Q.毎年100万円を永久に貰える債券。いくらで買いますか?
こんにちは! 53歳からあわててお金の勉強中の、不動産投資家やんつです。
以前、「割引を使えば、色んな時間軸の経済価値の比較が出来る!」という記事を書きましたが、ファイナンスの基礎の中に出てくる類似の例題で、「永久債」というのがあります。
永久に100万円貰える債券の価格はいくらでしょう? という問題です。
毎年毎年、永久に貰える… う~ん、とっても素敵! 100万円×永久=無限大?? まさかね?
実はこれも、割引を使って現在価値を求める問題です。
割引率を rとすると 1年後にもらえる100万円の現在価値は
これがず~っ貰えるわけですから・・ 1年後の現在価値、2年後の現在価値‥ と足していきます。
なんだかややこしそうですが、この数列式を解くと
あ~ら不思議! とっても簡素な式になります。
ファイナンシャルプランナーの用語ではこの応用で、
現価係数→現在のお金を複利運用するとどの位増えるかを表す。
終価係数→複利運用して目標額を貯める時の必要な元本を表す。
という数値がよく使われます。
さて、例えばわたしの401Kの目標利回りである3.5%を割引率とすると、この債権はいくらになるでしょう?
100万円÷3.5% ですから
約2,857万円 となります。
つまり3.5%の利回りを期待しているわたしならこの債権を 2,857万円で買うことが正しい、となります。
ところが、この3.5%はわたしが期待する利回り(期待利回り)で、あなたが期待する利回りは、それとは違うかもしれません。
もし、2.0%の利回りでいいや~という(欲の無い)人がいたら‥
100万円÷2.0% ですから、その人にとってこの債権の値段は
5,000万円! となります。 ずいぶん違ってきます。
つまり人によってこの債権の価値は変動し、どちらが正しいという訳ではありません。
期待利回りによってこの債権への評価額が変わってくるということに過ぎません。
マイホームでも単なる住む所でもいいという人と、家族との安らぎの場ととらえる人では出してもいいという金額は変わってきますよね。
期待利回りによって評価額が変わるって、なんだか分かりにくいと思ってしまいますが、角度を変えて、毎年利息が100万円貰える定期預金と考えると、ことは簡単です。
いくら預ければ毎年100万円もらえるのか?
2.0%の利息なら5,000万円で、3.5%の利息なら2,857万円です。 (計算式も上記と同じですよね!)
ちなみにメガバンクの1年物の定期金利は現在(2014年3月)0.025%~程度です。
これを期待利回りとして計算すると‥ あわわ‥恐ろしすぎて 計算できません‥ (^_^;)
期待利回りに正解はない、といっても目安は欲しい所です。
ファイナンスの世界では、考えられる一番安全な利付債権として、一般的に長期国債が使われます。
(まぁ、国が保証する債権だからまずは安全だよね、という考え方です。 最近は危ないと警戒しだしている人も多いですが‥)
参考に10年物長期国債の利率を調べてみました。
年 度 | 長期金利 |
---|---|
2014/03/25 | 0.625% |
2010年末 | 1.187% |
2000年末 | 1.710% |
1990年末 | 6.746% |
これを見るとバブルの時の高金利時代が夢のようです。
なんと、いまの10倍です!
こんな低金利の今だからこそ、正しい投資の知識で少しでも利回りを良くし(且つ堅実に)増やしていきたいものです。
最後に声に出して覚えましょう。
お金(経済的価値)には時間軸、金利がとても重要!