日銀の追加緩和の嘘と真実。 またタンス預金が増えてしまうのか?
こんにちは! 53歳からあわててお金の勉強中の、不動産投資家やんつです。
社会人としてお金のことを勉強したいあなたと、アクティブシニアになりたいあなたへ・・
今回は通貨量について考えてみました。
米連邦準備理事会(FRB)が10/29の連邦公開市場委員会(FOMC)において、
量的緩和第3弾(QE3)の終了を決定しました。
すると見計らったように、というか見計らって日銀の黒田総裁が10/31にマネタリーベース、
お金の量を拡大する追加緩和策を発表しました。
・マネタリーベースの増加額を年間60兆~70兆円から約80兆円に増やす
・長期国債の買い入れ額を年間50兆円から80兆円に増加する
・上場投資信託(ETF)や不動産投資信託(REIT)の購入を3倍増とする
何とも気前のいい黒田バズーカ第二弾です。
米国の通貨量の増加が抑えられる(貨幣価値が上がる)
逆に日本円の通貨量は増える (貨幣価値が下がる)
となると必然的に円安に向かうと予想されます。
(実際に109円前後だったのが11/7日現在で115.3円まで下がりました)
今後、この通貨量の違いは私たちに何をもたらすのでしょうか?
あるいはその狙いは何でしょう?
そこで通貨量と為替についてグラフにしてみました。(見やすくするため単位を調整しています)
(日銀統計データ: リーマンショック後の2009/01から)
青い線 :マネタリーベース平均残高 (左目盛で兆円単位)
灰色の線:M3 (左目盛で10兆円単位)
赤い線 :対米ドルレート(各月の月末時で右目盛、円単位)
マネタリーベースとは通貨供給量を見るもので「日本銀行券発行高」「通貨流通高」「日銀当座預金」の合計額として算定されます。
M3とは:現金通貨+全取扱機関に預けられた預金の合計で、市中にあるお金の量を見るものです。
青い線を見ると、リーマンショック以降もあまり増加していませんでしたが
(これが円高を招いていると当時から避難の的でした)
アベノミクス以降、特に黒田総裁の就任以降2012/09から残高が急拡大していることがわかります。
(異次元の金融緩和ですね)
為替もそれと歩調を合わせるように円安になっています。
通貨量(円)が増えれば相対的な貨幣価値は下がりますので円安になるのもうなずける話です。
(あくまで要因の一つでしょうが)
通貨量と円安の上昇カーブはよく似た傾きです。
ところがM3やその他の数字を見ると、違う疑問が湧いてきます。
2009/01と2014/08との比で、マネタリーベースは259%と大幅増ですが、実は
「通貨流通高」や「銀行貸し付け残高」はほとんど伸びていません。 (*)
つまり通貨供給は増えているにも関わらず、市中にそのお金は出回っていないようです!
この増えたお金はどこに消えたのでしょうか?
その答えはマネタリーベースの内訳にありました!
図にはありませんが、内訳の中で日銀当座預金残高だけが1383% と突出した伸び率になっていました!
日銀当座預金残高とは銀行が日銀に持っている、金利の付かない通貨量調整のための特殊な口座です。
金利が付きませんので、銀行としては一定の準備金を除き、この資金を市場で運用したり、
企業に貸し付けたりして事業を行なうはずです。
ところがどんどん溜まってる一方です・・・!?
本来は経済を活性化させるために市場に供給されるべきお金が使われもせず銀行のタンス預金と化してしまっているのです!
これはなぜなんでしょう?
おそらく(魅力的で安全な)貸付先がない。
企業の資金需要がない(投資意欲がない)ということだと思います。
そして日銀が国債をバンバン買うので市場には買うものも残ってない・・・
だとすると金融緩和の前にこの資金が活用される施策を打つべきではないでしょうか?
(日銀の守備範囲ではありませんが・・・)
日本経済の構造改革、規制緩和の方が先なのでは??
正にそれはアベノミクスの第三の矢のことに他なりません。
この市中流通をみると第三の矢が効いているとはとても言えないようです。
国家戦略特区、地方創生・・・ もっと施策のスピードを上げて欲しいものです。
今回の追加緩和はひょっとして、日銀の手出しのできない第三の矢に対する黒田総裁なりのプレッシャーなんでしょうか?
ほれほれ、こんなに当座預金残高が積み上がっちゃったよ~
早く手を打たないと大変だよ~・・・ とか・・・
それとも・・・
更なる株価上昇を演出し、消費税増税を確実にするためのただの援護射撃??
あなたはどちらだと思いますか?
・・・・・・・・・・???
