みんな不動産投資を誤解している。不動産投資を取りまく7人のこびと(2)

Dec 30, 2016

人生はわくわくとドキドキで、できている!
不動産投資家やんつです。
社会人としてお金のことを勉強したいあなたと、アクティブシニアになりたいあなたへ・・

不動産投資に対する取り組み方、7分類の続きです。

1.興味がない人、関心がない人
2.やったこともないのに、やめた方がいいと否定する人
3.大損して破綻した人
4.ほとんど儲かっていない人
5.儲かっていると勘違いしている人
6.そこそこ儲かっている人
7.純資産をどんどん拡大する人

今回は四人目から…

「四人目」…ほとんど儲かっていない人

不動産投資で最も多いのがこのタイプの人かもしれません。

資産形成には
■資産形成期…リスクを取って高い利回りを追求し、資産を増やしていく時期
■質的改善期…質の高い物件に入れ替えていく時期
■安全運転期…資産価値の維持、相続評価の圧縮に努める時期
の3つのステージがあり、実はステージにより買うべき物件が変わります。

多くの人はこの違いを理解していません。
売る側も「この物件は安全運転期向きなので、資産形成には向きませんよ」
とは言いません。売れればいいのですから。

安全運転期の富裕層が買うような高額な区分マンションを若い方が購入する、などのミスマッチが起きています。

損をするようなことは少ないですが、長期的な収支を計算すると、多額のローンというリスクを取った割には
インデックス系の積み立て投資とさほど変わらない結果になったりします。

もう一つ、そもそもビジネス努力を怠ってあまり儲からない状況になっている方もいます。

これは地主系大家さんに多く、空室が増え収支が悪化して悩み始めます。
ハウスメーカーさんの提案で新築アパートを建て10年後に、建物の劣化とともに空室が多くなるパターンが典型的です。

家賃や募集条件を見直す、リフォームするなどの手を打てばいいのですが、それすらも面倒と思ってしまいます。
相続などで取得し、「単なる不労所得」と勘違いしているため悲劇となります。

あるいは、管理会社に言われるままに費用対効果を考えない過剰なリフォームをしても、儲からない結果になります。

わたしの不動産投資のスタートは、実家の築古アパートを引き受けたところから始まりました。
空室が目立ち、持て余していた母が困っていたのです。

母は早く処分したがっていましたが管理会社に確認すると、リフォームして募集条件の変更をすれば可能性はあるとの返答。

そこで銀行からリフォーム代をアパートローンで借り、補修後、再募集をかけ満室にできました。

実家周辺では3割の空室が当たり前ですが、仕方がないと思わずに「満室にする」という固い決意で臨めば、可能なのです。

不動産投資で儲けるには
・物件購入のための自分なりの選定条件を持つ(返済比率、CF率など)
・きちんと電卓を叩き、短期・長期の収支予想を立てる
・ビジネスと理解し、運営について管理会社と汗をかく

これを忘れないようにしたいもの。

「五人目」…儲かっていると勘違いしている人

これまで数百人の不動産投資家さんに逢いましたが、意外とこのタイプが多いのが困りものです。

書籍を出したり、セミナーをやったりしている方の中にもかなりいるのが実態です。

「利回りXX%の物件を購入して、家賃収入XX円になりました!」
と言う人が本当に大きく儲かっているとは限りません。

アパート_だめーっ!

不動産に限らず投資の最終リターンはインカムゲイン+キャピタルゲイン です。

最近の不動産投資は低成長、低利回りを背景にインカムゲインが主体です。
そのためインカムゲイン(家賃収入)のみで成否が語られています。
ここにはキャピタルゲインの概念が欠如しています。

3年で家賃収入XX円を達成! は怪しいのです。
3年で家賃収入XX円、かつ売却想定資産残高XX円 というのが正しいのです。

持ち続けるという選択肢も多いのですが、それでも
「この物件の市場価値はいくらか?」という自問は重要です。

利回り6%の区分マンションを2000万円で購入したケースを考えてみましょう。
この物件の5年後の資産価値を試算してみます。

家賃下落が無かったとすると、年間120万円の家賃収入。
5年後に期待収益率10%での売却が見込める場合では、売価は1200万円

5年間保有して、期間収益600万+1200万(未実現利益の実物資産価値)=1800万円
となります(厳密には現在価値に割り引く必要がありますが、ここでは簡便化しています)

