不動産の正しい勉強法とやってはいけない 不動産投資の誰も言わない真実(3)
Jan 31, 2019
人生はわくわくとドキドキで、できている! 個人投資家やんつです。
社会人としてお金のことを勉強したいあなたと、アクティブシニアになりたいあなたへ・・
「誤解と錯覚」に満ちた不動産投資のホントを語る「不動産投資の誰も言わない真実シリーズ」第三回です。
質問者は引き続き、ゆとりある老後を目指す50代のサラリーマンHさん。
■こんな勉強はやってはいけない?
Hさん:
「何冊か本を読んでみました。実際に成功した人が多いんで驚きました。自分でも資産形成できそうかなあ、なんて…。」「色んな業者さんがセミナーをやっているので行ってみようかと思っています。」
興味を持ってもらえたのはいいですね~。
まず先に「やってはいけない勉強法」について話しておきます。
不動産投資に興味を持った人はこんな勉強を始めます。
・不動産投資の書籍を読む
・先輩大家さんのコラムやメルマガを読む
・無料の不動産投資セミナーに通う
大きくは間違いではないんですが、いくつか「やってはいけない」があります。
①無料セミナーの情報バイアスに惑わされてはいけない
②無料セミナー後のセットプランを慌てて買ってはいけない
③節税メリットを過大評価してはいけない
④成功者の書籍を盲信してはいけない
① 無料セミナーは参加してもいいんですが、主催者のバイアスが掛かっていることには要注意です。無料で開催するからには主催者の意図があります。多くは、自分たちに都合のいいように誘導する内容になっています。
不動産投資の魅力的な部分については話しますが、注意点は話しません。
初心者にはどこの注意点が抜けているか見抜くのは困難。
無料セミナーの場合、あくまで参考程度に聞いておくのが無難です。
不動産投資のメリット、デメリットを正しく理解するのが先決。
② ましてや無料セミナーの後、セットプランの提案を受けてそのまま契約してしまうなんてのはもってのほか。
「低金利時代に毎月1万円もお小遣いがもらえますよ。最後には自分の資産になりますからね」と仲介会社の甘い誘い。しかも「ローンの紹介もセットになっていて、自己資金も少額で済みますよ。」とか。
言われるがまま購入し、もし儲からない物件ならローンだけが残ることになります。
購入後、手取り収入が以外に少ないことに気付き、売却しようとしても売却損が発生。
売るに売れずに5~10年塩漬けになってしまう。こんな例をよく見てきました。
不動産投資の注意点を理解し、資産拡大には向かないけど流動性の高さを評価するなど提案の良し悪しを理解した上で買うのは問題ありませんが、勉強不足のまま慌てて買う必要はありません。購入物件は何時の時代もあります。
不動産投資の目的に合わせて、どの程度のキャッシュを残していきたいのか、その期待収益に合わせて物件選択をしたいもの。
③ 「節税になります」というのもよくあるセールストークです。
これは、サラリーマンの給与と不動産事業収支が損益通算できることを指します。
不動産投資の利点のひとつですが、「節税」になるということは賃貸業そのものが赤字だということ。
赤字であっても、税金と相殺できるので実質的な負担はありませんが、購入価格とは別に税金で納めるべき金額を資金投入している訳です。
そこまで資金投入してもいい将来価値の確かな物件ならいいでしょうが、そんな計算は初心者には難しいでしょう。
そもそも赤字ということはビジネスとしては落第。高い買い物です。
どうせなら黒字でキャッシュフローが出る物件を買いたいもの。
④ 書籍はコストパフォーマンスも良く、お勧めです。
著者の成功体験は大いに参考になりますが、Hさんに向いているとは限らないのが玉にキズ。
20冊は読んで欲しいです。それだけ読めば様々な手法があることが分かります。
書籍にも注意はあります。
ひとつは誰が書いているかです。
販売会社や管理会社などの業界人が書いている場合は、無料セミナーと同様、都合の悪い注意点には触れていないことが多いので内容を鵜呑みにするのは危険です。
実践している大家さんならいいかというと、無条件という訳でもありません。
不動産投資を取りまく7人のこびと(2)でも書いていますが、著者は、上手くいってると思い込んだ「勘違い大家さん」かもしれません。
体験談は本物でしょうが、特定の手法の一面的な見方かも。
二つのチェックポイントで、著者をみてください。
・執筆時で5年以上の運営経験があるか
・売却を経験しているか
不動産投資は長期的なビジネスで
・売上逓減
・コスト逓増
という特質があります。購入後が一番儲かるんです。それで成功したと思い込んでは危うい。
長い投資経験を持ち、ここを理解している大家さんなら安心です。
■不動産投資の本当の学習ステップ
Hさん:
「いやあ、先に聞いといて良かった。無料セミナーには眉に唾を付けて行くようにします。」
「じゃあ、どんな勉強方法がいいんですか?」
正しい学習のポイントは3つです。
1.(主催者が不動産販売会社ではない)有料の不動産投資セミナーに行く
2.(長期的に)成功している先輩投資家に聞く
3.投資家仲間を作る
です。順にご説明しますね。
まず、有料のセミナーで体系的に学ぶことがポイントです。
・不動産の事業収益とCF(キャッシュフロー)が異なる理由
・不動産の基本的評価法である積算評価と収益還元評価
などの基本をきちんと学んでください。自分で収益見通しを計算できるようになっておけば、大きな間違いはありません。
多少費用はかさみますが、将来の正しい物件購入で簡単に元は取れます。
自己投資を惜しんではいけません。
大家の会や不動産投資サークル(ふどうさんぽなど)などに加入して、実践している先輩から話を聞くのもお勧めです。
物件を持っていない初心者でも参加できる会もありますので、調べてください。
「ふどうさんぽ」でも、購入後慌てて勉強の必要性を感じて参加する人が多いんですよね。
残念な物件を買ってしまった人もいて、コメントに困ることもあります。
契約後、同じマンションで過去にもっと安い価格で売買取引がされていたことを知り、自分のうかつさと知識不足を痛感し、ようやく不動産投資の本格的な学習を決意した例もありました。
ホントは、買う前にもう少し勉強しておいて欲しいと思います。
初心者には投資サークルや大家の会は敷居が高く感じらられるので、仕方がない面もありますが…。
不動産は金額が大きいのでリカバリーできる範囲の金額ならいいんですが、本質を理解してないうちに複数棟の購入は避けてくださいね。
5年以上継続されている先輩投資家に物件の選択基準や融資手法も聞いておきたいですね。
仲間との情報交換で市況の変化や融資トレンドを収集しましょう。
投資サークルや大家の会では「仲間」ができるという利点もあります。
情報交換だけではなく、会社を離れての交友関係の広がりにもつながります。
不動産投資は孤独な活動です。物件情報収集に現地確認。なかなか買えないとモチベーションが下がります。
そんな時、投資仲間の頑張りを見ると励みになりますよ。わたしも、それで随分勇気づけられました。
Hさん:
「投資サークルですか。何だかドキドキしますね。」「有料セミナーはどこがいいか教えてもらえますか?」
じゃあ今度、内容のしっかりしたところをお教えしますね。
土日を使うなどの苦労はありますが、見返りは大きいものがありますよ。
頑張ってチャレンジしてください。応援してます。
今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございます。
次回は別の方からの質問です。