あわてて物件を探す前にするべきこと 不動産投資の誰も言わない真実(2)

Dec 31, 2018

人生はわくわくとドキドキで、できている! 個人投資家やんつです。
社会人としてお金のことを勉強したいあなたと、アクティブシニアになりたいあなたへ・・

「誤解と錯覚」に満ちた不動産投資のホントを語る「不動産投資の誰も言わない真実シリーズ」第二弾です。

質問者は前回に続き、ゆとりある老後を目指したい50代のサラリーマンHさん。

■どんな物件を買えばいいのか?

質問者Hさん:
「不動産投資がサラリーマンでも取り組みやすいのは分かりましたが、一体どんな物件を買えばいいんですか?
「ネットを見ると都内の区分マンションとかが良いように思うんですが? 自分の物件を満室にすれば成功すると言っても、郊外ではやはり入居者の確保が不安で…。」

なるほど、不動産投資に興味を持ってもらえた訳ですね。嬉しいです。でも、ちょっと待ってください。
慌てて物件を探す前に、理解しておいて欲しいことがあります。
物件情報が氾濫していますので、その取捨選択の基準を知っておきましょう。

■資産形成の3ステージ

資産形成には3ステージがあると考えています。
資産形成期、品質改善期、資産維持期です。

資産形成の3ステージ

1.資産形成期
資産を拡大し、純資産を形成していく時期です。多くの方はここから始まります。リスクを取って高いリターンを狙う時期です。
郊外の単身向け中古アパート等で、高い利回りを狙い資本蓄積します。

ローンを使ってレバレッジを効かせるのも効率的です。

但し、物件探しの苦労や仲介会社との折衝、入居付けなど多くのフィールドワークも必要になることは覚悟してください。

2.品質改善期
獲得した資産を、より流動性が高く価値下落の少ない資産に入れ替えていく時期です。
複数物件を所有して、CF(キャッシュフロー)が生まれ一定の資産形成ができたら、アセット(資産)の入れ替えで質的向上を目指します。

郊外の物件から需要の手堅い都内へ。
駅遠のバス便からより駅近くの物件へ。
単身向けアパートばかりではなくファミリー向けも組み込む、などです。

2010年に取得したわたしの中古マンションでは、6年で約1割家賃が下落しました。
他の事例を見ても、特に郊外物件の家賃下落幅は大きくなっていると感じます。

純資産が一定に達したら、闇雲に規模を求めるのではなく、より運営の楽な価格下落リスクの少ない物件に替えていくことを推奨しています。

地主さんの土地活用などでは、そもそも入れ替えを考えないケースも多いですが、ぜひその感覚は持って欲しいもの。

3.資産維持期
大きくなった純資産の維持、下落防止に努める時期です。インフレに負けない程度の利回りが目安。

このステージでは金融資産も大きくなっていますので、アセット(資産)の分散とバランスへの配慮が主たる目的になります。

金融資産と不動産に資産を配分し、全体のバランスを考えます。不動産は相続税対策にも有効なので、一定の資産を不動産で持つのは合理的です。

このステージでは、資産承継についても考えて欲しいもの。お子さんの運用スキルの向上にも着手しておくべき時期です。

このように3つのステージにおいて取得するべき物件が異なります。

ところが市場では、どのステージ用と区別して売られている訳ではありません。資産形成したいのに資産維持期用の低利回り物件を買っても仕方がありません。
自分のステージ、目的に合わせ見極める必要があります。

不動産投資の目的は大別すると資産拡大とアセットの分散です。
(品質改善は過渡期)
何時までにどの位の資産形成、利回りを目指すのか?
目的、状況により買うべき物件や戦略が異なってきます。

Hさんが貯金もそれなりにあり、退職金も当てにできるなら品質改善期や資産維持期の物件を買ってもいいかもしれませんね。

仕事が忙しく物件探しなどに時間が取れなくても、ローンを組んでレバレッジを効かせればある程度の物件は買えそうです。
但し、労力が要らないものはリターンも小さくなりますので大きなゲインは期待できないことは心得てください。

