新社会人に知って欲しい、不都合な真実 (2)
こんにちは! 53歳からあわててお金の勉強中の、不動産投資家やんつです。
新人営業研修で話している不都合な真実の続きです。
最初の話は日本政府の借金の話でしたが、その次はこちら
(国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(2006年)」などをもとに国土交通省国土計画局作成)
少子高齢化、人口減少についてはあちこちで言われていますのでいまさらですが‥
日本国が「人口減」に直面するのは実は今回が初めてではないようです。
有史以降、これまで3回の大きな人口減時代があったといわれています。(今回が4回目!)
1)縄文時代末期から弥生時代にかけて (図なし)
2)平安時代から鎌倉時代にかけて ( ▼ )
3)江戸時代後期から明治時代にかけて ( 〃 )
4)今回 2004年~ ( 〃 )
1)は狩猟文化の限界による人口停滞といえるようで、絶えず狩や採取の適地を求めて移動していくとなると、なかなか人口を安定させることはできません。天候の不安定さにも影響されます。
弥生時代に入って稲作が人々の中心になると食料調達が安定し、定住となり人口停滞に終わりを告げます。
2)は律令制度が崩壊を始めた時期で、飢饉なども多かった時期です。 その後、鎌倉幕府の成立とともに武家社会となり、新しい秩序がもたらされ社会が安定すると同時に人口も上向きます。
政治の安定により農村という形態の定着、検地を通じての土地制度の確立。水田面積も増えたようです。
3)の江戸時代後期は稲作中心の社会が限界を迎え、幕府という組織も制度疲労を起こしていた時期です。新田開発も行われたはずですがこの時代の技術での限界に来ていたのではないでしょうか?
それが安政の開国で西洋文明に触れ、黒船襲来から明治維新へと続く産業革命で一気に生産性が上がり人口が爆発します。
この近代以降は第二次大戦後の特殊要因を除き、一貫して人口増でした。
それが2004年にピークアウトし、いよいよ4回目の大人口減時代に突入したのはご承知の通りです。これから100年を掛けて、(このままの出生率が続けば)明治維新から増加してきた人口が、丸ごと元に戻ってしまいます!
今回の4回目の大人口減時代ですが、過去3回の人口減とは少し様相が違います。
3回目までの人口減はそれぞれの時代の生産性を主因とした、食糧事情、経済事情による社会が養えるキャパシティの問題でした。 キャパシティの問題であれば、技術革新により扶養可能な人口が大きくなればそれに合わせて人口が増えて行きます。
それが、どうやら今回は異なるようです………
これ以上の人口を養えない経済的状況が日本にあるとは思えません。キャパシティは今回の要因ではないようです。
先進国としての文化的変化に起因する急激な出生率の低下による、いわば国の老化病による人口減です。
といっても人口の減少自体に善悪はありません。地球規模で考えれば人口増大に歯止めが掛かることは悪いことではありません。
100年かけて人口が1~2割減る程度なら問題にはならなかったはずです。急激な変化による人口バランスの崩れとそれがもたらす社会制度の歪みが問題です。
これだけの急激な変化は世界にも類が無く、日本が世界に先駆けて経験します (韓国と中国が後を追いかけてくるようです) 誰も見た事のない大変化です‥ どんな問題が待ち受けているんでしょうか??
世界各国の出生率はどうでしょうか?
国 名 | 出生率(人) |
---|---|
日 本 | 1.4 |
韓 国 | 1.3 |
中 国 | 1.6 |
英 国 | 1.9 |
米 国 | 2.1 |
(合計特殊出生率ランキング、国別順位 - WHO世界保健統計2013年版より)
特筆すべきは英国です。 一時は「英国病」と言われ停滞する先進国の代名詞でしたが、1979年のサッチャー首相の誕生を機に経済を立て直しました。
出生率も2001年には1.64とかなり危うい状況でしたが、2010年には1.94まで回復させています! わずか10年での成果です!
先進国としての文化的成熟が人口減の主因という環境下では出生率の向上は簡単ではなく、この成功例はとても参考になりそうです。
米国も積極的な移民政策があるとはいえ、未だ2.1というのは流石というほかありません。
「制度面の支援充実」「高出生率の移民の増」とこの辺に回復のヒントがあるようです。
時間はかかるでしょうが不可能ではないはず‥‥ そのためにわたし達にできることは何でしょうか‥‥???
不都合な真実、あともう一つ‥