投資信託はどう選ぶ?(5) 独立系運用会社のファンドってどうよ?

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膨大な投資信託の正しい選び方を考えるシリーズ、五回目です。
前回はシャープレシオに注目し、なかなか有力な使える指標であることが確認できました。

今回は角度を変え、根強いファンが増えつつある独立系運用会社に注目し調べてみます。大手にはない、なかなかユニークな商品が揃っています。

■ 運用会社の課題

投資信託は販売・運用・資産保管等がそれぞれ異なる会社で運営されていますが、このうち運用会社は証券会社系が多いのが実態です。

有名なところとしては
・日興アセットマネジメント
・アセットマネジメントOne(みずほ系)
・野村アセットマネジメント
・大和アセットマネジメント
などです。
ごく自然なようですが、実はここに問題が潜んでいます。

運用会社がファンド組成をする訳ですが、当然子会社であれば、親である販売側の意向が強く働きます。運用会社が長期投資に向く優良なファンドを作りたいと思っても、売りやすいもの、儲けやすいものが優先されるというベクトルです。

そのため、次から次へと新商品を出す傾向が続いています。

少し価格が下がったら売却を勧め、次の商品を購入させる。その度に販売会社には手数料が入る…。短期で売買してもらった方が販売会社は儲かるのです。これが悪名高き回転売買。(最近はフデューシャリデューティーということで改善されつつありますが…。)

結果として約6000本もの投資信託が乱立する事態になりました。しかも、投資信託の平均保有期間は長らく3年程度のまま。本来は長期保有目的なら5年、10年と伸びてもいいはずです。

無論、たくさん売りたい証券会社が全て悪いわけでもなく、購入者のリテラシーの低さにも問題があります。(なにしろ殆どの人は、ちゃんと勉強していません)

こんな状況下では、インデックス系以外で優良なファンドを探すのはとても大変です。

ファンドの成績(リターン)は金融工学だけで決まるものではなく属人的な要素も大きいのです。運用しているファンドマネージャーのスキル次第ともいえます。

2019年夏に敏腕ファンドマネージャーK氏がそれまでの損保会社を離れ、日興アセットマネジメントに就任してから、既存ファンドの「ミュータント」のリターンが劇的に改善するということが起こりました。
残された損保会社のファンドのその後の成績は推して知るべし、です。
こんなことは、一般の方はまずご存じありません。

ファンドマネージャーを確認し、信頼してそのファンドを購入しても、何時転職などで変わってしまうか分からない。
これでは一般消費者は何を基準にファンドを選んでいいのか分かりません。

そこでクローズアップされるのが独立系運用会社です。

■ 独立系運用会社とは

調べたのは10社とその代表的ファンドです。
投資信託_独立系運用会社
・レオス・キャピタルワークス
・さわかみ投信
・セゾン投信
・鎌倉投信
・ポートフォリア
・コモンズ投信
・GCIアセットマネジメント
・ありがとう投信
・クローバーアセットマネジメント
・ユニオン投信  の各社。

国内株主体のファンドが多いと思い、ベンチマークとしてTOPIX系で残高が一番多いTOPIX連動型ETF(残高12兆円!)を選定しましたが、意外にも各ファンドで海外株の組み入れ比率が高く、先進国株式系のインデックスと比較しても良かったかもしれません。

資産残高をみると、残念ながら1000億円以上のファンドは3社のみ。独立系は歴史も浅いため、まだまだ大きなものではないようです。資産規模としては投資信託全体の3%程度のよう。今後の拡大に期待したいもの。

ファンドそのものは分別管理されているため、残高が少ないからといって心配な訳ではありませんが、経営が不安定になるのも事実。やはり残高500億円程度は欲しいものです。

独立系を語る場合、なんと言ってもさわかみ投信の創業者澤上篤人氏を抜きには語れません。
1999/08に長期投資に向いたファンドを提供したいという氏の想いから、日本初の独立系「さわかみファンド」が誕生しました。ここが全ての始まりです。

