万円の残高です!

インデックス投資でも3%~5%程度のリターンは狙えるはず。
3000万円がかなり安心できる水準であることが分かります。
(高齢になれば生活費も減るという考え方から、2000万円でいいという説もあります)

あなたの①~④の状況に合わせて、この数字を適用してください。
個々人で異なるとはいえ、覚えておくべき数字です。

60歳時点で、貯金目標3000万!! これです。
(退職金はおまけと考える)

ただ、投資スキルの向上には5年~の期間が必要です。
定年後に慌てて投資を始めると、
損ばかりして運用で期間確保どころか期間短縮で15年で枯渇! なんてことにならぬように・・・ ご用心。
お金の知恵が必要ですよ!

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

資産運用実践記。REITは買うべきか買わざるべきか?(2)

Nov 20, 2015

こんにちは!50代であわててお金の勉強中の、不動産投資家やんつです。
社会人としてお金のことを勉強したいあなたと、アクティブシニアになりたいあなたへ・・

前回は新光J-REITオープンを解約する経緯をお話しました。
では代わりになる良いREIT(不動産投資信託)にはどんなものがあるんでしょうか?

基本方針として、日本の不動産市況についてやや悲観的なことからできるだけ海外REITで、
且つ資産残高がある程度の規模のものを選ぶことにします。

と言っても、わたしがメインにしている楽天証券では海外REITだけでも102本があります。
どうやって選べばいいんでしょうか??

いろいろ考えて、次の3指標を選択基準としました。
1)3年騰落率の上位
2)シャープレシオの上位
3)2014ファンド・オブ・ザ・イヤー REITの部

1)は3年間でどれだけ値上がりしたか、という指標です。

REITは不動産に投資する投資信託ですから、不動産が生み出す安定的な収益を
リターンとして獲得するという意味からは値上がり期待を指標とするのは
相応しくない気もしますが、安定的収益があれば人気も出る(値上がりする)だろう
ということで指標にしました。

下がるより上がるものを選びたいですもんね!
(過去の実績の通りこれからも上がるとは限りませんが・・・)

2)シャープレシオとはリスク1単位あたりのリターンを示した指標です。

資本資産評価モデル(CAPM)の創始者であるウイリアム・シャープ博士が考案したもので、
同じリスクレベルでどの程度の超過リターンの違いがあるかをみるものです。

リスク対効果とでも言うべき指標。
数字が大きいほど、「リスクの割にリターンが大きい」、「効率よくリターンを上げている」、
「運用成績が優れている」といえます。

シャープレシオ = (ファンドの平均リターン-無リスク資産利子率)÷標準偏差

これだけ聞くと、
すんごい! 良い指標があるじゃん!
ということなんですが・・・

・商品カテゴリーが変われば前提も変る(同一カテゴリ内で比較)
・過去の成績を基にした数字で、将来の保証ではない

未来は誰にも分かりません。
妄信は出来ませんが、まずは判断材料にします。
ここでは3年間の上位を採りました。

3)金融情報サービスの老舗、モーニングスターさんの
ファンド・オブ・ザ・イヤー REITの部です。
良心的な情報提供サイトでの評価を信頼しました。

これら1)~3)での上位ファンドの普通分配率を比較したのがこちら。
(重複分は除く。上位3~5本)

REIT分配率比較841

新光J-REITオープンの分を調べたときもそうでしたが、
各1年分しか情報入手できませんでした。
(どこかにArchiveがあるのかもしれませんが・・・)

結局、情報入手できなかったものが1本。
2015年開始で1年分の実績が無かったものが2本。

普通分配率はなるべく100%がいいんですが、
1年間の100%達成のものは無し。半年間のみ達成がわずか1本!

これは酷い! 調べて、びっくりです。
なぜこんなことが起きるんでしょうか?

ひとつには、高い分配率があると思います。
この低金利時代にどれも高い年利分配です。

この中では分配率の低いノムラ日米REITファンドでも普通分配率は50%超えた程度。
かなり低い分配に抑えないと100%達成は難しそう。
今の、低リターン時代には仕方ないでしょう。

利益は出なくでも、売るために高い分配金を維持する。
結果、元本を取り崩すことになる。
そんな構図が見えてきます。

3~4%の利回りで安定的に分配する、でいいと思うんですが。
無理して分配金を維持するのが今のREITの実態なら、
買う意味はあまりないのかもしれません。

当初、ポートフォリオバランスを考えてREITも購入していましたが、
この結果を見て考えが変わりました。
この分配率ならREITを購入する意味はないでしょう。
REITの購入は止めて別の商品にします。

最後に・・・目論見書にREITの考え方の記載がありました。
「小口の資金で不動産投資と同様の経済効果が得られます。
タイプの異なる複数の不動産に分散投資したのと同じような効果です。」

