投資信託はどう選ぶ?(6)投資信託とETFってどっちがいいの?

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膨大な投資信託の正しい選び方を考えるシリーズ、六回目です。

本シリーズでは投資信託購入時の様々な目安を検証しています。
シャープレシオがなかなか有力な使える指標であることを確認。前回は独立系のファンドもみてみました。

とはいえ、アクティブファンドもいいけど、シャープレシオって難しくて選ぶ自信がないよ。初心者にはやっぱりインデックス系じゃないのという声も聞こえてきそうです。

確かにインデックス系は万人向けのお勧め商品。ところが買おうかなと思うと、今度は投資信託とETFの選択肢があり、どっちがいいのと悩んでしまいます。
お客様から聞かれることも多いです。

で、今回は投資信託とETFをテーマにしてみました。

■ETFとは?

ETFとは
ETFとは上場投資信託(Exchange Traded Funds)と呼ばれ、投資信託を上場して株式のような手軽な売買を可能にしたものです。運用先はインデックス系が中心で、手数料が安く品揃えが豊富なのが特長です。

日本では少しなじみが薄いですが、海外ではバンガード社を中心にとてもメジャーな投資商品です。

証券サイトでは株式欄に掲載されているため、少し分かりにくく、敷居が高く感じるしれません。短期的なキャピタルゲインを狙うというより、長期的な値上がりを期待して保有する商品です。

ETFの種別として
日本で上場されている国内ETF(日本株式欄に掲載)と
海外で上場されている海外ETF(海外株式欄に掲載)があります。
どちらも証券会社で簡単に購入ができます。

■ETFは国内、海外、どっちにする?

投資信託と比較する前に、ETFとしては国内と海外のどちらがいいのか考えてみます。(今回の調査は楽天証券を使用)

代表的な投資先候補として考えられる「グローバル」と「アメリカ」で比較してみました。
楽天証券で国内ETFは222本、うち株式系が175本です。グローバルでは10本、アメリカでは13本がヒットしました。(投資ではまずは対象国の選別が重要ですね)

【国内ETF、グローバル】
・1680:上場インデックスファンド海外先進国株式(MSCI-KOKUSAI)
 残高約140億円 信託報酬0.15% 日興アセットマネジメント
・1550:MAXIS海外株式(MSCIコクサイ)上場投信
 残高約 96億円 信託報酬0.165% 三菱UFJ国際投信

などがあげられます。どちらもMSCIコクサイをベンチマークにしているためリターンはほぼ同等です。

【国内ETF、アメリカ】…代表的なものとしてはS&P500系(米国の代表的500社の指標)です
・1557:SPDR S&P 500 ETF
 残高約2890億円 信託報酬0.095% SSGAトラスト・カンパニー
・1547:上場インデックスファンド米国株式(S&P500)
 残高約160億円 信託報酬0.15%  日興アセットマネジメント

一方、楽天証券では海外ETF(米国、香港、シンガポール)は374本。うち米国上場が312本です。

【海外ETF、グローバル】
・VT:バンガード・トータル・ワールド・ストック
 残高約1兆4800億円 信託報酬0.09% バンガード

【海外ETF、アメリカ】
・VTI:バンガード・トータル・ストック・マーケット USトータル 米国3500社の指票
 残高約15兆4900億円 信託報酬0.03% バンガード

S&P500ならSPDRもありますが、もう少しコストの安い
・IVV:iシェアーズ・コア S&P500
 残高約21兆3000億円 信託報酬0.04% ブラックロック
・VOO:バンガード・S&P 500 ETF
 残高約13兆9000億円 信託報酬0.03% バンガード
などがお勧めです。

こうして国内と海外を比較すると、国内ETFは残高がまだまだ少ないと感じます。外資系の1社を除いて、みんな200億円以下。対して海外ETFでは全て10兆円規模です。
分別管理なのでリスクがある訳ではありませんが、残高が多い方が長期的なコスト吸収力が高いため、やはり残高では海外に軍配が上がりそうです。

コストについても国内ETFも十分安価ですが、海外ETFの方がもっと安いのは事実。

そもそも国内ETFの中には、その中身が海外のETFで組成される商品もあり、ならば直接元の商品を買った方が良い理屈にもなります。

ただ投資対象のエリアや指標(インデックス)が同じものならリターン自体に大きな差が付くわけではありません。対象が同等なら国内でも海外でも成績は似たようなものです。

気になったのはETFに関する情報の分かりにくさ。調べるのがちと面倒。
商品が上級者向けなので気にしていないんでしょうか? それとも売る気がないのか…?

先進国だけではなく、新興国のバリエーションという意味でも海外ETFが魅力的です。ベテランになれば個別の国にファーカスすることもありそう。
ブラジル、ロシア、メキシコなどのBRICS諸国。インド、ベトナム、タイ、インドネシア、マレーシアなどのアジアも魅力的です。

ということで、ETFなら海外ETFに軍配! です。

■ETF VS 投資信託 どっちがいい?

いよいよ海外ETFと投資信託を比べてみましょう。

【投資信託、グローバル】
・eMAXIS Slim 全世界株式
 残高約163億円 信託報酬0.11% 三菱UFJ国際投信

【投資信託、先進国】
・たわらノーロード 先進国株式
 残高約506億円 信託報酬0.11% アセットマネジメントOne
・ニッセイ 外国株式インデックスファンド
 残高約1635億円 信託報酬0.11% ニッセイアセットマネジメント

【投資信託、アメリカ:S&P500】
・eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
 残高約564億円 信託報酬0.10% 三菱UFJ国際投信

などが比較候補です。

違いをまとめてみました。
ETFと投資信託の比較

現場感覚としては、ETFにはいくつか注意点があると感じています。(表の赤字部分)

■原則ドル建てでの購入である
事前に円からの両替が必要なことも多く、申込み時間帯に制限があるなど、煩雑です。(最近は円建ての直接購入ができる会社も増えてきましたが)

■自動積立てができない
ドルコスト平均法を実践する場合、長期積立が前提となります。手動で毎回積立てるのでは大変です。(執筆時点で知る限り、出来るのはSBI証券のみ)

■再投資が煩雑
配当の形で分配があるため、長期投資では配当分を自分で再投資(購入)する必要があります。これは面倒。投資信託なら再投資型でほったらかしも可能です。

以前はコストの差が大きく、これらマイナス面は以前から指摘されてはいたもののETFに利がありました。ただ2014年頃からの信託報酬の値下げで、コスト差は減っています。(今でもETF0.03%~、投資信託0.1%~と若干差はありますが)
マイナス面を考えれば、この程度は許容範囲ではないでしょうか?

今回の結論。
初心者はまずは投資信託!
マイナス面を気にしないようなベテランになったら海外ETFも考える!

お金を味方に付ければ、人生二馬力、三馬力!
今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございます。

※本記事は特定の商品を推奨、あるいは誹謗中傷するものではなくあくまで筆者の個人的な見解に基づく記事です。

管理人プロフィール

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やんつ(山本 常勝)

合同会社モンテリーブロ 代表
資産形成、資産運用専門FP
Webディレクター

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