Hさん:
「いやあ~、転職している関係で退職金もそこまで見込めないんですよ。
やはり純資産をもう少し増やしたいと思うんです。何しろ定年後が不安で…。」

土日を含めて時間を割く覚悟があるなら資産形成期の物件にチャレンジしますか?
ただ高利回りを目指せば、その分のリスクも高くなるのでしっかりと勉強してくださいね。

Hさん:
「不動産投資に興味をもってから、何冊か本を読んでみました。
ネットで色々検索するようにもなりました。セミナーにも行こうかと思っています。」

勉強意欲が湧いたのはいいことですね~。
不動産投資はサラリーマンでも取り組みやすいとは言え、やはり学習は必須です。

じゃあ「正しい勉強法」について、次回ご説明にさせていただきますね。

今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございます。
次回は不動産投資の正しい勉強法です。

人口減時代に不動産投資は大丈夫か? 不動産投資の誰も言わない真実(1)

Dec 5, 2018

人生はわくわくとドキドキで、できている! 個人投資家やんつです。
社会人としてお金のことを勉強したいあなたと、アクティブシニアになりたいあなたへ・・

投資歴がそれなりに長くなったわたしですが、つくづくとこの世界は「錯覚と誤解」に満ち満ちていると感じます。

溢れるバイアス情報の中では、正しい投資マインドが育ちようもありません。

そこで10年間の不動産投資歴の集大成として、皆さまからよく聞かれる質問に答える形で「不動産投資の誰も言わない真実」をまとめることにしました。

損益計算や物件評価等ののテクニック論は後回しにして、本質的なことをまずは理解して欲しいと思います。

では、第一弾!

■ 人口減の時代に、不動産投資は大丈夫か?

質問者Hさん:ゆとりある老後を目指したい50代のサラリーマン

「将来の年金生活が不安で投資の事も考えるんですが、人口減の時代に不動産投資って大丈夫ですか?」

もっともな質問ですね。初心者の方からよく聞かれます。人口減も空室率の上昇も事実です。

賃貸用住宅の空き家率は全国平均は19.3%(総務省2013年「住宅・土地統計調査」)であり、約2割が空室ということになります。

わたしも、金沢でアパートを探していた時に、3割以上の空室物件がゴロゴロしているのでびっくりしたものです。

この統計自体は築年数や地域別の違いを一まとめにしているので、これだけで全ての場所について語っているわけではありません。とはいえ、この10年でも郊外の家賃下落率は大きくなっていると感じます。

Hさん:
「じゃあ、やっぱり不動産投資はしないほうがいいんですね?」

空室率が高くなっているから不動産投資は止めた方がいい、そんな単純な話でもないんですよ。

少し不動産投資の利益の源泉についてお話します。
あまり語られませんが、不動産投資には投資とビジネスの両方の側面があるんです。

投資のリターンはインカムゲインとキャピタルゲインからなるのは理解されてますよね。
不動産のインカムゲインは家賃収入から、キャピタルゲインは売却益からとなります。

不動産投資と他の投資との違い

キャピタルゲインは投資的側面が強いんですが、インカムゲインである家賃収入は「賃貸業」というビジネスが源です。アパートを維持管理し、入居者を獲得し、その結果として利益を出す訳です。

不動産投資の魅力として語られることの多い
「毎月安定的な家賃収入が得られますよ」というフレーズは「賃貸業というビジネスは安定的な家賃収入が得られる事業ですよ」と言うのが正解です。
(投資としてのキャピタルの側面については別の項で論じます)

つまり不動産は「投資」とはいうものの、脱サラによるラーメン店開業やコンビニの新規開店と同列な「ビジネス」なのです。

人口減の時代は事実ですが、これは日本のどの業界も同じ条件。閑古鳥の鳴くラーメン店もあれば、行列の絶えないお店もあります。

閑古鳥を目指して開店するお店はありませんよね?
要は賃貸業としての繁盛店になればいいだけです。

ビジネスである以上、

・入居付に強い管理会社とチームを作る
・絶えず近隣の需要と供給を考慮する
・ペット可、外国人向け、などの特徴を持たせる
・築古戸建てや全空アパート等を安く購入し、リフォームで再生する
・高利回りを狙える地方で、あえて満室経営を目指す