つまり、5年間で1800万円のこの物件を2000万円で買うのは割高なのです。
(ローン購入なら自己資金が少ないので、成立する可能性はあります)

5年後の期待収益率が8%の場合はどうでしょう?
その場合、売価は 120÷8% =1500万円
期間収益600万+実物試算1500万円=2100万円となります。

期待収益率8%の立地、市況 であれば、
2100-2000=100 で5年で100万円の利益になるということ。

この5年間の利益100万円と投資額2000万円の内部収益率IRR(利回り)は1%程度。
この利回りを他の投資手法と比較するのが正しい考え方になります。
10年後の家賃と市場価格を試算してみるのもお勧めです。

売却額が見えない物件や売り難い物件、再建築不可や狭小物件など、つまり出口が難しいために安く売られている物件は判断が難しいのです。
(リスクを超える高い利回りなら可です)

地主系大家さんによくある新築アパートの場合は、中古時の毀損が大きくなります。
10年後、20年後の資産価値を織り込んで計算する必要があります。

不動産投資で「表面利回りではなく実質利回りを意識しましょう」と言いますが
正しくは、「実質利回りプラス市場価値を意識しましょう」です。

家賃収入だけではなく「出口」を意識して語るようにしたいもの。
家賃収入だけを語る人には、実物資産価値も聞いてみましょう。

不動産年収500万円という数字だけでは、あまり意味は無いのです。
あくまで投資額との対比(ROI)、最終損益が大事なのです。

投資はインカムゲイン+キャピタルゲイン
キャピタルの方が全体の収益に与えるインパクトが大きいのは忘れてはいけません。
(株と同じですね)

長期的には、安定的な家賃収入生み出す賃貸物件はとても有効ですが、
インデックスの積み立ての方がよほどましだった、というのでは身も蓋もありません。
勘違いしないようにしたいもの。

今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございます。
長くなりました。「六人目」以降は次回に…

みんな不動産投資を誤解している。不動産投資を取りまく7人のこびと(1)

Dec 21, 2016

人生はわくわくとドキドキで、できている!
不動産投資家やんつです。
社会人としてお金のことを勉強したいあなたと、アクティブシニアになりたいあなたへ・・

最近、不動産投資のセミナーの準備をしていてふと気が付きました。
不動産投資に対する取り組み方を分類すると、どうやら7つに分かれるようです。

1.興味がない人、関心がない人
2.やったこともないのに、やめた方がいいと否定する人
3.大損して破綻した人
4.ほとんど儲かっていない人
5.儲かっていると勘違いしている人
6.そこそこ儲かっている人
7.純資産をどんどん拡大する人

題して、不動産投資と7人のこびと…

白雪姫と七人の小人

「一人目」…興味がない人、関心がない人

まず、世間の大多数を占めるのが不動産投資に「興味がない人、関心がない人」です。
無論、人生の必須知識ではないので問題になる訳ではありません。

不動産といえば、相対取引で値段がよく分からない…。
業界はひと儲けを企む怪しい人間ばかり。なんだか信用できない。

上手くいってる人もいるみたいだけど、特別な例だけでしょ。うかつに近づくと損をしそう…。

そもそも、投資なんていうものは下品。
人生は地道が一番。 くわばら、くわばら…

どうも、お金に興味を持つことは卑しいことという文化でしょうか?
実際にやっている人間からすると、無関心はちとモッタイナイ。

実は、人は人生の中で必ず不動産と関わりを持ちます。

・社会人になって、親元を離れて賃貸住まい
・結婚してマイホーム
・親の高齢化とセットで悩ましい実家問題
・そして、最後に相続問題
しかも、親からの相続人であるだけではなく、いずれ自身も被相続人になります。

不動産投資の知識があれば、マイホームに関しても賃貸併用という選択肢も広がります。
(住宅の半分に自分が住み、半分を賃貸に出すというもの。家賃収入をローン返済に充てるため、殆ど支払いのない状態でのマイホーム取得が可能)

定年間近になると、親の衰えと共に実家問題に頭を悩ます人も多いです。

早めにスキルを習得しておくと、いざという時のフットワークが違います。
学んでおいて、損はないと思うんですけどね。

んん?
ホントは興味があるのに、無いふりをしている人も実は多い??