それまでの大手金融機関だけの業界に風穴を開けた功績は大です。
調べたところ、ほとんどの独立系運用会社が、創業にあたって氏のアドバイスを受けています。

各運用会社は押しなべて大手金融機関のアンチテーゼとして誕生しており、長期的な運用と堅実な成果を目標とするところが共通しています。

商品を絞り込んでいることも特長です。1商品だけという会社もあります。
まあ優良なファンドを作れば、増やす必要も無い訳です。積立てを推奨しているのもほぼ同じ。

その他独立系の良さとして
・運用ポリシーが明確
・ファンドマネージャー(多くは創業者)が固定されていて安心できる
・顧客を大事にし、情報交換にも熱心
ということがあげられます。

直販が中心で、ネット証券では買えないファンドもありますが、割安な経費構造の維持のためには仕方がない面もあります。

どうしても大手に比べて販売力が弱く、知名度に劣るのは否めません。闇雲に大きくなることを目的にしていない会社も多いです。

■ 各ファンドの特徴

各ファンドを見てみましょう。

【ひふみプラス】
カリスマファンドマネージャー藤野英人さんを筆頭とした運用チームが素晴らしいリターンを上げ続けていることで有名です。それまでの直販オンリーから間接販売用の「ひふみプラス」とラインナップを拡げたことで販売が拡大しました。

2015~16年に藤野さんがマスコミに多く露出することでぐんぐん販売高を伸ばし、日本有数のファンドになりました。

少し残高が大きくなりすぎて、従来のように小型株を買いにくくなった側面はありますが、海外株を入れるなど工夫もしており、1兆円程度までは大丈夫かもしれません。
親会社からの独立性が保たれていれば、お勧めできるファンドです。

最近は「ひふみワールド」という海外に特化した新商品も出しており、こちらも要注目です。

【さわかみファンド】
日本初の独立系であり、長期的に応援したい会社を投資で支えるという独自の哲学で有名です。
バイアンドホールドで割安なところで買い、長期保有します。当初は日本株中心だったはずですが、最近は海外株も多く組み込んでいるようです。

あまり短期的なリターンを追求してはいないとはいえ、5年間のリターンはやや物足りない感があります。独自のポリシーに共感する根強いファンに支えられたファンドです。

【セゾン バンガードグローバルバランスファンド】
名前の通り、バンガード社のインデックスを中心としたファンドオブファンズです。非常に合理的なアプローチで、独立系最大のユーザー数を誇ります。

ただ、海外ETFが買いにくかった時代には有効でしたが、海外ETFが買い易くなった今は、かつてほどの魅力はないかもしれません。

今はWealthNaviやTHEO(お金のデザイン)など海外ETFの自動購入ができる商品も増えてきました。

【結い2101】
ファンドマネージャーの新井和宏さんの書籍「投資はきれいごとで成功する」で一躍有名になりました。

こちらも非常にユニークな運用ポリシーで、人・共生・匠の3つをキーワードに企業選定しています。ESG投資の先駆けとも言えるファンドで、やはりコアなファンが多いことで有名です。

【みのりの投信】
少数厳選主義での企業選定というポリシーはいいのですが、今のところリターンという実績に結び付いていないのが残念なところ。
今後の選定会社の見直しに期待したいです。

【コモンズ30ファンド】
海外比率の高い国際優良銘柄で組成されています。目論見書をみると、長期保有の名に相応しい会社ばかりです。なるほど納得の組成でしょうか。

守りの運用資産を一部振り向けるには良いファンドと思います。安定的なリターンが望めそうです。

【その他のファンド】
まだ残高が小さいため、もう少し様子をみたいのが本音。

ということで、今回の結論は
長期的に堅実な資産運用を目指す人でその組成ポリシーに賛同できる人、という条件付きですが…
独立系運用会社のファンドは有力な選択肢一つ! です。
気になったファンドはより深く調べてみてください。

お金を味方に付ければ、人生二馬力、三馬力!
今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございます。

※本記事は特定の商品を推奨、あるいは誹謗中傷するものではなくあくまで個人的な見解に基づく記事です。

管理人プロフィール

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やんつ(山本 常勝)

合同会社モンテリーブロ 代表
資産形成、資産運用専門FP
Webディレクター

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