様々な工夫が考えられます。

「経営者として努力し、自分の物件が満室になれば成功する!」
が答えです。

■ 複業としての不動産投資

Hさん:
「不動産投資が事業だとすると、サラリーマンには向かないということですか?」

わたしの所属する「ふどうさんぽ」では2300名を越す仲間がいますが、その多くは30~40代のサラリーマンです。主婦の方や契約社員の方もいらっしゃいます。

その中で億単位の資産形成に成功した方がたくさんいます。

不動産投資は賃貸業というビジネスですが、サラリーマンでも兼業しやすいのが大きな特長なんです。

いくつか見てみましょう。

1)アウトソーシング環境が完備されている

投資家向けポータルサイト、仲介会社、管理会社、金融機関、税理士…。
多くの会社で業界が構成されており、時間のないサラリーマンでも十分に取り組める環境があります。

但し、取り巻く多くの会社は玉石混淆であることは知っておいてください。

2)マーケットが大きく多様性がある

賃貸業向け戸数は住居系で約2400万戸もあり、商業系も含めると膨大な数になります。
人が住むというニーズは無くなることはありませんし、インバウンド向けの民泊も法整備が進んでいます。

サラリーマン投資家が多少参入しても、大きなマーケットからみればごくわずかなものです。

不動産は同じものが一つもなく一つひとつが固有のものですが、それが難しさでもあり、多様性でもあります。

区分マンションから、戸建て、一棟物。
新築に中古。価格も数百万から数億円…。

あなたの属性や嗜好に合わせた物件を取得すればいいんです。ご自身が納得できる投資手法がきっとあるはずです。

3)自分で利回りをマネジメントできる

不動産投資を実行している人の多くは、「金融投資はリターンを自分ではコントロールできないが、不動産は自分で利回りをマネジメントできるのが面白い」と言います。

学び続け行動すれば、行動した分がリターンとなります。アウトソーシングは活用しても、他人任せではない所が面白さ。

逆に言えば、行動無きところに成功はありません。

Kさんは、仕事の合間を縫って仲介会社の営業マンに会いまくり、1年間に500枚の名刺を配ったといいます。

Sさんは融資への事前準備として、100行を目標に色んな金融機関に問い合わせたといいます。

わたしも物件購入の度に、数十件の物件調査に行っています。
成功者への条件は絶え間ない工夫圧倒的な行動量にあることは間違いありません。

4)競合が厳しくない

これは大きな声では言いにくいですが、競合が厳しくないことが不動産投資で数多くの成功者が生まれる背景にあります。

賃貸業では近隣の同じ間取りのアパートが、自分の物件の競合先になります。その中で入居者需要を取り合う訳ですが、実は地主系大家さんの多くが勉強不足です。

これは土地を所有している場合、ローン比率が低いため満室にならなくても十分に利益が出るためです。

特に相続系地主さんの場合、自身で取得したアパートでもなくスキルを磨いて大家になったわけでもありません。管理会社にお任せで、なかなか勉強するベクトルにならないのです。

無論、地主系大家さんがスキルを磨けば鬼に金棒ですが、そんな人はごく一握りです。

この競合性の低さが、サラリーマンのような新規参入者でも成功しやすい土壌となっています。

■ 不動産投資スキルの必要性

不動産投資を無闇に勧める訳ではありませんが、実は人生のどこかで誰しも不動産は関係してきます。

・住まいとしての不動産
・実家問題としての不動産
・相続対策としての不動産

不動産投資家に、何か後悔していることはありますか?
と尋ねると「もっと早くから取り組めば良かった!」と答えます。(笑)

人生のどこかで不動産に関わるならスキルを身に付けておいて損は無い、そんな風に思いませんか。
怖がらずに身に付けてください。

今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございます。
このシリーズは暫く継続予定です。

管理人プロフィール

やんつ写真

やんつ(山本 常勝)

合同会社モンテリーブロ 代表
資産形成、資産運用専門FP
Webディレクター

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