「二人目」…やったこともないのに、やめた方がいいと否定する人

次に、やったこともないのに「不動産投資は怖いものだから止めましょう!」という人がいます。

やってみての感想ならいいんですが、ほとんどがやったことも無いのに不動産投資のネガティブ面だけを強調しています。

どういう訳か、FPとか金融系の専門家に多いのが困りものです。
リスクを警告するのが自分たちの役目と思っているんでしょう。

リスクを含めて正しく啓蒙するのは問題ありませんが、やってもいないで偏見だけで内容は勘違いが多いのが残念。
(逆にリスクを全然言わないで売り付ける業界人も多いので、仕方がないのかもしれませんが)

この人たちの言い分は
「人口減の時代、空室リスクには近寄るな!」です。

以前、そんな人が書いている「不動産投資のリスク」を読みました。

<やったことのない人が言う不動産投資のリスク>
・購入した物件に欠陥があるかもしれない
・借りる人がいなければ赤字になるかもしれない
・銀行から大金を借りても、返せなくなるかもしれない

この辺は、まあ分かる気もします。

・物件が壊れた時に修理費がかかる
・不動産会社や入居者との手続きが煩雑

???
この人は何をしたいんでしょう?
棚からぼた餅が欲しいんでしょうか?

ビジネスをすれば頭も必要で、労力も掛かります。
それをリスクと呼ぶのでしょうか?

ここまでくると、噴飯ものです。

どんなビジネスにもリスクはあります。
リスクとは避けるものではなく、マネージするもの!
リターンはリスクの果実なんですから。

人口減でビジネス環境としての賃貸事業が難しくなっているのは事実ですが…
「もう3割も空室」といって敬遠するのか、
「まだ7割も埋まっている」と更に10割埋める戦略を考えるのか、
このマインドセットが分かれ目です。

そのマインドを持てない人は止めといた方が無難。

「三人目」…大損して破綻した人

以前、不動産投資セミナーである人から、
「大失敗した人の話を聞きたいんだよね~。何か悲惨な話、知りませんか?」と尋ねられました。

昨年、サークルメンバーと
失敗事例に学ぶ! 「不動産投資」成功の教科書』 を出版させていただきました。

ただ、失敗事例書籍と言いつつ、
「失敗しそうになったけどリカバリーした」という話が多いのです。
事故、災害には注意すべきですが、それ以外のトラブルは努力でなんとかなるのです。

大損して破綻した人には、残念ながらわたしは会ったことはありません。

数百人の投資家に会っていますが、「苦労した、もうこりごりだ」という人はいましたが大失敗という具体例は知りません。失敗した人は人前に出ないので逢えないのかもしれませんが。

実際に破たんする人はどれ位いるんでしょう?

不動産投資への積極的融資で有名なS銀行の不良債権の内訳をみると、返済滞納、条件猶予で1.0~1.2%程度です。(金額ベース)

そこから更に破綻するのは0.2~0.4%だといいます。500人に1~2名ですね。
みなさんが思っているより低いのでは?

今は、バブル期のようにキャピタルゲイン狙いではなく、インカムゲインが中心です。
きちんと電卓を叩けば、ある程度の収支にはなります。
ある日突然、全室が空室になるなんてことはありません。長期金利も急に4~5%になる訳ではありません。

災害対策の保険は必要ですが、それ以外はマネージが可能なのです。

「四人目」以降は次回に…

今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございます。
こちらでも書いてます。よろしければお読みください。
 ⇒女性向けWebサイト DAILY ANDS

やっと気が付いた。お金の方程式には第2ステージがあった!