せっかくなので次回は米国の通貨量についても調べてみたいと思います
※お金の知恵大全 Ver2.0はこちら
*本記事は、当初マネタリーベースとM3の単位の違いを考慮していない記述になっていましたが、すでに変更済みです。 全体の趣旨に変更はありません。
社会人としてお金のことを勉強したいあなたと、アクティブシニアになりたいあなたへ・・
今回は通貨量について考えてみました。
米連邦準備理事会(FRB)が10/29の連邦公開市場委員会(FOMC)において、
量的緩和第3弾(QE3)の終了を決定しました。
すると見計らったように、というか見計らって日銀の黒田総裁が10/31にマネタリーベース、
お金の量を拡大する追加緩和策を発表しました。
・マネタリーベースの増加額を年間60兆~70兆円から約80兆円に増やす
・長期国債の買い入れ額を年間50兆円から80兆円に増加する
・上場投資信託(ETF)や不動産投資信託(REIT)の購入を3倍増とする
何とも気前のいい黒田バズーカ第二弾です。
米国の通貨量の増加が抑えられる(貨幣価値が上がる)
逆に日本円の通貨量は増える (貨幣価値が下がる)
となると必然的に円安に向かうと予想されます。
(実際に109円前後だったのが11/7日現在で115.3円まで下がりました)
今後、この通貨量の違いは私たちに何をもたらすのでしょうか?
あるいはその狙いは何でしょう?
そこで通貨量と為替についてグラフにしてみました。(見やすくするため単位を調整しています)
(日銀統計データ: リーマンショック後の2009/01から)
青い線 :マネタリーベース平均残高 (左目盛で兆円単位)
灰色の線:M3 (左目盛で10兆円単位)
赤い線 :対米ドルレート(各月の月末時で右目盛、円単位)
マネタリーベースとは通貨供給量を見るもので「日本銀行券発行高」「通貨流通高」「日銀当座預金」の合計額として算定されます。
M3とは:現金通貨+全取扱機関に預けられた預金の合計で、市中にあるお金の量を見るものです。
青い線を見ると、リーマンショック以降もあまり増加していませんでしたが
(これが円高を招いていると当時から避難の的でした)
アベノミクス以降、特に黒田総裁の就任以降2012/09から残高が急拡大していることがわかります。
(異次元の金融緩和ですね)
為替もそれと歩調を合わせるように円安になっています。
通貨量(円)が増えれば相対的な貨幣価値は下がりますので円安になるのもうなずける話です。
(あくまで要因の一つでしょうが)
通貨量と円安の上昇カーブはよく似た傾きです。
ところがM3やその他の数字を見ると、違う疑問が湧いてきます。
2009/01と2014/08との比で、マネタリーベースは259%と大幅増ですが、実は
「通貨流通高」や「銀行貸し付け残高」はほとんど伸びていません。 (*)
つまり通貨供給は増えているにも関わらず、市中にそのお金は出回っていないようです!
この増えたお金はどこに消えたのでしょうか?
その答えはマネタリーベースの内訳にありました!
図にはありませんが、内訳の中で日銀当座預金残高だけが1383% と突出した伸び率になっていました!
日銀当座預金残高とは銀行が日銀に持っている、金利の付かない通貨量調整のための特殊な口座です。
金利が付きませんので、銀行としては一定の準備金を除き、この資金を市場で運用したり、
企業に貸し付けたりして事業を行なうはずです。
ところがどんどん溜まってる一方です・・・!?
本来は経済を活性化させるために市場に供給されるべきお金が使われもせず銀行のタンス預金と化してしまっているのです!
これはなぜなんでしょう?
おそらく(魅力的で安全な)貸付先がない。
企業の資金需要がない(投資意欲がない)ということだと思います。
そして日銀が国債をバンバン買うので市場には買うものも残ってない・・・
だとすると金融緩和の前にこの資金が活用される施策を打つべきではないでしょうか?
(日銀の守備範囲ではありませんが・・・)
日本経済の構造改革、規制緩和の方が先なのでは??
正にそれはアベノミクスの第三の矢のことに他なりません。
この市中流通をみると第三の矢が効いているとはとても言えないようです。
国家戦略特区、地方創生・・・ もっと施策のスピードを上げて欲しいものです。
今回の追加緩和はひょっとして、日銀の手出しのできない第三の矢に対する黒田総裁なりのプレッシャーなんでしょうか?
ほれほれ、こんなに当座預金残高が積み上がっちゃったよ~
早く手を打たないと大変だよ~・・・ とか・・・
それとも・・・
更なる株価上昇を演出し、消費税増税を確実にするためのただの援護射撃??
あなたはどちらだと思いますか?
・・・・・・・・・・???
せっかくなので次回は米国の通貨量についても調べてみたいと思います
※お金の知恵大全 Ver2.0はこちら
*本記事は、当初マネタリーベースとM3の単位の違いを考慮していない記述になっていましたが、すでに変更済みです。 全体の趣旨に変更はありません。