不動産投資を実践している立場から言わせてもらえれば、
これは全くのデタラメです。

REITは、あくまで投資対象が不動産というだけで、実物不動産の所有権と結びつく訳でもなく、
どちらかというと投資信託のような金融商品です。
不動産投資との類似性はほぼありません。

不動産投資の入門書で、「不動産投資のハードルが高いと思う人はREITから始めると良い」
といった表現を見る場合がありますが、的外れです。
REITは不動産投資の勉強には全くなりません。別物と認識しましょう。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

資産運用実践記。REITは買うべきか買わざるべきか?(1)

Nov 16, 2015

こんにちは!50代であわててお金の勉強中の、不動産投資家やんつです。
社会人としてお金のことを勉強したいあなたと、アクティブシニアになりたいあなたへ・・

以前、ひと様のお金を一任勘定で任されて、買った商品があります。
 ⇒(資産運用実践記)

・日本国債(変動10年)
・ニッセイ外国株式インデックスファンド
・eMAXIS 新興国株式インデックス
・SMT グローバル債権インデックス・オープン
・世界経済インデックス
・新光J-REITオープン   
です。

この6商品を保有していますが、(自分自身の保有商品とは異なります)
今年の8月以降の中国金融不安でかなり軟調です。
年初来でいうとややマイナスという残念な結果。(>_<)
もともと元本保証でなく、上下動することは仕方ないんですが・・・

中でも新光J-REITオープンの値動きが不調のため、REIT部分を見直してみることにしました。
まず保有商品である「新光J-REITオープン」の再評価です。

分配型投資信託の評価には本来の利益による分配のウエイトを見る、
健全性ともいうべき指標である普通分配率が大事です。
 ⇒毎月分配型投信の事実(1)

普通分配率=普通分配金/(普通分配金+特別分配金)
100%が健全で、望ましい姿です。

では新光J-REITオープンの普通分配率を見てみましょう。
金融情報サービスの老舗 「モーニングスター」 で運用報告書を入手します。

報告書の記載内容は

・運用実績(2.5年、30期分)
・基準価格推移(運用経過)
・投資環境
・ポートフォリオについて
・ベンチマークとの比較
・分配金実績(内訳有り!)
・経費明細 (コスト内訳)
・取引明細
・資産構成明細(ファンド明細)
・ファンドの財務状況(B/S、P/L)、その他・・・

正直、読みやすいものとは決して言えません。
このうちの分配金実績の部分に普通分配金と特別分配金の内訳があります。
知らないと読み落としてしまいそうです・・・

しかも、いやなことにこの運用報告書は半年単位。
長期間の数字が拾えません!

本来なら投資判断のためには最低でも3年程度の推移を見て評価したいんですが、
ネットで見つけられたのはたった1年分・・・

うぉら~! 隠してんじゃねえかあ!?
(何かいい方法があったらどなたか教えてくださ~い)

で、これが新光J-REITオープンの普通分配率実績。

新光J-REIT


なんと直近では18.7%!
その前の半年では13.1%!

ほとんどが元本部分からの分配です!
見事なまでのタコ足配当。これはいけません・・・

問題はどの位の期間こんなことを続けているのかですが、情報が見当たりません。
ただ、どうもごく最近からというわけではなさそう・・・。

運用報告書は運用結果に関する開示情報ですが、
投資信託の購入時には別の目論見書(もくろみしょ)というものを参考にします。
投資判断に必要な重要事項を説明をした書類で、購入時には必読です。

ただ、こちらも読みにくい。どうにも不親切です。
購入者へ判断材料を提供しようとしているとは思えません。
むしろ、詳細情報は出したくないけど義務だから仕方なく出すよ感、満載ですww。

実践者の感想としては、
金融商品は購入者と売り手の情報格差がとても激しい商品だと感じます。
売れ筋商品と商品価値がこれだけ乖離しているマーケットは珍しい。
金融機関の販売力や信頼感だけで、売れ行きが決まっています。
それだけ、商品価値の判断が難しいということでもあります。
(継続的な啓蒙が必要だと思う所以)

いずれにせよ、
新光J-REITオープンは乗り換えたほうが良さそうです。
もう少し様子を見るという選択肢もあるのかもしれませんが、やはり分配率は納得できません。

さて、買い換えるとして他にはどんなリートがあるんでしょうか?
REIT分野の投資検証としてはなるべくこの分野の商品を選びたいです。

ということで、次回は海外を含めた他のREITを検討してみます。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
参考になれば嬉しいです。

管理人プロフィール

やんつ写真

やんつ(山本 常勝)

合同会社モンテリーブロ 代表
資産形成、資産運用専門FP
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