Oct 31, 2016

こんにちは、人生は50代からがもっと楽しい!不動産投資家やんつです。
社会人としてお金のことを勉強したいあなたと、アクティブシニアになりたいあなたへ・・

ずいぶん前に、「お金持ちになる基本方程式」というのをお話ししました。

資産形成=①給与+②資産運用益-③支出

あるいは、もう少し分解すると
資産形成=①(自分×運用利回り)+②(資産×運用利回り)-③支出

そのためにやるべき3つのこと
①給与を増やす(自分利回りを上げる)
②運用利回りを上げる
③支出を減らす    というものです。

過去の記事はこちら⇒

ごくご当たり前のことですが、なかなか含蓄に富んだ式と思います。
図案化したものがこちら

資産形成サイクル

これはこれで正しいと思いますが、少し補足が必要なことに気が付きました。
実は、資産形成に第2ステージがあったのです。

■ 資産形成の第2ステージ

実業家であり、不動産投資家でもあるOさんに物件を見せていただいた時のことです。

「最近は、首都圏では物件が高騰してなかなか買いにくいですね」 とわたし。
すると、Oさんはにやりと笑い
「出口でキャピタルが見えていれば、家賃収入によるインカムが無くても買うという選択肢はありますよ」さらに
「毎年の収支がマイナスでもいいと割り切れば、買える物件はあるんですよ」

えっ、インカムが出ない物件? そんなの価値あるの?
最初は何のことやら分かりませんでした。

ロバートキヨサキさんも言っています。
一にキャッシュフロー、二にキャッシュフロー、三四が無くて五にキャッシュフロー…
キャッシュフローの追求が自然なことだと思っていました。

Oさんが購入されたのは、埼玉県の外れに近いとあるJRの駅から徒歩10分の土地。そこに新築を建てられたのです。
乗車人員、約7000人/日くらいの場所で、賃貸需要がさほど旺盛とは思えない郊外です。

彼の戦略はこうでした。

「確かに賃貸需要は多くは無い地域。とはいえ全くのゼロではない」
「毎年、10棟分程度の需要しか無くても、裏を返せばこの地区でベスト10に入ればいい
デザイナーズ風に工夫した新築。3~5年で築浅・満室のうちに売り抜ける予定とのこと。
見事なニッチトップ戦略でした。

投資リターン = インカムゲイン + キャピタルゲイン  であることは投資の常識ですが…
キャピタルでの損益が計算しにくいことから、最近はもっぱらインカムに焦点をあてた不動産投資手法が主体です。

キャピタルは高リスクだし、読めない。だから、堅実なインカムで勝負する。それが今の不動産投資の常識になっています。

確かにキャピタルはプラスにもなれば、損失が出ることもあります。失敗するかもしれないものは怖い…。
もっともな話です。

ところが売却を経験すると違った景色が見えてきます。
キャピタルの予測は一見難しそうですが、実はそうでもないのです。

どんな時代でもイールドギャップが8%を越えると売れる可能性が出てきます。
どんな悪い物件でも15%を越えると買い手は出るもの。
再建築不可でも20%なら、買う人は一定数います。

こうしてインカムとキャピタルの両方が見えると、
次にそれぞれの資金効率の違いが大きく目に付くのです。

資産規模がある程度大きくなると、日々のフローの緊急度は下がります。(急に生活に困るわけではない)
その大きさを活かしたキャピタル狙いの投資ができるのです。
しかも、フロー収入よりキャピタル収入のほうが実は何倍も資金効率がいいのです。

つまり、資産運用には2つのステージがあったのです。

第1ステージ⇒最初はフロー重視で資産形成
第2ステージ⇒大きな資産を活かしてキャピタル狙いで増やしていく

図案化するとこんな感じ。
資産形成サイクル2nd

融資などのOPM(other peoples money)を使うと、レバレッジが効いて資金効率が上がります。
本当のお金持ちの運用の秘密は、こちらだったんですね。

「お金持ちになる基本方程式」の中で、
②(資産×運用利回り)の部分を変える必要があるようです。

広い意味ではキャピタルゲインも(資産×運用利回り)に含まれますが、

資産形成=①(自分×運用利回り)+②(資産×運用利回り+キャピタルゲイン)-③支出

と分けて記述したほうが分かりやすそうです。

第2ステージにたどり着くのは大変ですが、覚えておいて損はありません。

わたしの周りでも、資産規模が数億円レベルになりそろそろ第2ステージという人も増えてきました。
誰にでも出来るものではなさそうですが、彼らの秘密もどうやらこの辺にありそうです。

今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございます。
こちらでも書いてます。よろしければお読みください。
  ⇒女性向けWebサイト DAILY ANDS

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やんつ(山本 常勝)

合同会社モンテリーブロ 代表
資産形成、資産運用専門FP
Webディレクター

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